著名人やその道の専門家が登壇する高知市夏季大学。こうちアイでは「ちょっとだけ補習授業」と題して講演の内容や講演後の楽屋インタビューをシリーズで紹介しています。

    7月22日は、テレビドラマなどの時代考証の分野で活躍する山田順子さんです。

    高知市夏季大学、7月21日に登壇したのは、テレビドラマなどで活躍する時代考証家の山田順子さんです。これまで大河ドラマ全作を見てるという山田さんは、15歳の時にこの仕事を志したといいます。

    ■山田順子さん
    「これから先の時代というのはどんどん昔のことが忘れられたり注意されなかったり、戦中と反対で進んで新しい事実が出てきたりでどんどん変わっていくからその辺をチェックする仕事が必要なんじゃないかなというので(時代考証を)やってる」

    山田さんは、時代劇の台本に赤いチェックを入れるという制作の裏側について明かしてくれました。

    ■山田順子さん
    「時代考証家の最初の仕事というのは台本が出来上がってきたやつに間違い探しをする」「ナンバってことが一時流行ってた。江戸時代の人は右足を出して右手が出ると、左足が出るときは左手が出ると、こういう歩き方が江戸時代の歩き方だと。そんなものありません。断言します。時代考証仲間でもあれは絶対ないという。だから大河でも他のものでも採用したことがない。なぜならばあれは昭和30年~40年代ぐらいから新しく作られた言葉」

    さらに、山田さんは江戸時代の遊郭・吉原が登場する大河ドラマでも時代考証を務めましたが、同じ、吉原でも時代によって描き方が違ってくるといいます。

    ■山田順子さん
    「浅草あたりでちょっと年配のおじさんに『吉原やってるよ』って話したら「おれ行ったことあるんだよ」って自慢気に言う・・・・『あなたの行った吉原は昭和の吉原で、私の描きたいのは、江戸しかも中期の、幕末でなく中期の吉原を描きたいんだから全然参考にならない」って言いたいんだけどそこはぐっと我慢して・・・・」撮影の現場に立ち会うのを信条としているという山田さんはその一方で執筆活動にも力を入れていて時代考証に関わる数々の本も出版しています。

    講演後、山田さんにお話を聞きました。時代考証が本業という山田さんは時代劇をどうすれば楽しく、エンターテインメントにできるか意識しているといいます。

    ■丸山アナウンサー
    「今の時代劇とかドラマを見るときにこんな風に見たら面白いというのは?」

    ■山田順子さん
    「時代考証入れてしっかりやろうというのと、エンターテインメントならなんでもいいやっていうのと2手に分かれて来てる。うまいこと融合してもらいたい」「見てくれないと、見てもらってなんぼの商売でしょ時代劇だって。だからそれはどうやって見てもらうかは、やっぱりそこに色んな要素を入れなきゃいけない。単に歴史の年表作ってたってしょうがないからさ。そういう意味ではそこに工夫を。いまちょうど大河みたいなものもあれば、全然無視してるのもあるし、SHOGUNみたいなアメリカが作る時代劇もある。だからどれがそのあと最後勝っていくかはわからないけど、でも最後みんなうまく混ざって融合していいとこどりしていくと思う」

    ジョン万次郎を主人公にした大河ドラマの制作が決まった高知というバックグラウンドについてもきいてみました。

    ■丸山アナウンサー
    「高知ってドラマにしやすい土地柄?」

    ■山田順子さん
    「みんな天下とってないからいい、権力者になってないからドラマになる、皆さん活躍したわりには天下取ってない、だからみんな夢がある」「でも高知本当に申し訳ないけどあれだけ幕末がんばったのに天下取れなかった、長州と薩摩にもっていかれて、それがいい。そこが夢がある。夢っていうか哀愁があって愛着がわく」

    ■丸山アナウンサー
    「ますます高知を誇れそう」

    ■山田順子さん
    「天下取ることばかりが歴史はいいことじゃない、それに歴史っていつも言うけど勝ったものの人が歴史に残る」「今はだんだん世の中がそうじゃない人を描こうとしてる時代に入ってきてる」「探さなきゃ、探すというかもっと発掘してそれを世に広めていけばいい、地元が!有名人ばかりいってちゃダメよ」

    ■N丸山アナウンサー
    「高知のこの人物とか、この時代を描いてみたいというのは?」

    ■山田順子さん
    「私もし頼まれるんだったら長宗我部の前の一條(兼定)さん、良さそうだなと・・・・あの方最後は宇和島の沖合にある戸島にお墓があるんだけど、キリシタン大名なの。だからそういう意味で大きな話にはならないけど」「彼は京都の公家さん、だからちょっと変わってるところが面白いと思って」

    ■丸山アナウンサー
    「テレビご覧の皆様にメッセージをお願いします」

    ■山田順子さん
    「土佐という土地柄はとっても色んなヒーローが居て皆さん天下を取らないゆえにドラマがたくさん・・・・ぜひ土佐も頑張って時代劇作りましょう」

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