子どもの行動を先回りしすぎていないか?

    「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。

    「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。

    本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。本記事では、その中から親が教えておくべきおやくそくを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)


    「大人になって苦労する子ども」の親がやりがちなこと・ワースト1Photo: Adobe Stock



    「成長の機会」を奪っている親

    「子どもは、失敗しても謝る練習ができればそれでいいんですよ」

    こんな話を、長年幼稚園で子どもたちを見てきたベテランの先生から聞いた。


    ある日、園庭で子どもたちが砂場遊びをしていた。すると、一人の男の子が走ってきて、友達が作っていた砂のお城を踏んで壊してしまった。

    壊された子は泣きそうな顔をしている。

    ところが、壊してしまった男の子は気まずくなったのか、何も言わずに立ち尽くしてしまった。


    その様子を見たお母さんが、慌てて駆け寄った。

    「ごめんね。でもこの子、わざとじゃないの。あのね……」

    お母さんは相手の子に何度も謝り、その場を収めようとした。


    先生は、お母さんにこっそりとこう伝えたそうだ。

    「少しだけ待ってあげてもいいですよ」


    男の子はしばらく黙っていたが、やがて小さな声で、「ごめんね」と言った。

    すると相手の子も、「いいよ」と答えた。


    先生によると、つい子どもが嫌な思いをしないように、失敗を防いだり、失敗した後の問題を先回りして解決したりしがちな親が多いという。


    だが、子どもに必要なのは、失敗しないことではない。

    失敗したら謝る。困ったら助けてもらう。そして次はどうすればいいか考える。


    実は、こうした経験は大人になってからも必要になる。

    仕事でミスをすることもある。人間関係で失敗することもある。

    そんなとき、本当に大切なのは、一度も失敗しないことではない。

    自分の失敗を認め、相手に謝り、そこから立て直す力である。


    だからこそ先生は、「子どもから失敗する機会を奪わないでほしい」と話していた。

    そうした小さな失敗の積み重ねが、大人になってから苦労しないための土台になるのである。



    失敗しても自分でリカバリーにしよう

    小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「まちがえたことはあやまろう」という項目がある。


    「大人になって苦労する子ども」の親がやりがちなこと・ワースト1『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用

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    ① じぶんの しっぱいを みとめよう。

    「うっかり きみの えんぴつを おってしまったんだ」

    ② あいての きもちを かんがえよう。

    「うさぎさん かなしかった だろうな」

    ③ こころを こめて あやまろう。

    「ほんとうに ごめんね」

    ④ くわしく いおう。

    「えんぴつを おったこと、 はんせいしている」

    (『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)


    親が子どもに与えられる最高のプレゼントは、「失敗しない人生」ではない。

    失敗しても謝れること。やり直せること。そして、また前に進めることを知ることである。


    子どもは失敗を通して成長する。

    だからこそ、大人になってから苦労しないためには、子どもの失敗をすべて取り除くのではなく、失敗から学ぶ機会を残してあげることが大切なのである。

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