雨の日スナップのすすめ~身近な公園へ行ってみよう

    【この記事の目次】
    はじめに

    普段晴れているときに写真を撮ることが多いと、雨の日にスナップにでかけるのは少し面倒と思ってしまいますが、まもなく梅雨。アジサイなど雨が似合う花も咲くシーズンになるので、この機会に雨の日スナップの魅力を探ることしました。
    街や夜景よりもっと身近なところ、気軽に雨の日も撮ることができる公園でスナップを楽しむコツを紹介します。

    機材はフットワーク重視で

    機材はミラーレスカメラ+レンズ1本がフットワークよく理想的です。今回は掲載の都合上、Nikon Z8+広角ズームレンズ、Nikon Z50II+標準ズームレンズ、FUJIFILM X-T5+単焦点レンズのバリエーションで、いざ公園へ!

    ゆっくり歩いて五感に響く被写体を探そう
    ■撮影機材:Nikon Z50II + NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR
    ■撮影環境:絞り優先F10・1/80s・+0.3・ISO6400・WB曇天

    公園の入り口を立つと人気がなく、雨の音だけが響いています。アスファルトや石畳はぬれて凹凸や色が浮き彫りになり、地面には大きな水たまりができていて、雨が落ちた瞬間に輪の模様が次々と現れます。導線がある道の形もおもしろく、普段気づかないところに目を向けられるのが雨の特別感のはじまりでした。

    カメラ用レインカバーの選び方のコツ

    カメラ用のレインカバーを付けると雨を避けられるので安心です。使い捨てできる簡易的なビニール製、レンズにかけてカメラをくるむタイプやホットシューに取り付けるタイプなど種類は様々。わたしはthinkTANKとmi-naのレインカバーを使っています。自分が使う機材のサイズ感に合わせて選ぶのが大切ですが、三脚で使うか、手持ちで使うかも重要なポイントです。三脚向きのカバーは覆う範囲が大きいので、スナップではコンパクトなものを選ぶと使いやすくなります。

    雨の日は色や形のコントラストに注目
    ■撮影機材:Nikon Z50II + NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR
    ■撮影データ:絞り優先F4.5・1/125s・-0.3・ISO320・WB自然光オート

    公園内を進むと小川のようなせせらぎに鯉が泳いでいました。人がいないせいか、すぐに近寄ってくるのでいい感じの瞬間が狙えます。餌がなくごめんね・・・。枝は雨の重みで下がり、木々の葉はしっとりと色鮮やか、雨の風景は雨そのものがわからなくても、ぬれた色から気配を感じとる描写になります。晴れた日は光、雨の日はコントラストに注目すると風情のある写真が撮れそうです。

    ■撮影機材:Nikon Z50II + NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR
    ■撮影環境:絞り優先F2.8・1/1000s・-0.3・ISO1000・WB電球

    池を見下ろすと水紋と横切る鯉で変化し続ける水面が不思議に見えました。形がくっきり浮き出るようにシャッタースピードを速く、ホワイトバランスを電球に設定してブルーに。実際は茶色い感じの水面ですが、リアルよりイメージの色で描写すると幻想感を増すことができます。

    公園の東屋で機材チェック&撮れ高アップ

    公園内に東屋があったので入りました。屋根があるので、濡れたカメラバッグや機材などを拭いて気分もリセット。レインカバーを付けていても雨は跳ねるし、レンズフードや保護フィルターに水滴がついていることがあるので、時々このような場所で機材チェックをするのがおすすめ。雨を拭くためのタオルや、それを入れるビニール袋なども持ち歩くと便利です。

    ■撮影機材:Nikon Z8 + NIKKOR Z 17-28mm f/2.8
    ■撮影環境:絞り優先F10・1/1000s・-1.3・ISO1800・WBオート1・クリエイティブピクチャーコントロール ピュア

    池の周りで鯉にえさをあげている親子と出会いました。写真を撮っていいですか?声をかけてから、手の動きをシャッタータイミングに遊んでいる様子をスナップ。東屋は眺めのよい場所にあることが多いので、実は撮れ高アップのフォトスポットです。雨にぬれず全体を俯瞰したアングルで撮ることができました。

    水滴で雨を表現する
    ■撮影機材:FUJIFILM X-T5 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
    ■撮影環境:絞り優先F2.2・1/1000s・+0.7・ISO400・WBオート

    目線をあげて濡れた紅葉を大きく捉えると水滴がたくさんついて瑞々しく、花から雫が今にも落ちそうです。マクロレンズ持ってくればよかったと少し頭をよぎりましたが、今あるレンズで楽しむのがスナップ道です。紅葉に張りがあり、背景が明るく、雫の透明感が強調できる場所を見つけてスナップ。雫のままもキレイですが、落ちる瞬間や雨が弾く瞬間も狙えたらドラマティックになりそうです。

    ■撮影機材:FUJIFILM X-T5 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
    ■撮影環境:絞り優先F1.8・1/500s・+1.3・ISO400・WBオート

    蜘蛛の巣に絡んでいた落ち葉を雨の中で眺めると、まるでネックレスのように見えました。雨の日は時間がゆっくり流れるようで、普段見過ごしがちなところも見立ての感覚で楽しい発見に変わります。心の目を鍛えられるかも笑。

    雨上がりはリフレクションとキラキラ輝く雫を見つける
    ■撮影機材:Nikon Z50II + NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR
    ■撮影環境:絞り優先F16・1/50s・-0.3・ISO6400・WB自然光オート

    次第に雨が弱まり、いつの間にか雨上がり。太陽もでてきて周りの風景は光で一変しました。道を縁取るようにできた水たまりには新緑が映りこみ、空気も爽やか。雨のときは水紋を描き、雨上がりは水鏡に。どちらも美しい輝きがあります。

    ■撮影機材:Nikon Z50II + NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR
    ■撮影環境:絞り優先F2.8・1/1250s・+1.7・ISO280・WB晴天

    バラを見ると水滴が花びらに残っていてキレイ。雨が降っているときは花全体が色濃くしっとりした描写でしたが、雨上がりは花びらに残る大きな雫が美しいアクセントになり、斜光で狙うと立体感を強調することができます。

    ■撮影機材:Nikon Z50II + NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR
    ■撮影環境:絞り優先F2.8・1/125s・ISO125・WB自然光オート

    歩いていくと目の前に大きな水たまりがありました。すぐそばで屈みこみ、自分の影が映り込まないアングルからのぞくと青空と新緑の木々が広く映り込んでいました。大雨のあとにできるご褒美スポットです。絞りをあけて反射のない地面や水面に浮かぶ落ち葉をボカして重ねて撮り、撮った写真を180度回転させると不思議な光景になります。見たまま撮るのもいいけれど、時にはこのような撮り方も楽しいです。

    ■撮影機材:FUJIFILM X-T5 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
    ■撮影環境:絞り優先F2.5・1/1100s・+1.3・ISO400・WBオート

    丈が短く細長い葉が密集しているところに、雫がたくさんのっているのを発見。逆光のアングルで少し奥の葉にピントを合わせると、無数の雫が玉ボケになりました。キラキラ眩しい感じに撮れてうれしい。雨があったから出会えた美しい光景です。

    まとめ

    豪雨から雨上がりのロケでは、公園の景色はしっとりと色を深め、雨音に包まれた世界が、やがて陽の光を受けて瑞々しくきらめきはじめました。晴れた日には出会えない一瞬の表情に、雨の日ならではの魅力を感じます。

    雨の日は、ぜひカメラを持って公園へ。人影の少ない静かな園内を歩けば、見慣れた風景もどこか新鮮に感じられ、意外な発見や出会いに雨でよかったと思えるぐらいになるのが不思議。いつもよりゆっくり時間をかけて宝探しの気分で歩くと、雨スナップはいっそう楽しくなると思います。

     

     

    ■写真家:ミゾタユキ
    猫や日常、旅先でみつけた情景を作品として撮り続け、近年では2023年Nikon THE Galleryで「Pastel~夢をめぐる」、2024年FUJIFILM HoP Galleryで「Time to cross」個展を開催。カメラ誌やWEBでの執筆、カメラメーカーのセミナー講師、フォトコンテストの審査などを通じて写真の楽しさを伝える活動にも携わる。著書「カメラでパチリ へやねこ そとねこ」、共著「美しいボケの教科書」など多数。

    撮影会&web講評「フォトプラネッタ」主宰
    ニコンカレッジ講師
    FUJIFILMメタバースHouse of Photographyアンバサダー
    日本作例写真家協会会員【JSPA】

     



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