「本当にやりたいことがわからない」。そう悩む人は少なくありません。学生時代も就職も、周囲に勧められるまま選んできた人ほど、「自分の人生を生きてこなかった」と感じることがあります。『世界の果てのカフェ』には、そんな人の背中を押してくれる、たった一つの「質問」があります。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「やりたいこと」が見つかる質問
先日、こんな相談を受けた。
「43歳です。大学も、就職も、親や友達のアドバイスを聞いてなんとなく決めてきました。このまま主体的に生きてこなかったことに、今さら後悔をしています。どうすれば『やりたいこと』が見つかるのでしょうか?」
相談者は、自分の人生が嫌だったわけではない。
大きな失敗をしたわけでもない。
ただ、振り返ってみると、自分で決めた記憶がほとんどないという。
その話を聞いて、私は『世界の果てのカフェ』という本の一節を思い出した。
「やりたいこと」は、まず自分に聞く
本書には、こんな問いが出てくる。
「きみは、自分のやりたいことに多くの時間を費やしているかな?」
――『世界の果てのカフェ』より
とてもシンプルな質問だ。
しかし、この質問に即答できる人は意外と少ない。
毎日の仕事や家事に追われていると、「やらなければならないこと」は増えていく。
一方で、「やりたいこと」を考える時間はどんどん減っていく。
だから、この問いは人生を立ち止まって見つめ直すきっかけになる。
多くの人は「なんとなく」で人生を選んでいる
続いて主人公は、自分の人生をこう振り返る。
「正直、よくわからない。大学に行ったときも、何を勉強したいのかがよくわかっていなかった。結局、まあまあ好きな分野で、卒業後の就職が良いと多くの人に言われたことを学ぶという決断をした。学校を卒業したら、働きはじめた。すると、お金を稼ぐことに重きを置くようになった。やがてある程度の給料をもらえるようになり、なんとなく生活のパターンが定まってきたんだ」
――『世界の果てのカフェ』より
この場面に共感する人は多いのではないだろうか。
「安定しているから」
「親が勧めたから」
「みんながそうしているから」
そんな理由で選択を重ねていくうちに、自分が本当に望んでいたことが見えなくなる。
相談者も、まさにそうだった。
主体性がなかったというより、主体性を持つ機会がなかったのかもしれない。
「いつかやろう」が、一番危ない
本書には、こんな問いもある。
「なぜぼくたちは、やりたいことを今すぐやるのではなく、やりたいことができるときに備えて、こんなに多くの時間を費やすのかな?」
――『世界の果てのカフェ』より
この言葉は、とても鋭い。
多くの人は、「時間ができたら」「退職したら」「子育てが終わったら」と言う。
しかし、その「いつか」は、いつまでたってもやって来ないことが多い。
だからこそ、「やりたいこと」は未来に探しに行くものではなく、今日の自分に問いかけるものなのである。
「やりたいこと」が見つかる最高の質問
相談者に私はこう伝えた。
「『何がやりたいですか?』ではなく、『今の生活の中で、自分が心から楽しいと思える時間はいつですか?』と、自分に聞いてみてください」
やりたいことは、突然空から降ってくるものではない。
毎日の小さな「好き」や「夢中」の中に隠れている。
『世界の果てのカフェ』が教えてくれるのは、「やりたいことを見つける方法」は難しくないということだ。
まずは、自分自身に質問すること。
人生を変える第一歩は、誰かの答えを聞くことではない。
自分に問いを投げかけることから始まるのである。
(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)
