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ジャファー・ジャクソン演じる“マイケル・ジャクソン”、とても頑張って中々良い感じ。
(ダンスは目を見張るものがあったので、将来マイケル役のイメージを振り払って飛躍して欲しい)
ただ、残念ながら“キングオブポップ=マイケル・ジャクソン”のカリスマ性、オーラは一つも感じ無かった。
来日時の熱狂、「ライブインブカレスト」では登場から1分39秒微動だに動かないだけで失神する観客が続出するなど、「マイケル・ジャクソン」と言うアイコンをリアルタイムで知る者には、正直物足りない“前半戦”だった。
スクリーンに”to be continue “って流れた瞬間「マジかよ」って思ったのは自分だけだろうか?
とてもじゃ無いけど⭐︎4なんてお世辞にも付けられないし、この作品でなんとなくわかった気になったらやばい。
2時間7分でキングオブポップマイケル・ジャクソンを語りきれないのはわかるけど、あまりにもダルダルな脚本。本作ではジャクソン5時代からプロデュース兼マネージャーでもあるジョセフからの決別、独り立ちしてBADツアーロンドン公演までを描いているが、どのエピソードも中途半端。
マイケルと兄弟の関係性やキングオブポップの生みの親“クインシー・ジョーンズ”との出会い、当時はMV自体あまり定着していない頃、音楽の仕入れ先がまだまだラジオメインだった時代のMTVとの関係性の描き方、MTVが大きな存在の様に描かれていたが実際はマイケルがMTVをメジャーな存在に引き上げた事など、一応実在の人物を描いているのにどのエピソードも取ってつけた様な脚本であまりにも酷い(バブルス君なんて、なんかおまけ程度であんな描き方するなら出逢いのシーンなんていらんし、ジャクソンファミリーのヒール役がジョセフ一択過ぎて忖度臭プンプン)。
1981年8月1日に、一日中MVを流し続ける『MTV』が、アメリカのケーブルテレビで開局、同年日本でもVJ小林克也の流暢な英語による軽快なトークで曲を紹介する『ベストヒットUSA』、tvkの『SONY MUSIC TV』など“洋楽”の仕入れ先が徐々に浸透してきた中、“マイケル・ジャクソン”が時代の新しいムーブメントをこじ開けた功績はあまりにも大きい、「スリラー」MV公開時は深夜帯放送にも関わらず高視聴率、NHK(なんの番組だったか覚えてないが)で取り上げられたのも記憶に残ってる。
当時邦楽といえば日本の音楽番組も全盛期で、「ザ・ベストテン」「夜のヒットスタジオ」等色々あったが、MVがフルサイズでテレビ放映される機会は皆無、レコード店頭のモニターで再生される販売促進ツール(PV)として製作されるものがほとんどでYouTubeに音楽が溢れるMVが当たり前の今とはまさに別世界だ。
本作は「ボヘミアン・ラプソディ」製作陣が製作という事だが、同作とは雲泥の差。昨年公開されたボブディランを描いた「名もなき者」、ブルース・スプリングスティーンを描いた「孤独のハイウェイ」、なんなら伝記映画でも無いフィクション「罪人たち」のバディ・ガイの方が存在感あった思う。
“to be continue “で後編作品もまあ観に行くだろうが(マイケルの音曲を映画館のドルビーサウンドで聴けるのは充分価値はあるが)、作品としてはラジー賞の大本命間違い無しかな。
余談
子供の頃マルセル・マルソーが日本公演で訪れた時、父に連れられ楽屋にお邪魔させていただいた。その時握手した手の温もりはいまだに忘れられないが、マイケルがマルソーやチャップリンから影響を受けていたのはこの作品で初めて知った。マルソーの公演を一列目で観るかどうかなんてやり取り、なんのことかさっぱりわからない人も多いだろうけど、マイケルが凄いのは“音楽”だけじゃない、あの神パフォーマンスがあってこそのキングなのに幼少のジャクソン5時代にどうやってあのパフォーマンススキルを磨いたのか?なにか肝心なところが描ききれていない気がしてならない。
