フジテレビ本社(写真:共同通信社)
フジテレビの苦境が続いている。一体、どれくらい厳しいのだろう。再び浮上できるのだろうか。浮き彫りにしたい。
まず現在のフジは視聴率が低いため、CMの売り上げが伸びず、制作費が他局より安く抑えられている。すると、高視聴率番組をつくるのが難しくなる。負の連鎖に陥っているように見える。アイデアでの勝負には限界がある。
映画も動画もドラマも制作費が物を言う。映画の大ヒット作『国宝』の制作費は約12億円だった。Netflixで大人気となった『地獄に堕ちるわよ』は計9回で推定9億円が投じられた。
民放各局の1時間ドラマの制作費は1回当たり平均3000万円。ネット局数が少ないテレビ東京はこれより2~3割安い。フジも現在は2000万円台でつくらざるを得ない作品があるという。逆にTBS『日曜劇場』の制作費は4000万円。TBSはほかのドラマも制作費が高い。
フジのドラマのロケ現場では「弁当代が550円以下に抑えられている」などと一部で報じられた。かつては2000円以上の高級焼き肉弁当などが配られていたから、隔世の感だ。
CM売上高も制作費も在京主要4局の中で最下位に
弁当だけではない。ロケが夜中にまでおよぶと、出演者には自宅までのハイヤー、タクシーが用意されるが、フジの場合は「以前より削減されている」(芸能事務所スタッフ)という。
ディーン・フジオカ(45)が主演するフジの連続ドラマ『LOVED ONE』は収録の2日前までゲスト出演者が決まらなかったそうだ。助演のギャラの上限が低いので、キャスティングが難航するらしい。
2000万円台の制作費というと高額に感じるが、主演に1回当たり約150万円以上のギャラを支払い、脚本家に同約100万円以上を渡したら、もう限られてくる。助演陣へのギャラや技術スタッフへの報酬もあるのだから。
フジを難局に追い込んだ理由の1つが2025年に深刻化した人権侵害問題なのは言うまでもない。人気タレントが女性アナウンサーを蹂躙したとされながら、フジが適切な措置を講じなかったことから、女性アナの人権が損なわれたとされた。
同1月から同10月過ぎまで自動車メーカーや大手生活用品メーカーなどの多くのナショナルスポンサー(全国規模で広告活動を行う企業)が、フジへのCMをストップした。大企業は人権に敏感だ。影響は甚大だった。
