賞レース予選の生き字引「はりけ~んず」MC新井が “下を向く” 出場者ファーストの理由とは

    はりけ~んず(『前説芸人』PR資料より)

     

    『THE SECOND 〜漫才トーナメント〜2025』(フジテレビ系)で見事にベスト4に輝き、その実力を世に知らしめた漫才コンビ「はりけ~んず」前田登さん、新井義幸さん。そんなお2人が、初となる自伝本『前説芸人 -主役になれなくても腐らずにしぶとく生きていく-』(ワニブックス)を6月26日に出版します。

     

     はりけ~んずといえば、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)を筆頭に『R-1グランプリ』(フジテレビ系)や『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)など、数々の主要賞レースの第1回大会から予選や準決勝のMCを務めていることで知られています。

     

     25年もの長きにわたり、最高峰の勝負の舞台を支え、客席を温め続けてきたお2人は、まさに「賞レース予選の生き字引」と言える存在です。

     

     筆者は以前、お2人に『M-1グランプリ2021』直前のタイミングで、ファイナリストのなかで注目しているコンビについて伺いました。予選の現場をすべて肌で感じてきたお2人だからこその独自分析でした。

     

    前田「ランジャタイみたいなタイプをまだ決勝で見てないので、どんな結果になるのかは楽しみやね」

     

    新井「予選の最初から、そのままトントントンと行って準決勝も一緒でウケてました」

     

    前田「『R-1ぐらんぷり2015』で優勝したときのハリウッドザコシショウにちょっと似てたけどね。今までと同じテイストのネタをやってるのに、その年は1回戦からドーンとウケて、お客さんの期待感が続いていって優勝したから」

     

    『M-1』だけでなく、別の大会の過去の予選のデータもインプットされているため、考察力が半端ないです。お2人の視線は、ベテラン勢や敗者復活組の細かな変化にも向けられていました。

     

    新井「個人的に注目しているのは錦鯉。僕と同じ年の50歳で決勝進出ってすごいなと」

     

    前田「しかも、錦鯉は2年連続決勝進出で去年の準決勝よりウケてたような気がしたな。普通キャラが強い人は連続で決勝は難しいけど、『あそこまでウケたら残るわ』って感じだった。たいしたもんやわ。

     

     あと、敗者復活組はニューヨークかな。忙しいのにネタを仕上げてきてて、2回戦はウケてたのよ。だからあのまま決勝に行くと思ってたけど、準決勝は爆発せんかったな。だから本気の逆襲を見てみたい」

     

     1回戦から敗者復活戦の舞台まで、すべての予選を見てきているからこそ聞ける分析です。そしてお2人のすごみは、こうした客観的な分析力だけでなく、舞台裏での徹底した「出場者ファースト」の姿勢にもあります。

     

    前田「話しかけられたら話すけど、こっちからはないね。出場者は本番を前に集中してるから。一回、インディアンス・きむに話しかけられたことがあったな。準決勝の出番の1分ぐらい前に袖におった俺に『いま言うことじゃないんですけど、前田さん、その新しいヘアスタイル似合ってますよ』って俺をいじってきて。

     

    『俺を自分の緊張を紛らわす道具にすんな』と思ったわ(笑)。でも、それでちゃんと爆笑取ってたからよかったけど」

     

    新井「(舞台裏で)向こう (出場者)は僕と目があったら挨拶しないといけないので、僕は出場者と目を合わせないように下向いてます。『俺に挨拶なんていいから』と思ってるから」

     

     すべては、後輩たちがベストコンディションで100%のネタを披露できるように務めているのです。こうしたお2人の献身的な姿勢は、賞レースだけにとどまりません。長寿番組『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京)では、実におよそ30年以上もの間、収録を盛り上げるための『前説』を務め、番組を支えてきました。

     

     しかし、2025年、同番組に「前説」としてではなく、初の「スタジオゲスト」として出演を果たしたのです。前田さんが私物のロレックスの時計を持ち込み、ついに鑑定してもらう側になった瞬間は、多くのファンや芸人たちが胸を熱くしました。スポットライトを浴びる誰かのために場を温め続ける、はりけ~んず。今回発売される自伝のタイトル『前説芸人 -主役になれなくても腐らずにしぶとく生きていく-』は、まさにそんなお2人の生き様そのものです。

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