2026年6月27日(土)T.M.Revolution&28日(日)西川貴教、の2デイズでオープンするShibuya LOVEZ。バンダイナムコグループが手掛ける初のライブホールであること、渋谷という立地の良さ、音楽・演劇・各種イベント等、いろんな使い方に対応できる多様性を備えていること、などなどの新しさで注目を集めている新しい会場です。2026年6月4日(木)に、関係者向けの内覧会が開催されたので、隅々まで拝見してきました。

    アクセス(リンク:https://shibuyalovez.jp/access/)は、渋谷駅のハチ公口より徒歩 約9分。奥渋谷の入口でアベマタワーの向かい、かつて大きな駐車場があった場所です。

    まずは写真でご案内します。

    2Fからステージ正面の眺望

    2F後方からの眺望
    3Fからの眺望

    4Fスイートフロア。複数の個室に分かれていて、ソファや机を完備
    スイートルームの扉を出るとバルコニーにラグジュアリーな座席

    案内板
    コインロッカーは場内外に合計360個

    ドリンクカウンターには生ビールサーバーも!ドリンク代600円で交換可能
    1F自動販売機

    全体に、運営=使い勝手が良くて進行しやすい・演者=やりやすい・お客様=観やすくて居心地がいい、という、三方向すべてにとって「こんなハコがあったらうれしい」要素を満たした新ヴェニュー、それがShibuya LOVEZだとお見受けしました(なのでその分、相当な予算を投じたのでは、という気もしました)。

    では以下、そのあたりの詳しいことを、ホールマネージャーの木村 学さんにうかがっています。

    ホールマネージャー 木村 学氏

    [Profile]
    長年東京エリアのプロモーターで働き、バンダイナムコライブクリエイティブ(現バンダイナムコミュージックライブ)に転職。2024年に、Shibuya LOVEZプロジェクトのために設立された新会社、バンダイナムコベースに出向、現在に至る。

    ──そもそもこのプロジェクトは、どのように立ち上がったんですか?

    木村ここの土地そのものは、9年前にバンダイナムコホールディングスが取得いたしました。当時からバンダイナムコグループでは、自社IP、いわゆるアニメやゲームなどを活用したライブ事業が活発に行われていました。土地をどのように運用しようか、という中においても、今後より発展するであろうライブ・エンターテインメント事業を見据え、ライブ会場自体は初期からプランに入っていた、というふうに聞いています。その他にも様々なアイディアがありましたが、最終的には当初のコンセプトどおり、今求められているのはライブ会場だろう、ということに決まったようです。

    ──で、そのライブ会場を作る時の方向性というのは──。

    木村最初のコンセプトの軸になったのは、まずはバンダイナムコグループの利用が、どのように叶えられるかを基準にしました。グループ内の利用だけでも、ライブ、演劇、上映会、eスポーツ、カードゲーム大会、商品の展示会や販売会。そういうふうに、本当に多種にわたる業態が集まっているグループなので、可能な限り、それらのすべてを叶えられるような多様性を検討した、というのが、初期設定の段階でありましたね。

    ──それは、特にステージまわりとバックステージに感じました。音楽のライブだけなら、ステージの幅も奥行きもあんなに広くなくていいし、楽屋もあんなに必要ない。だから、演者が40人とか50人とかの公演でも対応できるように作られているんだな、と。

    木村おっしゃるとおりです。音楽に関しても、グループで、メンバーが何人もいる、という時に、楽屋だけじゃなくて、メイクルームや衣装部屋はどうするんだ、っていうことになっていくと、やっぱり部屋数が多く必要になる状況は、バンダイナムコグループのIPでも考えられました。たとえば『アイドルマスター』や『ラブライブ!』でも出演者の人数が多い為、ライブひとつやるにしても大人数出演の公演運営経験を踏まえ、じゃあもう楽屋は可能な限り広く取ろう、部屋も固定式ではなくて間仕切りにして、サイズを可変できるようにしよう、という結論に至りました。

    楽屋エリア。コネクティング仕様で使いやすく

    ──今おっしゃった、『アイドルマスター』や『ラブライブ!』等以外にも、たとえば2.5次元等の演劇にも対応できますよね。

    木村そうですね、すでに2.5次元ミュージカルを始め、演劇関係者様よりお問い合わせもいただいています。初期コンセプトの時から、その使い方も入っていました。

    ──設計や内装などで、この会場にしかない特色とか、こだわったポイントとか、そういうのはありますか?

    木村こだわりとは逆な目線で、シンプルさだけを追求しました。設備も、装飾も、ハデなものはやめよう、あるものをすべて本当にシンプルにしよう、色も白と黒のツートーンカラーでいこう、という感じです。いろんなジャンルでいろんな公演を行って、いろんなお客様が来る、と考えると、たとえば音楽に特化した設備をステージに入れたとして、それは果たしてeスポーツやカードゲームのイベントに合うのか?と。同じように、客席にしても、ロビーにしても、装飾やデザインにしても、「じゃまにならないように」というふうに、我々なりに考えました。

    白と黒でまとめられたシンプルでスタイリッシュな内装

    ──キャパシティの設定についても教えていただきたいんです。アリーナ立見で2,026人、アリーナ着席で1,698人という。着席の人数は、肉眼で演劇やミュージカルを観る時の最大のキャパだからかな、と思ったんですが。

    木村それもあります。ただ、立見の時の方は……渋谷区宇田川町のこの土地の環境で言うと、実は本来は、建築関係の法定基準で、2,000キャパは取れなかったんです。でも、都内では、みなさんご存知のとおり、2,000キャパの会場がどんどん減っていっている。

    ──そうですね。10,000前後の大きな会場は、ここ数年であちこちにできましたけど。

    木村という中で、弊社もライブ業界の末席にいる立場としては、ライブ業界の将来を考えると、どうしても2,000キャパの会場は必要だろうと。現状だと、100ぐらいから500〜600ぐらい、次は1000ぐらい、その次の適切なキャパ会場が無い、もしくは日程が取れなくて、何千とか何万キャパみたいな、大きい会場になってしまう。アーティストさんや作品が成長して行く上で、2,000というキャパはすごく大事だと思うので、どうしてもそこを確保したかった。そのため、長期間にわたって、行政とかなり協議を重ねて、いろいろな特例の手続きなども経て、結果、折り合いが付いたのが、このキャパなんです。

    ──そこには相当強い意志があったんですね。

    木村2,000を目指すっていうことは、そこはもう絶対こだわっていました。限られた敷地の中で、客席・ステージ・導線のバランスを最適化しました。優先順位としては、最初はやっぱり客席、キャパシティで、次がステージ。アーティストとお客様の、いちばん接点になるところにこだわったんです。

    ステージから4階客席までの眺望

    ──あと、お客さんにとっての使い勝手のよさ。男性トイレにもベビーキープが付いていたり、授乳室があったり、車いす席がとても観やすい位置にあったり、というのは──。

    木村バンダイナムコグループが扱っているIPは、お客様の層がお子様、ファミリー層からご年配の方まで、幅広くご愛顧いただいている企業ですので、このShibuya LOVEZにも幅広いお客様が来場されるだろう、という前提で、限られた条件の中で、思いつくことは全部やった、ということですね。たとえば、喫煙室の前室を広くして、煙や匂いが漏れないよう距離を取ったりとか──。

    男性トイレ
    授乳室、給湯コーナーもあり

    ──そうそう、喫煙室のドアを開けると前室になっていて、もうひとつドアを開けると喫煙室ですよね。「そうか、これ、煙を外に漏らさないためなんだ」と。

    木村そうです。「それより喫煙室自体をもっと広くすればいいじゃないか」という声もあったんですが。また、車いすをご利用されているお客様のご案内に関しても、やっぱり今でも各運営の方々が、状況次第では対応に苦労されている状況を見聞きしている為、着座のまま観やすい車いすスペースを作りたい、入場からその席までの動線もなるべくスムーズに行けるように、というので、いろいろ探った結果、あの場所に落ち着きました。電動車いすにも対応できるよう、コンセントを用意したりとか。それで、開業して使ってみてのご意見やアドバイスをいただけるようであれば、それに準じてリニューアルしようと思っています。

    2F車いすスペースからの眺望

    ──あと、外の2階に、開場前にお客さんが並ぶためのスペースがありますよね。そこの半分以上に、屋根が付いている、というのも──。

    木村あそこはガーデンスペースと言うんですが、これも建築の法的基準で、「公開空地」と言われる場所で、建設する上で「公開空地」を設けなければいけないと。この施設だと、2階のガーデンスペースの端に緑があるところ、植栽の部分がそれに当たるんですけど。そこには屋根をかけてはいけない、という規則なんです。ですので、そのギリギリ手前、建築上で許される範囲までは、屋根を付けて。長い時間、並んで外で待つお客様が……雨もですけど、夏場は日射しがきついですしね。

    ガーデンスペース

    約50台のガシャポンがズラリ!

    ──お話をうかがっていると、2,000キャパの会場を作る時の平均値よりも、相当おカネがかかっているのでは、という気がするんですが。

    木村限られた予算、限られた時間の中で、利用者様と来場者様に喜んでいただけるよう、利便性を重視して必要な設備投資を行いました。

    ──最後に、Shibuya LOVEZという会場名は?

    木村バンダイナムコグループが掲げているパーパス「Fun for All into the Future」を実現するべく……エンターテインメントやコンテンツ、カルチャーを応援してくださるファンのみなさんの、たくさんの「好き」を応援したい、という思い。それともうひとつ、人それぞれの異なる「好き」が大切にされる未来を、共に作っていく。という決意から、「LOVEZ」……最初はシンプルに「やっぱり愛でしょ」という、ノリっぽいことを真面目に語るエンタメへの情熱から着想がなされました。バンダイナムコは、IPを軸にビジネスをさせていただいている会社なので。「このキャラが好き」「このアニメが好き」「このゲームが好き」という気持ちをとても大事にしているんですね。「Z」には未来や最高の意味もあるようで、それらをライブ・エンターテインメントに置き換えた時に、「LOVEZ」という言葉に落ち着きました。

    最初に書いた、杮落としのT.M.Revolution&西川貴教以降も、続々とライブが決まっており、「発表前のものも含めると、2026年の年内は、稼働率は99%です」とのこと。

    Shibuya LOVEZ、ここで自分が最初に観るのは何か、楽しみです。

    Shibuya LOVEZプロモーションムービー

    ≫ 【Shibuya LOVEZ】オフィシャルサイト

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