監修者の選挙プランナーが解説「永田町にも響いた理由」
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2026.7.7(火)
『銀河の一票』主演の黒木華(左)と候補者役の野呂佳代 ©カンテレ
関西テレビ制作・フジテレビ系列で放映され、6月29日に最終回を迎えた『銀河の一票』。東京都知事選に挑む候補者の選挙参謀を黒木華が演じ、本格的な政治エンターテインメントのドラマとして大きな話題を呼んだ。監修を担当した選挙プランナーの松田馨氏が、現実の政治に通じる脚本・演出のリアリティと、それを生んだ制作の舞台裏を解説する。
スタッフも運動員腕章を付けていた「本物の空気感」
第1話の脚本を読み終えたあと、私はしばらく席を立つことができなかった。
「すごいものを読んでしまった」──それが率直な感想だった。
私は約20年間、選挙プランナーとして300回を超える選挙に携わってきた。現職の政治家、新人候補、秘書、政党職員、自治体職員、後援会やボランティアスタッフ……数え切れないほど多くの人たちと、選挙という非日常を共にしてきた。
その一方で、政治を題材にした映画やドラマも数多く見てきたが 、多くの作品には共通した描き方がある。政治は汚い世界であり、権力者は腐敗し、与党政治家は私利私欲のために動いている、という単純なステレオタイプだ。
昨年、『日本一の最低男』の選挙編でご一緒した脚本家・蛭田直美さんから推薦をいただき、私はドラマ『銀河の一票』の選挙監修を務めることになった。プロデューサーの佐野亜裕美さんとの最初の打ち合わせで、佐野さんは「政治は生活である。だからこそ、政治に関わる人たちを丁寧に描きたい」と語られた。その言葉どおり、本作には私が20年間、政治の現場で出会ってきた人たちの息遣いがあった。
もちろんドラマである以上、エンターテインメントとしての演出もある。しかし、細部のディティールへのこだわりは凄まじかった。
例えば、都知事選の選挙ポスターのシーンだ。単に枚数が多いだけでなく、「東京には離島があるため、船便でポスターを送る段取りが必要であり、直前の印刷では間に合わない」という、実際の都知事選に即した極めてマニアックなタイムラインまで、現場のスタッフはリアリティ高く演出してくれた。
告示後の選挙期間中は、ビラには証紙が貼られ、スタッフも運動員腕章をつけて活動していた。こうした「本物の空気感」が土台にあったからこそ、本作が描いた「人間の葛藤や希望」は、驚くほどリアルに視聴者の胸に響いたのではないだろうか。
