かりんが主演を務め、timeleszの篠塚大輝が映画初出演を果たす映画『焼却炉』が2027年に公開されることが決定した。
原作は、『きらきらひかる』『冷静と情熱のあいだ』などで知られる江國香織による、11 人の少女の夏の思い出を描いた短編集『すいかの匂い』(新潮文庫)に収録された一編。学校や家族、周囲になじめない9歳の女の子が男子大学生との出会いを通じて初恋にも似た感情を抱いていく、そんな少女から大人への過渡期の繊細な心を描く。プロデューサーを務めた長尾卓磨は、約25年前となる学生時代に原作を読み、それからずっと映像化したいと考えていたという。そんな長年の想いが江國にも届き、今回の映画化が実現した。浅草にある老舗パン屋ペリカンに迫ったドキュメンタリー映画『74歳 のペリカンはパンを売る。』の内田俊太郎が監督を務めた。
小学4年生の主人公・宮田梢を演じるのは、オーディションで主演に抜擢され、本作で俳優デビューを果たすかりん。そして、梢を惹きつける影絵サークルの大学生すずきじんたを、本作が映画初出演となるtimeleszの篠塚が演じた。
さらに、梢の母・洋子をNHK連続テレビ小説『風、薫る』に出演中の菊池亜希子、梢の父・健二をプロデューサーも兼任する長尾がそれぞれ演じる。
小学4年生の宮田梢(かりん)は、自分をとりまく世界に上手くなじめずにいた。学校には行くものの、親しくする友達はおらず、教室から抜け出したり、早退する日々が続く。そんな梢には“裏庭の焼却炉にモノを捨てる”という“秘密の習慣”があった。ある日、影絵サークルの大学生が夏休みに小学校で行う影絵劇の公演の告知にやってくる。そのうちのひとり、すずきじんた(篠塚大輝)から梢は目が離せなかった。ある放課後、梢が焼却炉に向かうと、そこにはじんたがいた。梢と同じように焼却炉に何かを捨てる様子に、ますますじんたが気になるようになっていく。
また本作が、7月にチェコで開催される第60回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭において、新しい作家や挑戦的な作品が出品される「プロキシマ・コンペティション」部門に出品され、ワールドプレミア上映されることも決定。映画祭出品に向けて、海外版ポスターも完成した。
あわせて、キーアイテムとなる焼却炉を前にたたずむ梢(かりん)とじんた(篠塚大輝)を捉えたビジュアルカットも公開された。
コメント
内田俊太郎(監督)
伝統あるカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で『焼却炉』がワールドプレミアを迎えられること、大変光栄に思います。
まず初めに、『焼却炉』という物語を託してくださった原作者の江國香織さんに心から感謝いたします。そして、この物語を丁寧に紡いでくれたキャスト、スタッフに深い感謝と敬意を表します。
私はこの映画を作りながら、子供の頃の小さな瞬間を思い出していました。繊細で、どこか不安定で、大人になった私が失いかけていた感覚でした。そうした記憶や時間をたどりながら生まれたこの作品が、日本から遠く離れた地でどのように受け止められるのか。静かな
緊張と高揚とともに、その瞬間を迎えたいと思います。
かりん(主演)
初めての映画で、主演という立場を経験できて嬉しかったです。1カ月間あった撮影があんなに短くなるなんて思っていなくて、今まで見ていた映画の世界を自分が体験できて、夏休みのイイ思い出になりました。
撮影が終わってずいぶんと経った時に「映画が映画祭に入った」と言われて、びっくりしました。海外の映画祭に入って欲しいと思っていたので、映画祭に行くのを楽しみにしています。
篠塚大輝(すずきじんた役)
初めて映画の現場に立たせていただき、すべての瞬間が新鮮で、圧倒されるような毎日でした。「役として生きる」という経験は、難しさもありましたが、監督をはじめ、皆さんに支えられ、全力で駆け抜けることができました。自分にとって、忘れられない大切な作品です。
歴史あるカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭の公式コンペティションに選出されたこと、おめでとうございます。驚きと同時にそんな作品に関われたことに深い喜びを感じております。
この『焼却炉』という作品がどのように受け止められ、観客の皆さんの心に届くのか、楽しみです。
江國香織(原作)
私は普段、言葉でしかあらわせないものを小説にしているつもりなのですが、言葉でしかあらわせないはずのものが映像になっていて驚かされました。
あのころの夏の気配が匂い立つほど濃く、忘れていた(あるいは忘れたかった)記憶の断片がわっと押し寄せたことにも。
子供の所在なさと大人の逡巡がざらざらした質感で閉じ込められた、頭でっかちではない映画なところもよかったです。

■公開情報
『焼却炉』
2027年公開
出演:かりん、篠塚大輝(timelesz)、菊池亜希子、長尾卓磨
監督:内田俊太郎
原作:江國香織「焼却炉」(新潮文庫刊『すいかの匂い』所収)
制作プロダクション:QUE LINDO、さざなみ
配給:NAKACHIKA
©︎2026 QUE LINDO / NEOPA
公式X(旧Twitter):@shokyakuro_film
話題作のレビューやコラム、最新ニュース、興行成績分析、人気監督や役者へのインタビューまで、今観るべき映画やドラマ、アニメなどのヒントとなる記事をお届けします。
リアルサウンド映画部の記事一覧はこちら
