
【画像・写真1枚目】 30秒の沈黙の先に見つけた「居場所」――Palette Parade髙橋來都葉の声をほどいた夏の夜
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7人組アイドルグループ「Palette Parade」のニューシングル「夏がほどく夜」が21日に発売されたことを受け、髙橋來都葉のソロインタビューを3部作で公開する。第1部では、加入から2年で初めて任された2Aと、胸の内に言葉をとどめてきた表現者が、楽曲に託した「居場所」に迫る。(推し面取材班)
「『夏がほどく夜』というタイトルには、どんな意味が込められていると思いますか」
問いが落ちても、すぐに声は返ってこなかった。
「曲名の意味……なんだろう。ちょっと1回、歌詞を見ていいですか?」
髙橋はスマートフォンへ視線を落とした。指先が画面をなぞる。文字が高速で上へ流れ、瞳だけがその列を追いかける。
約30秒。取材の机から言葉が消えた。
やがて顔を上げ、自分自身の足跡を確かめるように、静かに言葉を紡ぎ出した。
「最初は自分がやりたいことや気持ちを心の中にとどめていて、あまり表現できていなかったけど、何かをきっかけに自分の居場所、つまり自分の気持ちを表現できる場所を見つけた。そんな意味が込められてるんじゃないかなって」
その解釈は、楽曲の核心を射抜いていた。「夏がほどく夜」の主人公が辿る心の軌跡は、まさに髙橋が歩んできた道程そのものだったからだ。この物語の主人公は、最初からまぶしい季節の中心にいるわけではない。
髙橋が約30秒の沈黙を経て探し当てた答え。それは単なる歌詞の分析ではなく、自分自身が「Palette Parade」という場所で見つけ出した、切実な実感そのものだった。
「あまり自分の思ったことや感情を表に出さないタイプ」。そう語る口元は、声を大きくすることも、言葉を飾ることもない。
世界は、急には変わらない。歌詞の前半でも後半でも、気温は昨日より1度高いままだ。それでも、日陰を探していた視線は、やがて青空へ向く。
暑さもまぶしさも消えてはいない。変わったのは、同じ夏の中に立つ身体の向き。仮歌の入っていない音源を受け取った時、髙橋の耳には虫の音と花火の音が届いた。
「え、この曲めっちゃ好き!」
理屈より先に声が弾んだ。
パレパレには、真昼の熱気を押し広げるようなキラキラと輝く夏曲もある。その中で「夏がほどく夜」は、夕方から夜へ移る空の色を持つ。爽やかさの底に、言葉にならない迷いが残る。
「夏フェスのクライマックス近く、夕方や夜に、みんなで一緒に歌いたい」
髙橋が思い浮かべるのは、照り返しの強い昼間ではない。一日が終わりへ近づき、客席の輪郭が少しずつ照明に溶けていく時間だ。
この曲で、加入から2年にして初めて2Aを任された。
「初めて2Aのパートをいただけたことが本当に嬉しくて」
加入当初は、振り付けと歌を身体へ入れ、ステージを終えるだけで精いっぱいだった。過去の映像について、「見るのが怖いぐらい、多分壊滅的なダンスとか歌だったんですけど」と笑う。
現在は、自分の動きだけではなく、「こうしたらライブがもっと盛り上がるかな」と客席まで考えられるようになった。メンバーと映像を見返し、そろっていない箇所を確かめる時間も増えた。
初めての2Aは、歌う秒数が増えただけではない。一つの場面を、その声に託されたということである。
6月13日、Spotify O-EASTで行われた全国ツアー2026 「JAM JAM JAM!!!!!!!」-FINAL-。ライブが折り返しを迎え、「夏がほどく夜」が初めて客席へ放たれた。
歌い終えた中野小陽が「めちゃめちゃ緊張してて、めちゃくちゃ楽しかった」と大きく息を弾ませる。張り詰めていた会場の空気が、そこでふっと緩んだ。
続いて髙橋がマイクを握った。「夏って少しだけ素直になれる季節。何かをきっかけに、ここにいるみんなも、ここが居場所になれば」。感情を表に出すことが得意ではないと話す声が、曲の意味を自分の言葉で客席へ手渡していた。
初めての2Aでは、歌声を託された。紹介MCでは、言葉を託された。
後日、超NATSUZOME2026に出演したパレパレのハイライト映像に使用された新たな夏曲。SNSには「この曲めっちゃ好き」「いい」という声が並んだ。
「みんな、この良さを分かってくれている!」。仮音源を聴いた時に一人の胸へ飛び込んだ夏の音が、ステージを渡り、別の誰かの言葉になって戻ってきた。
「ここが居場所になれば」
髙橋の声を受け取った誰かが、今度は自分の足元にある影から一歩を踏み出す。「夏がほどく夜」は、髙橋來都葉の中にしまわれていた言葉をほどき、同じ風景の中にいる誰かの笑顔へ、静かに響いていく。
