ビッグタイトルが立て続けに封切られているサマーシーズンも中盤戦。先週末(7月17日から7月19日まで)の北米興収ランキングは、興行的にも批評的にも非常に大きな期待が寄せられていたクリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』(9月11日日本公開)が初登場でNo. 1を獲得。今回は、同作のオープニング成績と作品評価を詳しく見ていくことにしよう。
オープニング興収は『オッペンハイマー』対比150%!メガヒットもほぼ確実photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
3919館で公開を迎えた『オデュッセイア』の初日から3日間の興収は1億2350万2900ドル。これは2026年公開作のオープニング興収としては『トイ・ストーリー5』(日本公開中)と『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』(日本公開中)に次いで第3位。歴代のオープニング興収では第57位だが、非続編・非フランチャイズ作品に絞れば第6位(上位5本のうち3本はディズニーの実写化作品で、残り2本は『マインクラフト/ザ・ムービー』と『バービー』)となる。
また、これまでのノーラン作品と比較してみると『ダークナイト ライジング』(12)と『ダークナイト』(08)の「バットマン」作品2本に次ぐオープニング興収であり、ノーランの作家性が隅々まで発揮された非フランチャイズ作品としては最高のスタート。しかも『インセプション』(10)対比197%、『オッペンハイマー』(23)との対比でも150%と大きく数字を跳ね上げている。悲願だったアカデミー賞受賞監督の仲間入りを果たしたことで、ますます“ノーランブランド”が強固なものになったことが窺える。
【写真を見る】2作連続のアカデミー賞作品賞受賞もあり得る!?批評家&オスカー会員からも抜群の評価に[c]2026 UNIVERSAL STUDIOS
当然気になってくるのは第99回アカデミー賞のゆくえだ。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は94%と、『メメント』(00)、『ダークナイト』と並ぶノーラン作品の過去最高レベル。すでにアカデミー会員向けのスクリーニングが実施され、非常に好意的な反応を集めているとも報じられている。主要部門へのノミネートは確実として、あとは夏公開というハンデやまだ定まっていない相手関係、そして『グラディエーター』(00)以降で一度も“史劇”が作品賞を受賞していないというジンクスをどう乗り越えていくかだ。
一方、前週No. 1を飾った実写版『モアナと伝説の海』(7月31日日本公開)は、週末3日間で1793万7618ドルと、前週比41.6%の興収で2位に後退。週末時点の累計興収は8100万ドルだったが、平日に入ってから実写版『白雪姫』(25)の北米累計興収を超えることに成功。このまま順調にいけば、なんとか北米累計興収1億ドルには到達できそうだが、全世界興収もまだ1億8600万ドルほど。引き続き予断を許さない状況が続いている。
『トイ・ストーリー5』はシリーズを通して守り抜いてきた北米興収の“右肩上がり”を達成![c]Everett Collection/AFLO
一方、ライバル『ミニオンズ&モンスターズ』(8月7日日本公開)との接戦を制して3位を守り抜いた『トイ・ストーリー5』は週末3日間で興収1376万78ドルと、前週比72.4%の安定感。7月21日の火曜日に前作『トイ・ストーリー4』(19)を超え、シリーズ最高興収を樹立。これで1作目から5作目まで、北米興収は右肩上がりで伸び続けていることになる。全世界興収も10億ドル到達が目前で、こちらも右肩上がりを継続させる可能性が高そうだ。
文/久保田 和馬
