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今年春より、俳優をメインとする芸能事務所「テンカラット」と、声優・アーティストをメインとするプロデュースカンパニー「ミュージックレイン」がコラボレーションし、俳優、声優、アーティスト活動までハイブリッドに活躍する才能を発掘し、2社が共同でタレントを育成する「OPALIS」プロジェクトが始動。6月24日からは、全国規模の大型オーディション応募がスタート。
そこでリスアニ!では、業界で今注目を集める「OPALIS」プロジェクトにフォーカスした連載をスタート。
第4回目は、「OPALIS」プロジェクトおよびオーディションに携わっているテンカラットとミュージックレインのメインスタッフへのインタビュー後編をお届けします。「OPALIS」オーディションを2社共同で開催する意義、オーディション参加者に向けたメッセージを語ってもらいました。
INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香
「OPALIS」が目指すのは、ジャンルレス・スターの育成
――前編では、俳優と声優を取り巻く現状には共通した変化があり、同時にそれぞれに違った構造があるというお話がありました。今回、現場視点からは「OPALIS」オーディションおよびタレント育成を2社共同で行うことで、どういったケミストリーを起こせるでしょうか?
テンカラット森本 まずは声優だから、俳優だから、という枠を超えた「ジャンルレスのスター」を育てることが、「OPALIS」プロジェクトの一番の目標です。細かい話になりますが、合格した人を2社で育てていくので、お互いの強い部分の情報をやり取りしながら、俳優の作品オーディション、声優の作品オーディションの両方にチャンレジできるのは、とても大きな強みです。その意味では、「OPALIS」オーディションに合格した時点で、両方への橋がすでにかかっていると、考えていただければ嬉しいですね。
――一般的に、声優の仕事はアニメ業界、外画業界の監督、音響監督、音響制作会社など繋がりがないと、作品のオーディション情報が得られず、参加することができません。俳優は、映像作品のスタッフとの繋がりがないと、キャスティングされることがない。そのうえで、それぞれの現場での活躍が認められて、ようやく違うフィールドに出ていけるようになるというのが、これまでの道筋でした。
ミュージックレイン須藤 そうですね。だからこそ、お互いのフィールドの情報を共有できる「OPALIS」プロジェクトを通じてなら、そもそもゼロベースの段階から両方を経験できる可能性があります。活動の選択肢が増えますし、向き不向きを試すチャンスも広がる。
両方で活躍できる可能性が、最初からスタンバイできているというのは、かなり新しいことだと思います。
――現段階で「OPALIS」オーディション合格者の所属、育成体制は、どう予定されているのでしょうか。テンカラットかミュージックレイン、どちらかの所属になるのですか?
ミュージックレイン須藤 初の試みなので細部は現在も検討中ですが、テンカラットさんとミュージックレインの2社が合同でマネジメント体制を敷く形が有力です。育成メンバーが実際に仕事に就く際の内容によって両社からスタッフが出張っていくイメージですね。現実的には実際にそういう才能に出会ってから、育成を進めていくなかで、しっかりとした体制が決まっていくと思います。
求めるものは成長に繋がる「素直さ」と「愛嬌」
――大きな可能性を秘めた「OPALIS」プロジェクトで、皆さんが求めているタレント性、才能についても伺いたいです。
テンカラット長谷川 俳優について言えば、演技スキル自体はそれほど多くを求めてはいないです。それよりも大事なのは、まず「愛嬌」があること。そして映像も含めて作品がとにかく好きで、たくさん観ていることですね。そして、ひたむきに頑張ってくれること。それがあれば、レッスンを積むことでいくらでも成長していけると思います。
――テンカラットに所属されている俳優さんは、演劇経験者は多いですか?
テンカラット森本 他事務所から移籍してきた俳優以外は、ゼロからのスタートであることが多いです。学生時代に演劇経験がある者もいますが、そんなに多くないですね。
テンカラット長谷川 演技経験者であるかどうかは、そんなに重視していません。むしろ癖がついていないほうが、瑞々しさを保てるという利点もありますから。
テンカラット森本 新人はスカウトを含めて、マネージャーそれぞれがいいと思った子を推薦する形で入所することが多いんです。ですから結局は、その“いいと思った人の想い”の強さが反映します。なので、一概に「こういう子が欲しい」というラインを決めるのは難しいのですが、ただ全般を通して言えるのは、代表もよく言っていますが「素直であること」ですね。それは何でも言うことを聞く子という意味ではなくて、俳優が成長していくなか、レッスンの先生や先輩、スタッフから色んなアドバイスを受けたときに、それを一度自分の中で吸収し、消化して成長に繋げられるという意味での素直さです。これが多分、一番重要視されるポイントだと思います。
ミュージックレイン須藤 私たちもそうですね。大事だと思うのは、まさにその素直さですね。
――今回のプロジェクト名「OPALIS」は、宝石のオパールに由来するそうですね。ポジティブで自由なエネルギーをもつオパールは、持ち主の創造性を高め、才能を開花させる力が在る“希望の石”。その宝石言葉は「純真無垢」「希望」「幸運」「歓喜」「忍耐」なのだそうですが、その「純真無垢」が、まさに素直さを表していますね。
テンカラット森本 本当に、素直さは大事です。人に愛されるという部分にも繋がってくると思っています。
ミュージックレイン鈴木 物事を素直に受け止め、受け入れられる人が、やはり伸びますね。5月に開催したワークショップにも私たちは立ち会ったのですが、先生の指導を素直に受け入れ、ひたすら前向きに取り組んでいた人は、伸びしろがやっぱり違いました。短い期間でも、はっきり結果として出ていたと思います。
――また「OPALIS」オーディションに関しては、発掘して即デビューを確約するのではなく、じっくりと育成期間を設けていくというコンセプトが最初からあるのが、他のオーディションとは違う特徴かと思います。
ミュージックレイン須藤 まさにその通りですね。グランプリのような冠を与えて一瞬話題になっても、そこからの育成がなければ、忘れ去られてしまう危険性があります。
――今回の最終審査通過者は「OPALIS」の育成メンバーとして活動を初め、各種のレッスンはもちろん、人気劇団「ヨーロッパ企画」の脚本・演出による自主公演なども、育成過程として行われるそうですね。
ミュージックレイン須藤 はい。合格後は育っていく過程自体を“見える化”していきます。それが育成される本人のモチベーションにも繋がりますし、応援してくれる人にもわかりやすくなると考えています。
こちらで、表に出られる場所を作ってあげることも、育成の一環ですね。
テンカラット森本 なので、このオーディションでは、順位をつけず、合格者数にも制限を設けずに、育成メンバーを選んでいきます。もし、プライズとして映画出演やドラマ出演を用意して終わらせてしまうと、そこで結果が出せなければ、次に繋がらない。「受かった子たちをしっかり育てます」ということ自体を、プライズとしています。応募者はやはり10代のお子さんが多いので、保護者の方々にも安心していただける、という意味も込めています。「信頼して預けられる」というのが、「OPALIS」プロジェクトの最大の強みですね。
演技のセンスは「間」に、才能としてのオーラは「目」に宿る
――では、実際にオーディション審査で、皆さんが注目する具体的なポイントは、どこでしょうか?
テンカラット森本 私がワークショップで見ていたのは、「この子は愛されるだろうな」という視点でのコミュニケーションの取り方や立ち振る舞いでした。「OPALIS」に参加してくれている、という時点でやる気自体はもう100点満点なので、そのうえで、どう人と関わっているかというところは、みんなが共通して見ていくポイントだと思います。
――演技力の面では、どこがポイントになりますか?
テンカラット長谷川 まずは、間の取り方だと思います。セリフ1つとっても、普段から“人”をよく見ているかどうかで、リアリティのある間が作れて、リアリティのある言い方になるかどうかが変わってきますから。人を観察しているか、人に興味があるかどうかの姿勢の有無で、発するセリフが生きたものになるかどうかが変わってきます。そういうセンスの部分は、よく見ますね。
テンカラット森本 以前、オーディションについて、映画監督に、応募者のどこを見ているのかを直接聞いた際におっしゃっていたのが、「目を見る」だったんです。
オーディションの演技動画でも、顔の表情、特に“目”に注目していると話されていました。演技の場合、セリフの言い回しはもちろん大事ですが、その子が今すでにもっている光る部分、いわゆる「オーラ」が大切で、それは目から出やすい。おそらく、今回の審査員の方々も、そこの部分はすごく気にされると思いますね。
――声優の場合はいかがでしょうか。
ミュージックレイン須藤 この間のワークショップでも、皆さん共通して「この子、声いいよね」というコメントが出ていたので、声優としては、やはり“声”というのは大きなポイントです。
ミュージックレイン鈴木 声の響き方や声質、マイク乗りの善し悪しは気にする部分ですね。マイク乗りに関しては、テクニックを身につけることで成長できる要素も大きいですが、声そのものは一朝一夕でどうにかなるものではない。併せて、相手役に対するリアクションと距離感の感覚も注目するポイントになりますね。
後悔しないために、迷っているならまず飛び込んでほしい
――「OPALIS」オーディションは、応募期間が7月24日までとなっていますが、改めて募集の概要をご紹介ください。
ミュージックレイン須藤 応募資格は年齢が12歳から25歳。中学生以上が対象です。性別・国籍は不問ですが、日本国内在住が条件で、特定のプロダクション、マネジメント、レコード会社、音楽出版社との契約がない方が対象になります。
選考は書類審査から始まり、全国7ヵ所での対面審査を経て、最終審査に向けてレッスンに入っていただくという流れです。
――そのレッスン期間はどれくらいを予定されていますか?
ミュージックレイン須藤 1ヵ月半ほどを予定していて、ほぼ毎週末ぐらいのペースで[杏鈴1.1]、東京にお越しいただく形をイメージしています。最終審査では、ショート演劇のような形式の複数の人数で行うお芝居を予定しています。
――最終審査が個別ではなく、グループワークなのも特徴ですね。
ミュージックレイン須藤 チームワークの中で、その人の人柄やポジショニング、役割みたいなところも見えてくると思っていて、そこも審査のポイントにしたいと考えています。また素の部分も審査員は見ているということは、お伝えしておきたいですね。
――ぜひたくさんの方に参加いただき、夢の扉を開いてもらいたいオーディションですが、参加を迷われている方も少なくないかと思います。応募を検討されている皆さんに、メッセージをいただけますか。
ミュージックレイン鈴木 テンカラットさんも、ミュージックレインも、演技未経験の方をゼロから育成してきた実績があります。未経験者を一流に育てるノウハウをもつ2社なので、応募してくれるマインドさえあれば、その先はお任せいただいて大丈夫です。とにかくパッションと素直さをもってきてくれれば、それで十分です。
ミュージックレイン須藤 こういう新しい座組で、そして新しい形で挑戦できる機会というのは、そうそうあるものではないと思います。俳優や声優を目指している、目指そうと思っている人で応募を悩んでいるのであれば、ぜひ一歩踏み出してほしいですね。
テンカラット長谷川 まさにそうです。特に俳優志望の場合は、ビジュアルに自信がないから……と迷われる方もいらっしゃると思うんです。ただ、いま第一線で活躍するうえで求められるものは、憧れよりも共感性の時代になってきました。だから、そこは気にせずいてほしいですね。特に10代、20代は、外見もどんどん変わっていきますから。
ミュージックレイン鈴木 今までの経験からいうと俳優さん以上に、声優志望者は引っ込み思案な方が多く、自分の魅力に気づいていないケースがよくあります。デビューしてから自信がついていくことで、みるみる変わっていく人も驚くほど多いですから。
テンカラット長谷川 そうですね。自分では魅力と思っていないところが、他の人にはとても魅力的だという例も、たくさんあります。応募してみないと、そこはわかりませんから。
テンカラット森本 やらない後悔よりやった後悔のほうがいい、という気持ちで、ぜひオーディションを受けてみてほしいですね。
■OPALISとは……
俳優/声優の発掘だけではなく、育成・開花までを一気通貫するプロジェクトとして、田中麗奈、井浦新、高良健吾、中条あやみら実力派俳優から人気モデルまで多彩なタレントが所属する芸能プロダクションであるテンカラットと、戸松遥、豊崎愛生、雨宮天といった女性声優を輩出し、長年にわたり声優アーティストやユニットをヒットに導いてきたプロデュースカンパニー、ミュージックレインの2社がタッグを組んで発足する発掘・育成プロジェクト。
オフィシャルサイト:https://opalis.jp/
第2弾発掘プロジェクト:オーディション
【募集期間】
2026年7月24日(金)17:00まで
【応募資格】
満12歳(中学生以上)~25歳 ※2026年7月24日(金)時点において
性別不問
国籍不問(但し、日本国内在住の方に限ります)
特定のプロダクション、マネジメント、レコード会社、音楽出版社等との契約が無い方
【開催日程】
〈1次審査:WEB書類審査〉
〈2次審査:対面審査〉
1. 8月7日(金)仙台
2. 8月8日(土)・9日(日)東京
3. 8月11日(祝火)札幌
4. 8月22日(土)大阪
5. 8月23日(日)福岡
6. 8月29日(土)沖縄
7. 8月30日(日)名古屋
〈最終審査に向けたレッスン〉
1. 9月12日(土)・13日(日)
2. 9月26日(土)・27日(日)
3. 10月3日(土)・4日(日)
4. 10月11日(日)・12日(祝月)
5. 10月24日(土)
※日程は変更になる可能性がございます
※レッスンは東京都内で開催予定です
〈最終審査〉
10月25日(日)東京
【ゲスト審査】
今泉力哉(いまいずみりきや)
1981年福島県生まれ。映画監督。2010年『たまの映画』で商業監督デビュー。主な作品に『愛がなんだ』(19)、『あの頃。』(21)、『街の上で』(21)、『ちひろさん』(23)、ドラマ「1122 いいふうふ」(24・Prime Video)など。今年の1月期に放送されたTVドラマ「冬のなんかさ、春のなんかね」(26・日テレ系)も話題に。また、SEKAI NO OWARI「琥珀」やBE:FIRST「空」、LAUSBUB「sign」などのMVも手掛けている。最新作はドラマ「クロエマ」(Prime Videoにて6月12日より世界独占配信中)。
門脇康平(かどわきこうへい)
映画監督。アニメーション作家。東京藝術大学デザイン学科卒業後、アニメ制作会社に就職する。その後独立し、主に舞台映像などの制作を経てアニメーション作家になる。2026年公開劇場用アニメ『我々は宇宙人』では企画・脚本・監督を務め、第79回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品、アヌシー国際アニメーション映画祭2026では長編コンペティション部門選出が決まるなど、国内外問わず注目を集めている。
株式会社テンカラット
俳優・モデル・アーティストのマネジメントを中心とした芸能プロダクション事業。
個々の魅力を最大化するプロデュース、およびテレビ・映画・広告・出版を横断するネットワークを活かしたタレント活動の展開新人の発掘・育成を通じた次世代スターの創出。さらに、商品企画・マーケティングなどビジネス領域への展開を通じ、エンターテインメントを軸とした新たな価値創出を推進。
オフィシャルサイト:https://tencarat.co.jp/
株式会社ミュージックレイン
アーティストマネジメント事業、音楽レーベル事業を中心としたプロデュースカンパニー。声優をベースに音楽活動を行なう声優アーティストのオーディション「スーパー声優オーディション」や、アニソン&ボカロ&歌い手限定オーディション「歌い手活動ウタカツ!オーディション」を通じ、多彩なアーティストを輩出しています。
オフィシャルサイト:https://musicrayn.com/
