今回私が乗ったのは、思わず見惚れてしまうほど優しく淡いブルーの車体。「Officina 8(オフィチナオット)ブルー」は、パステルカラーとも少し違う、どこかクラシカルで落ち着いた色合いがとても上品で、「これぞベスパ」と思わせてくれる上質な空気をまとっていた。
派手さより、街並みに自然と溶け込むような上品さ。この色が人気なのも納得。こうした落ち着いたカラーは日本で特に人気が高いとか。一方で東南アジアでは、太陽に映える鮮やかなイエローや赤などのビビッドカラーが好まれるんだとか。
同じベスパでも、国や文化によって愛される色が全然違うという話はとても新鮮で興味深かったな。
ベスパが誕生したのは1946年。約80年もの長い歴史を持ちながら、基本構造が今も大きく変わっていないというから驚きだよね!
多くのバイクはフレームに外装(カウル)を取り付ける構造だけれど、ベスパはスチール製のボディそのものが車体の骨格になっている「モノコック構造」を採用している。この構造だからこそ、あの独特なカッチリとした乗り味や重厚感、ひと目でベスパと分かる美しい滑らかなシルエットが生まれるんだ。
さらに面白かったのが、ベスパ伝統の「片持ちリンクアーム式フロントサスペンション」のルーツ。ベスパを生み出した「Piaggio(ピアッジオ)」社は、もともと航空機を製造していたメーカーで、戦後、民生用の乗りもの作りへ転換する中でスクーターの開発が始まり、その際に航空機の着陸装置(ランディングギア)の構造をヒントに、ベスパ独自の片持ちリンクアーム式フロントサスペンションが生まれた。
普段何気なく「おしゃれなデザインだな」と思って見ていた足まわりに、そんなメーカーならではの情熱と歴史がギッシリ詰まっているなんて思ってもみなかった。
