真山知幸の大河ドラマ解剖
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真山 知幸
伝記作家・偉人研究家
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2026.7.18(土)
本能寺の変(写真:akg-images/アフロ)
2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』は、豊臣秀吉の弟・豊臣秀長にスポットライトが当てられ、そのユニークな視点で話題を呼んでいる。天下人となる秀吉(演:池松壮亮)を、秀長(演:仲野太賀)は右腕としていかに支えたのだろうか。第27回「本能寺の変」では、織田信長の甥・信澄が父の仇をうつべく、信長の命を狙っていると、明智光秀にその胸中を明かす。光秀は表沙汰にしないことを決めるが……。今回の放送の見どころについて、『戦国最高のNo.2 豊臣秀長の人生と絆』の著者・真山知幸氏が解説する。(JBpress編集部)
「黒幕」ではなかった信澄、自ら仕掛けた信長毒殺計画
まさに「圧巻」の一言だ。第27回「本能寺の変」では、小栗旬演じる織田信長が壮絶な最期を迎えることになり、大きな話題を呼んだ。
私は大河ドラマの解説動画をYouTubeとTikTokで配信しているが、「本能寺の変」を解説した回は、若いユーザーが多いTikTokで、いいねやコメントの数において、これまでにない反響があった。やはり日本の歴史上屈指の大事件とあって、老若男女が注目する中、見事にその期待を上回ったといえそうだ。
前回の記事では、「本能寺の変」に至った明智光秀の動機について、近年の大河ドラマがどう描いてきたかを解説した(大河ドラマ『豊臣兄弟!』が本能寺の変で驚きの新解釈、織田信澄の告白に戦慄した「まさかの黒幕説」の根拠/2026年7月11日公開)。
どうも今回の大河ドラマでは、織田信長の弟・信勝の遺児である信澄が、事件の黒幕として描かれるようだ――。そう思わせる前回放送の展開は驚くべきものだった。
ざっと振り返っておくと、史実において、信長は弟の信勝に二度も謀反を企てられた過去を持つ。最初の反乱で信勝方についた柴田勝家は、その後、信長に帰参。信勝が再び謀反を企てると、その計画を信長に知らせた。密告を受けると、信長は清洲城に弟の信勝をおびき寄せて、家臣に弟を討ち取らせている。
そんな信勝の遺児が、信澄ということになる。信長からすれば、裏切り者である弟の息子だ。そんな信澄のことをすぐに抹殺してもおかしくなかったが、信長は信澄を重用したという史実にドラマは着目した。
ドラマでは「信澄は伯父の信長に従順なフリをして、亡き父の仇を討つべく虎視眈々とそのタイミングを狙っていた」という設定になっている。前回放送では、そんな信澄の秘めたる復讐心が、光秀への告白というかたちで明らかになった。
だが、今回、ふたを開けてみれば、信澄は黒幕というより、みずから実行に及ぶ人物として描かれた。ドラマでは、ある有名な歴史的逸話をうまく使って、信澄の計画が実行されることとなった。
その出来事とは「腐った魚事件」である。
