2026年6月16日、BEYOOOOONDSが横浜アリーナにて〈BEYOOOOONDS CONCERT 2026 SPRING [HIGH! TENSION BEYOSCOOOOOPE]〉を開催した。グループ初の横浜アリーナ単独公演であり、春ツアーのファイナル。そして雨ノ森 川海のリーダー・高瀬くるみの卒業公演という、幾重もの意味を持つ特別な一夜だ。

    今回の公演タイトルにも冠された「BEYOSCOOOOOPE」は、映画のワイドスクリーン規格「シネマスコープ」がモチーフ。ライブ全体が一本の映画作品のように構成されており、BEYOOOOONDSが持つ演劇性とエンターテインメント性を最大限に活かしたステージとなった。

    映画館で流れるマナー映像を思わせるVTRが上映されると、ライブは最新曲「ハイ!テンション」で幕を開けた。横浜アリーナを埋め尽くした観客の熱気を、「挙手!」という力強い掛け声で一気に引き上げ、その勢いのまま「自己★SHOW★TIME」へ。BEYOOOOONDSならではの存在感が鮮やかに輝いていた。

    さらに「ポジティブプログラム」を披露し、グループらしい前向きなエネルギーを会場いっぱいに届けたあと、タイムリープする階段坂を舞台にした演劇LIVEのブロックへ突入。コミュニティFM局を舞台にしたユニークな寸劇をフックに、「GOGO大臣」「Now Now Ningen」をパフォーマンスし、観客をBEYOOOOONDSの世界へと引き込んでいった。続いて舞台は1980年代へタイムスリップ。メンバーたちは絶対にリアルタイムでは経験していないはずのレトロなワードを次々と飛び出させながら、会場を大いに盛り上げる。

    すると場内にはミラーボールが出現。モニターにはDJ KOOが登場し、おなじみのテンションで観客を煽ると、「ディスコ・カーニバル」「そこらのやつとは同じにされたくない」へ。横浜アリーナは一夜限りの巨大ディスコへと姿を変えた。さらに舞台は未来へ。サイバーな衣装に身を包んだメンバーによるイリュージョン演出を経て、「Do-Did-Done」「灰toダイヤモンド」「フックの法則」を披露。洗練された歌唱、ダンス、演技が一体となったパフォーマンスで、その高い表現力を存分に見せつけた。

    デビュー以来磨き続けてきた「歌・ダンス・芝居」を融合させた総合エンターテインメントは、この横浜アリーナのステージでも遺憾なく発揮された。コミカルな世界観だけでなく、その奥にある強い意志や成長の物語を感じさせるパフォーマンスは、7年間の歩みを重ねてきたBEYOOOOONDSだからこそ生み出せる説得力に満ちていた。

    と、ここで前田、西田、高瀬による会社員コントのVTRを挟んで、ライブは「Hey!ビヨンダ」「涙のカスタネット」「Go City Go」と畳みかける。そして「That’s LIFE!」では、この日初お披露目となる新メンバー、小島はな、大坪茉乃、杉山結菜が途中参加。客席から大きな歓声が上がった。

    MCでは3人がそれぞれ挨拶。経験者として加入した小島、研修生から昇格した大坪、オーディションを経て加入した杉山。それぞれ異なる道を歩んできた3人が、新たなBEYOOOOONDSの未来を担う存在として紹介された。

    東京都出身の22歳・小島はなは、「一つひとつのステージを大切に、私らしく頑張りたいなと思います。よろしくお願いします」と挨拶。続いて、神奈川県出身の中学3年生、14歳の大坪茉乃は、「目指すはステージの一番星。真のスマイルで頑張ります。よろしくお願いします」と意気込みを語った。さらに、神奈川県出身の中学2年生、13歳の杉山結菜は、「自分らしく、皆さんに魅力が伝わるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします」と笑顔でコメントした。

    3人の挨拶を受け、メンバーは「こんな素敵な3人がBEYOOOOONDSの仲間に加わりました。それぞれがキラキラと輝いて、BEYOOOOONDSに新しい色をつけてくれると思います」と歓迎。会場からは温かい拍手が送られた。

    続いて披露されたのは、「2017〜2025 タイムリープメドレー」。BEYOOOOONDS結成前夜から現在に至るまでの歩みをたどるように、2017年の「誤爆〜We Can’t Go Back〜」を皮切りに、2019年「文化祭実行委員長の恋」、2020年「ビタミンME」、2022年「虎視タンタ・ターン」「循環」、2023年「求めよ…運命の旅人算」、そして2025年「恋する私は無重力」までを立て続けに披露した。

    年代ごとの楽曲が次々と紡がれていくステージは、単なるメドレーではなく、グループが積み重ねてきた時間そのものを映し出すような演出。メンバーそれぞれの成長や変化、そしてBEYOOOOONDSが歩んできた歴史が凝縮されたひとときとなり、客席からは大きな拍手が送られた。まさに過去から現在へと続く軌跡を体感させる、エモーショナルなステージだった。

    「ここでぶち上がっていきましょう!」という煽りが飛び出したかと思えば、「ぶち上がる……?」と首をかしげるような流れから、「これ、ヒレカツじゃない!」「これ、ミンチカツじゃない!」「これ、食品サンプルじゃない!」と畳みかけるおなじみの「三段オチ」が炸裂。さらに「はー、ムカつく!」の合図とともに「ハムカツ黙示録」へとなだれ込む。予測不能な展開とシュールな笑いを音楽へと昇華させる、まさにBEYOOOOONDSの真骨頂といえる場面だった。

    続く、「恋愛奉行」では初代恋愛奉行の高瀬くるみから、清野桃姫へのニ代目恋愛奉行への襲名披露も。ライブはさらにブレイクを挟むと、スペシャルゲスト、DJ KOOが登場。まさかの生出演に会場が熱気で揺れる。そしてライブは「最KOO DE DANCE」「ニッポンノD・N・A!」の2曲をコラボレーション。世代やジャンルを超えて観客を巻き込むBEYOOOOONDSらしい祝祭感が横浜アリーナを包み込んだ。

    そして本編ラストを飾ったのは「アツイ!」。グループの現在地を象徴するような熱量に満ちたパフォーマンスで、本編は幕を閉じた。

    アンコールでは、高瀬くるみのメンバーカラーであるミントグリーンのペンライトが会場を埋め尽くすなか、卒業セレモニーが行われた。

    高瀬が自身のラストステージに選んだ卒業ソングは、1stアルバム収録曲「伸びしろ~Beyond the World~」。グループ名にも通じる「Beyond」を冠し、既成概念を超えながら歩み続けてきたBEYOOOOONDSを象徴する一曲だ。未来への希望を歌うその歌声は、会場に集まった観客一人ひとりの胸に深く響いた。

    楽曲の終盤には、メンバーから高瀬へ向けたはなむけのメッセージが送られる。卒業という節目の場面でありながら、しんみりとした空気だけでは終わらないのがBEYOOOOONDSらしさ。随所に笑いを交えたコミカルな言葉の数々に会場は温かな空気に包まれ、互いへの深い愛情と信頼関係が伝わる感動的な時間となった。

    高瀬は、「高瀬くるみに出会ってくれて、支えてくれて、応援してくれて本当にありがとう。あなたがいなければ、あなたの存在がなければ、今の私はここにいません」と感謝を伝える。

    そして、「これから先、どんなに大きな壁が目の前に現れても、ここで得た学びと経験、そしてみんなにもらった自信があればきっと大丈夫」と力強く語り、「関わってくれた、愛をくれたすべての皆さんに恩返しをしていけるように、自分らしく挑戦しながら一歩一歩歩いていきたいと思います。自分にも、もっともっと伸びしろがあると信じて」と今後への決意を表明。最後には、「だからこれからも一緒に頑張ろうね」と呼びかけ、「大好きだよ」とファンへの思いをまっすぐに届けた。

    続く「会いにいこう(BEYOOOOONDS Ver.)」では、別れだけではない未来への希望を描き出す。そして最後の「ありがとビート」では、ステージ上のメンバーと客席がひとつになり、感謝の気持ちを共有し、このライブを「ありがとう」で締めくくった。

    高瀬くるみの卒業、新メンバー3人の加入、そして初の横浜アリーナ単独公演。この日、BEYOOOOONDSはひとつの物語に区切りをつけながら、新たな物語の幕を開けた。笑って、泣いて、驚いて、また笑う。そんなBEYOOOOONDSらしい「やさしい世界」が詰まった横浜アリーナの夜。ひとつの時代に幕を下ろしながらも、その歩みは決して止まらない。BEYOOOOONDSはこれからも、誰も見たことのない景色を目指して、まだまだその先へ進んでいく。

    取材&文 : ニシダケン

    HP http://www.helloproject.com/beyooooonds/
    X https://twitter.com/BEYOOOOONDS_

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