
カイ・ラファエル・ネセルラート「カルヴェン」新デザインディレクター CHARLIE DE KEERSMAECKER/COURTESY OF CARVEN ©︎FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
「カルヴェン(CARVEN)」は、新たなデザインディレクターとして、「サンローラン(SAINT LAURENT)」のカイ・ラファエル・ネセルラート(Kai Raffael Nesselrath)=ヘッドデザイナーを任命した。4月に米「WWD」が情報筋の話として報じていた。同氏は、今秋開催の2027年春夏パリ・ファッション・ウイークでデビューコレクションを披露する予定。
「サンローラン」に約10年在籍
ネセルラート新デザインディレクターは、イタリア生まれでドイツ系のルーツを持つ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(Central Saint Martins)と国立ローマ美術学院(Accademia di Belle Arti di Roma)で学び、2015年に服飾専門学校ポリモーダ(POLIMODA)を卒業。16年に「シャネル(CHANEL)」に加わり、オートクチュール部門のイベント制作やウエアのデザイナーアシスタントを務めた。同年10月、ウィメンズウエアショーのジュニアデザイナーとして「サンローラン」に入社。19年には同部門のデザイナー、23年には同シニアデザイナーに昇進し、24年9月からヘッドデザイナーを務めていた。
「カルヴェン」は1945年にクチュールメゾンとして創業
「カルヴェン」は、1945年にマダム・カルヴェンことマリー・ルイーズ・カルヴェン(Marie-Louise Carven)が、オートクチュールメゾンとしてパリで創業。自身のように小柄な女性が美しく着られるよう、優れたカッティングと着心地のよさを追求し、モダンでエレガントな作風を確立した。93年、84歳で引退。その後もクチュールは継続していたが、2009年にギョーム・アンリ(Guillaume Henry)がクリエイティブ・ディレクターに就任したことを機に、コンテンポラリーブランドとしてアップデート。以降、クリエイティブのトップは何度か変わっており、最近では23年2月から25年1月までルイーズ・トロッター(Louise Trotter)が率いていたが、同氏は「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。これに伴い、同年3月からマーク・トーマス(Marc Thomas)前デザイン・ディレクターがクリエイティブを手掛けていたが、26年4月2日に「ほかの機会を追求するため」に退任した。
なお18年には、「カルヴェン」を上海のアイシクル・ファッション・グループ(ICICLE FASHION GROUP、現ICCFグループ)が買収。26年4月には、ケリング(KERING)がICCFの少数株式を取得している。
CEOとネセルラート新デザインディレクターのコメント
ショーナ・タオ(Shawna Tao)=カルヴェン最高経営責任者は、「カイを迎えることができ、とてもうれしく思う。現代において、世界に対する新世代の視点は特に重要だと感じる。『カルヴェン』のエッセンスは創業者のフレッシュで勇気のあるスピリットであり、カイはそれを解釈して表現する独自の能力があると確信している」と語った。
ネセルラート新デザインディレクターは、「軽やかな気持ちと楽観性を持って、この役割を引き受けた。私は呼吸を促す服、空間、対話が大好きだ。マダム・カルヴェンの価値観を継承できることを光栄に思う。私を信頼してくれたショーナと、これから彼女と共に歩む旅に深く感謝する」と述べた。
