韓国ドラマや映画で活躍する俳優たちの中には、子役出身や演劇で経験を積んできた人が多い。一方で、ごく普通の会社員として社会人生活を送り、その後に俳優へ転身した異色の経歴を持つスターもいる。

    安定した仕事や高収入を手放し、ゼロから夢を追いかけた3人の俳優の、まるでドラマのような転身ストーリーを紹介する。

    【関連】韓国俳優たちが「引退」を選ぶとき——それぞれの決断と、大衆の視線

    金城武の代役が運命を変えた「チ・ジニ」

    温厚な人柄と重厚な演技で愛されるチ・ジニ(55)は、明知(ミョンジ)専門大学・視覚デザイン学科を卒業後、サムスンの子会社である韓国最大手の広告代理店「第一(チェイル)企画」に入社。グラフィックデザイナーとして働き始めたが、その後は写真への関心が高まり、写真家のアシスタントへ転身した。

    (写真=IKKLEエンターテインメント)

    そんな彼の人生を大きく変えたのが、香港のトップスター・金城武が出演するコーヒーCMの撮影だった。撮影スタッフとして同行していたチ・ジニだったが、金城武のスケジュールの都合で急きょスタンドイン(代役)が必要に。当時ロングヘアだったチ・ジニは、後ろ姿や横顔の雰囲気が金城武に似ていたことから抜てきされ、そのままカメラの前に立つことになった。

    この出来事をきっかけに芸能界入りを果たしたチ・ジニは、周知の通り、時代劇『宮廷女官チャングムの誓い』と『トンイ』で大ブレイク。国民的俳優として確固たる地位を築いた。

    その後も『ミスティ~愛の真実~』『サバイバー:60日間の大統領』、Netflixシリーズ『D.P. -脱走兵追跡官- シーズン2』などで存在感を発揮し続けている。撮影現場の裏方からトップ俳優へ、まさに人生を変えた一度の偶然だった。

    超異色のキャリアを歩んだ「チン・ギジュ」

    華やかなルックスと確かな演技力で人気を集めるチン・ギジュ(37)は、異色の経歴を持つ女優としても知られている。

    (写真=Base Camp Company)

    大学卒業後は韓国有数の大企業・サムスンSDSに入社し、ITコンサルタントとして約3年間勤務。その後、幼い頃からの夢だった記者を目指して退職し、厳しい採用試験を突破して地方テレビ局の報道記者となった。

    しかし、取材や放送の現場を経験する中で、「演じる仕事がしたい」という新たな夢が芽生える。周囲の反対もある中で挑戦した2014年の「スーパーモデル選抜大会」で入賞を果たし、女優への道を切り開いた。

    さまざまな職場で培った経験や人間観察力は演技にも生かされ、『リトル・フォレスト 春夏秋冬』では主人公の親友役を好演。『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』『ここに来て抱きしめて』など話題作への出演を重ねた。さらに映画『殺人鬼から逃げる夜』では聴覚障害のある主人公という難役を熱演し、高い評価を受けた。

    最近は、Netflixシリーズ『鉄槌教師』でイム・ハンリム役を熱演。力強いアクションと存在感で、新たな一面を印象付けた。

    35歳で人生が一変した「ホ・ソンテ」

    圧倒的な存在感を放つ名バイプレーヤー、ホ・ソンテ(48)もまた、長年会社員として働いていた異色の経歴の持ち主だ。

    (写真提供=OSEN)

    大学でロシア語を専攻した彼は大企業・LG電子の海外営業部門に入社し、ロシア市場を担当。「モスクワ市内のホテルのテレビはほとんど自分が販売した」と語るほど優秀な営業マンとして活躍した。その後は大宇造船海洋の企画調整室へ転職し、年収7000万ウォン(約750万円)を得るエリート社員だった。

    転機が訪れたのは35歳の時。酒を飲みながらテレビを見ていた彼は、SBSの俳優オーディション番組『奇跡のオーディション』の参加者募集を目にする。胸の奥にしまっていた演技への夢を諦めきれず、高収入も安定した地位も手放して挑戦を決意した。

    新婚だった妻から「夢を追いかけてほしい」と背中を押されたことも大きな支えとなり、会社を辞めて俳優の道へ進んだ。

    オーディションでは5位に入賞したものの、その後もしばらくは無名時代が続いた。しかし、『密偵』『犯罪都市』などで強烈な悪役を演じて注目を集め、Netflixシリーズ『イカゲーム』で演じたドクス役で世界的な知名度を獲得。さらに『カジノ』などでも圧倒的な存在感を見せ、今や韓国エンタメ界を代表する名脇役として活躍している。

    会社員として培った経験は、決して遠回りではなかった。組織の中でさまざまな人と接し、多くの人間模様を見つめてきた日々が、彼らの深みのある演技やリアリティにつながっているのかもしれない。

    (文=韓ドラLIFE編集部)

    ■【関連】チ・ジニ、捨て子と思い込んだエピソードが爆笑すぎる!“血液型が招いた大誤解”

    ■【関連】正統派イケメンの枠を超えて…!唯一無二の“色気”と“実力”で沼に引きずり込む韓国俳優5人

    ■【関連】あなたは見分けられる?激似すぎてドラマのネタにまでなった、“そっくり”韓国俳優3組

    Share.

    Comments are closed.