【画像】劇中シーンを再現する藤原季節と中田青渚

    吉本ばななの短編小説集「ミトンとふびん」に収められた1編「SINSIN AND THE MOUSE」を映画化した本作は、悲しみが小さな幸せに変わるまでを描いた物語。母を失い喪失感を抱えた主人公ちづみが旅先の台湾でシンシンという男性に出会い、止まっていた心を動かしていく。岸井ゆきのがちづみ、ツェン・ジンホア(曾敬驊)が台湾人の母と日本人の父を持つシンシンを演じ、ちづみに台湾行きを提案するバンドマン・マサミチに藤原、マサミチの結婚相手でシンシンの友人・サチに中田が扮した。

    大きな拍手に迎えられ登場した3人。本作の感想を問われると中田は「すごくじんわり心が温かくなる作品だと思いました。観終わったあとごはんを食べたくなって、マネージャーさんと中華を食べました」と笑みをこぼす。藤原は「優しい映画で、大好きな作品。試写が終わったあと岸井さんが、絵本を1ページずつめくるような映画だとおっしゃっていて感動しました。僕もそうじゃん!と。真壁監督がとても真剣に、1枚1枚絵を完成させた作品だと思います」と力説。2人の感想を聞いていた真壁は「作品を愛してくださって、こうやって登壇してくださって心強いです」と感謝した。

    撮影中には、ツェン・ジンホアがパンの差し入れをしてくれたそう。藤原は「ジンホアは心遣いの人。すごく並ぶというパン屋さんで買ってきてくれたんです。撮影が大変だろうに、『台北のおいしいものを食べてください』って言ってくれて。ジンホアのこと大好きになっちゃいました。マジ大好き!」と声を弾ませ、「監督とジンホアの絆が深くて。台湾での2人の話を聞いたら泣けちゃいました」と思い返す。中田も「ジンホアさんは映画を観ていて感じるシンシンの温かさをそのまま感じられる方。本当に真っすぐな方という印象です」とほほえんだ。

    藤原季節 as マサミチとして主題歌「Let Me Feel You」を歌唱している藤原。先日行われた試写会では参加者から同曲への称賛の声が相次いだ。藤原は「僕、歌うって知らなかったんです(笑)。プロデューサーとごはんを食べたあと、なぜかカラオケに連れて行かれて。撮影が終わったあとにレコーディングスタジオに呼び出されて歌ったんですけど、監督が『俺は賭けに勝った! 藤原季節が歌った』とポロッと言っていました」と笑う。真壁は「すごくキーの高い歌なんです。すごくきれいな旋律なので下げたくなかったんですが、下げることも考えていた。でもそのまま歌ってくれました」とたたえた。

    レコーディングは2度行われたが、採用されたのは1回目のものだったそう。藤原は「1回レコーディングして、その後、練習で仕上げて、2回目に臨んだんです。3時間ぐらい歌ってのどがガラガラになったあとに、監督から『1回目のがいいな!』って言われて(笑)」と回想し、「でも聞いたら1回目のほうが本当によかったんです。1回目はちづみとマサミチのことだけ考えて歌ったんですが、2回目はミュージシャンとしての自信が出ちゃいました」と茶目っ気たっぷりに口にする。真壁が「2回目はすごくうまくなっているんだけど、心に伝わらないというか」と話すと、藤原はすかさず「3時間言い出せなかったんですか!」とツッコミを入れ、会場の笑いを誘った。

    出番は多くないものの、マサミチとサチを非常に重要な人物だと捉えていたという真壁。中田は「この映画は出てくるキャラクターが少ないので、サチが2人に寄り添うようなキャラクターになればいいなと思って演じました」と言及する。藤原は「台北にちづみを呼んだのもマサミチですし、シンシンをちづみに紹介したのもマサミチ。だからすごく重要な役だと思っていました。孤独な心と心が1つになっていく。そこまでマサミチが想像していたとしたらすごいなと、映画を観終わったあとに感じました」と述懐した。

    最後に中田は「1つひとつの音や登場人物の小さな行動が積み重なって、温かさを感じられる映画だと思っています。映画館で観ていただけるよう、私もがんばりたいです!」と意気込む。藤原は「岸井さんも、ジンホアさんも言葉が通じない中で一生懸命お芝居をされている。シンシンがしゃべっているのを聞いているちづみの表情が僕は好きです。しゃべっているより、聞いているほうがお芝居は難しかったりする。僕は、慣れない外国で、最後の最後まで高い集中力を維持してお芝居をされた岸井さんのファンになっちゃいました!」と述べ、「ちづみとシンシンの物語を広める手助けができたらと思っています。皆さんも2人のことを好きになったら、ご協力いただけたら」とアピール。そして真壁は「すでに観ていただいた方からさまざまな感想をいただいていて、いろいろな見方ができる映画だと思っています。また映画館で観ていただけたら、違う見方ができる。それを楽しんでもらえたら」と語りかけた。

    なおイベントでは、雨が降り、シンシンが手でちづみに傘を作る場面の話題も。もともとは雨の想定ではなく、その場で生まれた場面だという。台湾の男性が普段から恋人や親しい関係の人に行うものだということが紹介されると、観客からは「へー」という声が上がっていた。

    「シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE」は新宿バルト9、シネスイッチ銀座ほか全国で公開中。

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    Copyright ©2021 by Banana Yoshimoto All rights reserved.
    Japanese original edition published by Shinchosha Publishing Co., Ltd., Japan in 2021.
    The permission to use the original novel to produce this movie has been arranged with Banana Yoshimoto through ZIPANGO, S.L. ©2026映画「SINSIN」FILM PARTNERS

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