映画『平行と垂直』のジャパンプレミアにて、「関西弁を聞くと幸せ」と笑顔になる安田章大(7月2日、TOHOシネマズ鳳)
SUPER EIGHTの安田章大が7月2日、「TOHOシネマズ鳳」(大阪府堺市)でおこなわれた映画『平行と垂直』(8月28日公開)のジャパンプレミアに登壇。W主演を務めたのん、小林聖太郎監督とともに舞台挨拶に立ち、幼少期から抱いてきた「普通」という言葉への違和感や、自閉スペクトラム症(ASD)の兄を演じた思いを語った。
■「世の中が作った“普通”に振り回されてきた」作品への思い
本作は、自閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴(安田章大)と、兄を幼い頃から支えてきた妹・希(のん)が、希の結婚話をきっかけに、それぞれのこれまでとこれからに向き合っていくヒューマンドラマ。安田自身が企画段階から参加した作品でもある。
映画『平行と垂直』のジャパンプレミアに登壇した(左から)のん、安田章大、小林聖太郎監督(7月2日、TOHOシネマズ鳳)
作品に込めた思いを問われると、安田は「幼少期から“普通”というものに違和感を抱いていて。世の中が勝手に作った“普通”に振り回されて、自分自身がすみっこに追いやられたり、考えを発言できなくなったり、行動に起こせなくなったりすることがある」と、自身の思いを率直に語る。
さらに、「ASDといわれるみなさんにも、それぞれ伝えたいことや自分なりの意見がある。それを僕たちがちゃんと受け止められるかどうかが、今問われていると思います」と話し、「一つでも僕たちが変わっていければ、世界も変わるのかなと思っています」と、作品に込めた願いを明かした。
映画『平行と垂直』のジャパンプレミアにて。のんの言葉に優しくツッコミを入れる安田章大(7月2日、TOHOシネマズ鳳)
■ 小林監督、安田の人柄「自然と近くにいさせてくれる人」
大貴という役との向き合い方について、安田は「施設でASDのみなさんとお話ししたり、一緒に遊んだり、自己紹介をしたりしました。でも、それは役作りではないなと思ったんです」と振り返る。
「それぞれに性格があって、それぞれの在り方がある。大貴を演じるのは僕だけど、周りのみなさんとの関係性のなかで大貴という人物ができあがっていくんだと思いました」と話し、「不安もなく撮影に入り、不安もなく終わることができました。今も大貴はどこかで生きているんだろうなと思います」と、役への深い愛着をのぞかせた。
映画『平行と垂直』のジャパンプレミアにて、安田章大と握手したときのことを振り返る小林聖太郎監督。舞台挨拶には手話通訳も登壇していた(7月2日、TOHOシネマズ鳳)
小林監督は、そんな安田について、「安田さんは近づいてくるわけではないけれど、自然と近くにいさせてくれる人。初対面とは思えない距離感になれた。(安田さんの)特技だと思います」と、その人柄を称賛していた。
■「知ろうとすることが、新しい一歩になる」
撮影を通して自身に変化があったか問われると、「理解できないということは、そんなに簡単には変わらないという前提があります」としながらも、「知ろうとすること、自分から触れに行くことをすれば、自ずと経験値が増えて、自分の人生の余白に新しい気づきが生まれる。新しい道を歩める瞬間があるのかなと思います」とコメント。
一方で、「人ってそんなに簡単には変わらないとも思う」と率直な思いも口にし、「だからこそ、一人ひとりが自分から変わろうとすれば、その先で誰かも変わってくれるんじゃないかな」と、作品を通して伝えたいメッセージを語った。
映画『平行と垂直』のジャパンプレミアにて、作品への思いと覚悟を話すのん(7月2日、TOHOシネマズ鳳)
本編上映は、日本語字幕付き・「HELLO! MOVIE」によるバリアフリー音声ガイド対応にて実施。視覚・聴覚に障がいのある方を含め、誰でも一緒に作品を楽しめる“バリアフリー上映”として開催される。
映画『平行と垂直』は、8月28日から「T・ジョイ梅田」ほかにて全国公開される。
取材・文・写真/Lmaga.jp編集部