
【画像・写真3枚目】「運動音痴だったから、誰より高く跳びたかった」――「Next☆Rico」青海マホがコンプレックスを武器に変えた日(撮影・咲雪はなみ、雛瀬ひいな)
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9人組アイドルグループ「Next☆Rico」のプロデューサー兼メンバー、青海マホ。スポニチ東京本社でのソロインタビューで語ったのは、16年という長いキャリアの中で培われた、孤高とも言える独自の哲学だった。青海を支えているのは「人にも自分にも期待しない」という意外な言葉。その真意に迫ると、華やかな世界の裏で闘い続ける一人の人間の、リアルな姿が浮かび上がってきた。(「推し面)取材班)
「元々アイドルになりたくてなったわけではないので、1回お断りしているんです」。2010年、スカウトされたのが全ての始まりだった。人前に出るのが好きなタイプではなかったが、度重なる誘いに「自分を必要としてくれる場所ってあるのかな」と心を動かされた。ダンスも歌も未経験。基礎レッスンもないまま振り入れに必死で食らいつき、迎えた初ステージは「頭が真っ白で、正直あまり覚えていない」と振り返る。
これまでの活動で「壁を感じたことがない」という。それは、苦労がなかったという意味ではない。「『できない』という状態が嫌なんです。人に頼るのも得意ではないので、自分でなんとかするしかない」。ダンスができなければ、できるまでやる。ただそれだけ。その愚直なまでの反復を「壁」とは呼ばない。
だが、プロデューサーとメンバーを兼任する今、初めて明確な「壁」に直面しているという。「CDの売上目標何枚、と言われた時ですね」。プロデューサーとして「目標に向けてどうする?」とメンバーを牽引する立場と、メンバーとして「一緒に頑張ろう」と寄り添う立場。その間で心は揺れ動く。
特に心を削られるのが、メンバーへの指導だ。「人に注意するのってめちゃくちゃ体力を使うし、言えば言うほど自分も絶対に間違えられなくなる。本当は言いたくないんですよ」。自分より細い子に体型管理を指摘しなければならない時もある。「自分が完璧ならいいんですけど、そんなことはないので、そこはメンタルが削られますね」。完璧ではない自分を知りながら、それでもグループのために嫌われ役を買って出る。その葛藤が、言葉に重みを与える。
そんな日々を支えるのが、スマホの待ち受けにもしている「人にも自分にも期待しない」という言葉だ。一見ネガティブに聞こえるが、その本質は「実力を見極める」ことにあるという。「期待通りに行くことなんて、ほぼないじゃないですか。だから、なるべく他人に期待せず、周りを支えられるくらい自分が頑張ろう、と」。過度な期待は相手のプレッシャーになり「楽しい」という活動の根幹を奪ってしまう。だからこそ、メンバーの実力を見極め、まずは楽しく活動できる環境を作る。それがプロデューサーとしての矜持だ。
6月末から始まる過酷な9日連続のリリースイベント。この夏、頑張った日のために、ささやかな目標を掲げる。「いいウイスキーを1本買いたいです!私、『山崎』が一番好きなので、ご褒美用に家に置いておきたいんです」。頑張った日にだけ、水割りで一杯。その人間味あふれる笑顔に、16年間ステージに立ち続ける理由が垣間見えた気がした。
