
【画像・写真】「に、虹色です!」 1秒で絞り出したドヤ顔回答を悔やむ――9・8渋公に挑むPalette Paradeに見えた“本当の色”
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【推し面・Palette Parade編集後記】
やってしまった。完全に、やってしまった。
7月8日。Palette Parade(パレパレ)の新曲発売記念と5周年ワンマンライブに向けた取材を終え、帰りの電車内で取材班は静かに頭を抱えていた。 これまでの人生で指折りの、心の底からの猛省である。
事の発端は、取材直後のメンバー全員からの、最後の挨拶だった。 イメージカラーの鮮やかな新衣装に身を包んだ7人の丁寧なあいさつに感激して、取材班はちょっと格好をつけて、今回の5周年マンワンライブ、タイトル「だから僕らは色を重ねる」を引用してみせたのだ。
「いやぁ、皆さんの色がきれいに重なって見えましたよ」
我ながら粋なセリフが決まった。心の中でガッツポーズを作ったその瞬間。 メンバーの夏目志穂さんが、実にまっすぐな瞳で、不意打ちの質問を投げかけてきた。
「何色に見えましたか?」
目の前には、赤、オレンジ、黄、白、紫、ピンク、水色。 鮮やかな7つの色が並んでいる。
一瞬、脳がフリーズした。
これはもしや、「絶対に単色を選んではいけない」ドッキリか。 もし選んでしまったら、あの大みそか特番のように、「取材班、アウト~」の合図とともに、覆面の仕置き人がケツバットしにくるのか。
純粋な瞳でワクワクしながら答えを待つ、7人の真っ直ぐな視線。 そのプレッシャーを前にして、妙に緊張したしがないサラリーマンは、1秒の猶予もない中で、必死のドヤ顔と共にこう絞り出した。
「に、虹色です!」
その場は7人から「オー!」という温かい、あるいは気を遣わせたかもしれない歓声をもらった。 ちょっとした満足感に包まれて、楽屋を後にしたのだった。
だが、どうにも引っかかる。 帰りの電車内でなんとなくスマホを取り出し、「虹色 重なる 何色」と検索してみた。画面に表示された文字を見て、サァッと血の気が引いた。
すべての色が混ざり合うと、光は白になるが、絵の具などの「色」を重ね合わせると、最終的に黒っぽくなる、というのだ。
なにせグループ名にパレットが入ってる。色が重なるイメージは絵の具だった。
「色がきれいに重なって見えました」
軽い気持ちで口にしたその言葉が、彼女たちが重ねてきた5年の意味に、どこまで届いていたのだろうか。
7人の輝かしい5周年ツアータイトルを、うわべだけでなぞってしまったのではないか。自分の発言の軽さと、色に込められた意味を受け止めきれていなかったことに、車内で穴があったら入りたい衝動に駆られていた。
なぜ、あの時もっと違う言葉が出なかったのだろう。
ぼんやりと車窓を見つめながら自問自答を繰り返すうちに、取材班の記憶は、2年前へと巻き戻っていった。
パレパレと取材班の出会いは、この「推し面」が産声をあげた2024年5月にまで遡る。 記念すべき「最初のインタビュー」に応じてくれたのが、他ならぬ彼女たちだった。
当時はまだ、オリジナルメンバー4人の体制。 それから9カ月後の2度目の取材では、新たな仲間が一気に3人増え、7人の新生パレパレになっていた。 昨年10月の3回目では、7人の原点と個性を剥き出しにするようなお話を伺った。
そして、4度目となる今回。 パレパレは5周年という大きな節目を迎え、LINE CUBE SHIBUYA──かつて多くの伝説が生まれた「渋谷公会堂」のステージに挑もうとしている。
アイドルという、いつ終わりが来るかも分からない過酷なキャリアを、5年も重ねてきた。 気がつけば、事務所内でも活動期間の長い先輩グループになっていた。
インタビュー中、ふとした瞬間に「焦り」がにじむことがあった。
自分たちと同じだけの時間をかけて、あるいはもっと短い時間で、大きなステージへと駆け上がっていったライバルたちの背中は、嫌でも目に入る。
その曇りない笑顔の裏で、どれだけの夜を涙で濡らし、どれだけの葛藤を飲み込んできたか。それでも、彼女たちは止まらなかった。自分たちの足で進むことを、やめなかった。
パレパレのライブを観るたびに、胸を打たれる理由がそこにある。 いつだって、前髪が額にべったりと張り付くほどの汗を流し、息を詰まらせながら、全力以上で歌い踊る。
スマートでも、器用でもないかもしれない。 話題を振る舞う破天荒さはないかもしれない。けれど、その泥臭いまでの熱量があるからこそ、あのステージは7人にとっての「唯一無二の居場所」になり、メンバーを見上げながら一緒に汗だくになるファンにとっても、絶対に失いたくない「最高の居場所」になったのだ。
4人が7人になり、5年分の悔しさと喜びを重ねてきた。その「色」は、決してスマホの画面が言うような、濁った黒やグレーなんかじゃない。
あの時、夏目さんから「どんな色が見えますか?」と聞かれたとき。 本当に伝えるべきだった正解。今なら分かる。
もし、あの7月8日の楽屋へと時計の針を戻せるなら。 今度はドヤ顔ではなく、心からの敬意を込めてこう答えたい。
「満員の景“色”です」
現実の世界では、時計の針は巻き戻せない。 うっかり「虹色」と言い放った私の失態も消えはしない。
けれど、LINE CUBE SHIBUYAのワンマンまでは、まだ残り1カ月半ある。 この期間は、7人と、今のパレパレを愛するファンが、「僕ら」として満員の光景を“色”として描き、重ねるために与えられた時間だ。
焦りも、不安も、5年間のすべての汗と涙も。 その日、渋谷の空で誰も見たことがないほど鮮やかな景色へと変わる。
9月8日夜のスケジュールは、もちろん空けてある。
あの日、言葉に詰まった取材班が辿り着いた「本当の答え」。 会場を埋め尽くすファンの愛が、ステージの7人と重なったとき、一体どんな奇跡の色が生まれるのか。
その答え合わせをしに、「僕ら」の1人として客席から見届ける形で、7人の輝く場所を見つめに行こうと思う。
