ポール・スミス(Paul Smith)は、2027年春夏メンズコレクション「Suits in Unsuitable Situations(スーツ イン アンスータブル シチュエーションズ)」を2026年6月20日(土)にイタリア・ミラノにて発表した。

    日常のあらゆる場面で着こなすスーツ ポール・スミス 2027年春夏コレクション - 日常に溶け込む自由なスーツ|写真1

    今シーズンのポール・スミスは、スーツをフォーマルな装いとしてではなく、日常のあらゆる場面で自然に着こなし、時間とともに着る人の個性を映し出すワードローブとして再解釈。インスタレーション源の1つには、フルスーツにネクタイを締め、トラウザーズの裾をまくり膝まで海に浸かっていたポールの祖父の姿があったという。

    ショーでは、シャツのボタンを大胆に開け、ネクタイをラフに結んだジャケットスタイルが次々と登場。気負いなく着崩したテーラリングが、ブランドらしい軽やかなエレガンスを印象付けた。

    肩の力を抜いたテーラリング ポール・スミス 2027年春夏コレクション - 日常に溶け込む自由なスーツ|写真15

    コレクションの軸となるのは、ブランドが培ってきた柔らかなテーラリング。1980年代から提案してきた、堅苦しさを取り払ったスーツスタイルを今改めて見つめ直した。

    袖口を折り返し、シャツのボタンを外し、タイは緩く結ぶ。ジャケットには大ぶりのブローチやチャームを添え、かっちりとしたテーラードスタイルに遊び心をプラスした。また、ロングコートの裾から同丈のシャツを覗かせたり、ニットタンクとシャツを重ねたりと、リラックス感のあるレイヤードも印象的だった。

    軽やかな素材が生む自然な表情 ポール・スミス 2027年春夏コレクション - 日常に溶け込む自由なスーツ|写真18

    素材は、スコットランド製のトロピカルウィーブやムリネのシアサッカー、プリントシルク羽二重などを採用。裏地を省いた軽快な仕立てと相まって、肩肘張らないシルエットを描き出した。

    ポール・スミス 2027年春夏コレクション - 日常に溶け込む自由なスーツ|写真14

    一方で、内側には手仕事によるパッドステッチやフラワーループ、襟裏のメルトンなど、伝統的なテーラリング技術をさりげなく忍ばせているのもポイント。見えない部分にもクラフツマンシップを宿している。

    穏やかな色彩に遊び心を添えて ポール・スミス 2027年春夏コレクション - 日常に溶け込む自由なスーツ|写真9

    カラーパレットは、エクリュやトープなどの穏やかなニュートラルカラーが中心。ミントグリーンのサマーニットやプリントシルクタイ、レモンイエローやグレープカラーのソックスをアクセントとして加え、軽快なリズムを演出した。フォーマルウェアではブラックに代わってミッドナイトネイビーを採用し、クラシックな装いにさりげない変化をもたらしている。

    日常を彩るディテール ポール・スミス 2027年春夏コレクション - 日常に溶け込む自由なスーツ|写真27

    アメリカンヴィンテージを思わせる大ぶりのバックルベルト、帆船や貝殻、コインをモチーフにしたチャームなど、小物にも遊び心を散りばめた。さらに、レザージャケットなどのアウターには背面ポケットを備え、実用性とデザイン性を融合。ゲストの席に置かれた手描きの小石と同様に、日常の何気ない風景や記憶を大切にするポール・スミスらしい感性がコレクション全体を貫いていた。

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