6月27日(現地時間)、「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」は、パリ・ファッションウィーク・メンズにて、2027年春夏メンズコレクションを発表した。

    今シーズンは、前シーズンで探求したミニマルな幾何学的フォルムをさらに発展させながら、素材と構造の関係性をより深く掘り下げたコレクションとなった。物語を描くのではなく、服そのものが持つ構造や素材の力を引き出すことに重きを置き、ブランド独自のデザイン言語を一層研ぎ澄ませている。

    装飾によって視線を惹きつけるのではなく、カッティングやパターン、素材そのものが立体感を生み出す――。そんなアプローチが、コレクション全体を通して一貫して貫かれていた。

    その思想を象徴するように、ショーの冒頭では、イタリア人アーティスト、アゴスティーノ・ボナルミ(Agostino Bonalumi)の1973年の言葉「それは素材にイメージを押し付けることではなく、素材そのものからイメージを引き出すことなのだ」が掲げられ、今シーズンを貫くクリエイティブビジョンを印象づけた。

    彫刻作品から着想を得た「エクストロフレクション」

    今シーズンの重要な着想源となったのは、ボナルミによるモノクロームの彫刻的絵画である。

    キャンバスの裏側に構造体を設け、内側から押し出される見えない力によって立体感を生み出す「エクストロフレクション」という考え方は、本コレクションの核となる発想でもある。表面を飾るのではなく、内部構造そのものによって光と影を描き出す。その美学は、衣服の設計にも色濃く反映された。

    ステッチやトリムは最小限に抑えられ、ファスナーは表から見えない仕様を採用。プリントも用いず、留め具はフラケットの内側へと隠されるか、生地と一体化されることで、構造そのものがデザインとして浮かび上がる仕上がりとなっている。

    構造と柔らかさを両立したテーラリング

    今季のルックは、ライトグレーやチャコール、ネイビー、ブルーを基調とした静かなカラーパレットで構成された。無駄な装飾を削ぎ落としながらも、素材の質感や立体的なフォルムによって豊かな奥行きを生み出している。

    ブレザーやジャケット、トラウザーには内側からボンディング構造を施し、生地の表面には波打つような起伏を形成。裁ち切り仕様のパッチワークTシャツにも同様のアプローチを取り入れ、柔らかさと構築性が共存するシルエットを描き出した。

    日本製スーツでは、シルクウールへ密なステッチを施すことで縫い目のような深い凹凸を表現。ポリウレタン加工を施したデニムジャケットやショーツは、ボナルミのビニール加工キャンバスへのオマージュとして制作された。

    シルエットは前シーズンよりも細身でシャープに進化。一方で、ドレープジャージーやシルクヌバックのロングチュニック、ファネルネックシャツ、軽量ニットが加わることで、構築性の中にしなやかな動きがもたらされている。

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    幾何学モチーフがコレクション全体を貫く

    コレクション全体を通して繰り返し現れるのが、ひし形(ロンバス)のモチーフである。

    ネックガードやクロップドブルゾン、スリムカットコート、高めに設定されたノッチドラペル、放射状に広がるトラウザーの裾など、さまざまなディテールへと展開され、ブランドの構造的なデザイン言語を静かに結び付けている。

    また、ショー会場では、日本人デザイナーの高濱和秀が手掛けた「Saori」ランプを用いた空間演出を採用されたことで、柔らかな陰影が衣服の立体感を際立たせ、ランウェイ全体を一つのインスタレーションへと昇華した。

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    アクセサリーとフットウェアにも構造美を継承

    アクセサリーには、一枚革を折りたたんで製作した長方形のクロスボディバッグをはじめ、ひし形モチーフのブローチやイヤリング、磨き上げられたメタルバックルを配したベルトが登場した。

    また、「オークリー(Oakley)」との新たなアイウェアコラボレーションでは、「Terraforma」をベースとしたモデルに加え、ブランドのカリフォルニア本社で製作されたバイザー状のコンセプトピースも披露。未来的なフォルムと素材表現が融合したアイウェアに仕上がっている。

    フットウェアでは、「Sargo」レースアップをローファーへと発展させた新モデルや、アップデートされたミッドカットブーツを展開。さらに、「クロックス(Crocs)」とのコラボレーションも復活し、一体型ヒールタブソールとレザー×メッシュのアッパーを組み合わせた軽量モデルを発表した。

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    キコ コスタディノフ 2027年春夏メンズコレクションの全てのルックは、以下のギャラリーから。

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