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    仕事の視野を広げるには読書が一番だ。書籍のハイライトを3000字で紹介するサービス「SERENDIP」から、プレジデントオンライン向けの特選記事を紹介しよう。今回取り上げるのは木崎伸也『サッカーと地政学 ゴールの先に世界が見える』(ワニブックス)――。

    米国―パラグアイ戦を前に、ロサンゼルス競技場で行われたセレモニー=2026年6月12日(ロイター=共同)

    写真提供=ロイター/共同

    米国―パラグアイ戦を前に、ロサンゼルス競技場で行われたセレモニー=2026年6月12日(ロイター=共同)



    イントロダクション

    4年に一度開催される世界最大のサッカー大会であるFIFAワールドカップ(W杯)。2026年W杯は、米国、カナダ、メキシコによる史上初の3カ国共催となった。


    強豪国やスター選手たちが躍動し、世界中の人々を熱狂させるW杯だが、そこには招致をめぐる各国の争いや思惑、国際政治や移民政策などが複雑に絡み合っている。


    本書は、選手のプレーや監督の采配だけにとどまらないサッカーをめぐるさまざまな動きや潮流を「地政学」という切り口で読み解く。


    とりわけW杯は、地政学、国際関係の縮図ともいえる。FIFA(国際サッカー連盟)の加盟協会(211)は国連の加盟国(193)より多く、W杯の視聴者数は世界人口の60%を超える。国家のイメージを向上させ、国力を誇示するかっこうの舞台といえるのだ。


    著者はスポーツライター。2002年にスポーツ紙の通信員としてオランダへ移住。2003年から拠点をドイツに移す。2009年に帰国し、現在は『Number』『BRODY』『footballista』などに寄稿している。


    1章 日本代表と地政学

    2章 W杯と地政学

    3章 ナショナルチームと地政学

    4章 スター選手と英雄と地政学

    5章 サッカーマネーと地政学


    開催地が「民主的」な選考で決まった大会

    2010年南アフリカW杯の招致では、ワーナー元副会長ら3人が南アフリカ側から約12億円の賄賂を受け取った。そして最大のスキャンダルが発生したのが、2018年ロシアW杯と2022年カタールW杯の招致である。2015年、アメリカ政府の調査によってマーケティング会社からFIFA(国際サッカー連盟)理事らへの賄賂が明らかになり、14人がアメリカで起訴される歴史的な汚職事件に発展した。


    この一連の汚職騒動を受け、FIFAは開催地選定の方式を大きく見直した。従来はFIFA理事24名の投票によって開催地を決めていたが、2026年W杯の選考からすべての加盟協会が投票権を持つ「1国1票」制度に変更したのだ。


    さらに透明性を高めるため、各協会がどの国へ投票したかも公表されることになった。つまり、2026年W杯は初めて“民主的”な選考によって選ばれた歴史的な大会なのである。


    2026年W杯招致に立候補したのは、3カ国共同招致のアメリカ・カナダ・メキシコ、そして単独招致のモロッコだ。「開催地となった大陸はその後2大会の立候補はできない」というルールがあるため、ヨーロッパとアジアは立候補できず、南米とオセアニアが手を挙げなかったため、北中米大陸とアフリカ大陸の一騎打ちとなった。


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