東京都渋谷公園通りギャラリー(東京都渋谷区)で、「心の声をきく わたしを生きる術(すべ)」が6月27日から開催されます。
「ご自愛」や「セルフケア」など自分をいたわり、気にかけることへの関心が高まっています。本展では、その一つの方法として「心の声をきく」ことに焦点をあて、自然との関わりや日常のなかで紡がれる表現、自分自身の心地よさをもとに、自分自身と向き合うように制作する、アール・ブリュットと現代美術の作家4名が紹介されます。
心の声をきく わたしを生きる術(すべ)
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室1・2
(東京都渋谷区神南1-19-8 渋谷区立勤労福祉会館1F)
会期:2026年6月27日(土)~8月30日(日)
開館時間:11:00~19:00
※夜間特別開館:8月の金曜日(7,14,21,28日)は21時まで開館
休館日:月曜日(7/20は開館)、7/21
観覧料:入場料無料
アクセス:JR渋谷駅ハチ公口から徒歩約8分
詳細は、展覧会ウェブサイトまで。
アール・ブリュット作家と現代美術作家による「セルフケア」に通じる多様な表現
「セルフケア」をテーマに、描く動作を楽しむことから生まれる円環や点・線のドローイング、木漏れ日など日常の中の風景を映し出す映像インスタレーション、決まった形式であるがゆえに日々の小さな変化が現れる日記、エッセイや写真を通して自身と向き合う過程を綴った作品など、鑑賞していて心地よさが感じられる作品、日常を省みるきっかけをくれる作品に焦点が当てられます。マインドフルネスやジャーナリングといった、セルフケアにまつわる実践にも通じる作品は、鑑賞者に、自分をいたわり「心の声をきく」ための新たな視点をもたらします。
渋谷の喧騒を離れ、ゆっくり自分と向き合う展示空間
丸みを帯びた什器やカーテン等で空間を仕切り、やわらかな雰囲気のなかで、ゆっくり過ごせる空間づくりをします。各展示室にはベンチを設置。座りながら、時間をかけて作品を見るもよし、物思いにふけるのもよし。展示室で過ごすひとときが、渋谷の喧騒を離れ、やすらぐ空間で自分と向き合う時間となりそうです。
出展作家紹介
稲田萌子 INADA Moeko
1985年、京都府生まれ。2003年より、クラフト工房La Mano(東京都町田市)に所属。色鉛筆のこすれる音や感触を楽しむように、時に童謡を口ずさみながら、ゆったりとしたリズムに身を任せるようにして円や線を描く。その時々の好きな動きをもとにした、稲田の感覚的な心地よさによって生まれる作品は、まるで繭のような柔らかさと光をたたえている。

植本一子 UEMOTO Ichiko
1984年、広島県生まれ。現在、東京都を拠点に活動。2003年、キヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞し、写真家としてのキャリアをスタートさせる。2013年より自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げ、一般家庭の記念撮影をライフワークとしている。写真家としての活動のほかに、自らと実直に向き合うように綴られた日記やエッセイを多数発表している。

志村信裕 SHIMURA Nobuhiro
1982年、東京都生まれ。現在、千葉県香取市を拠点に活動。武蔵野美術大学大学院映像コース修了。身近な日用品や風景を題材とした映像インスタレーションをはじめ、その場所の歴史や記憶を浮かび上がらせるサイトスペシフィックな作品を数多く手がける。近年はドキュメンタリーの手法を取り入れ、見落とされてきた社会問題や歴史に焦点をあてる映画/映像作品を制作している。

吉田雅美 YOSHIDA Masami
1982年、東京都生まれ。社会福祉法人しらかばの会たてしなホーム(長野県北佐久郡立科町) で工芸班に所属。工芸班の活動の時間には、好きな文章の朗読を行う。また、日記を書くのが幼少期からの習慣という吉田は、食事や作業の後、自身の行動をノートに記録する。日記には、その日にあったことや食べたものについて記されており、吉田の日常が浮かびあがってくるものである。

日々の忙しさや周囲の喧騒に追われていると、自分自身の本当の気持ちや身体の疲れに気づくことが後回しになってしまいがちです。本展「心の声をきく わたしを生きる術(すべ)」は、まさにそのような現代を生きる私たちに、「自身の欲求や衝動を素直に受け入れ、心の声をきくこと」の大切さをそっと語りかけてくれる貴重な機会となるでしょう。4名の作家がそれぞれの日常や感覚から紡ぎ出した、心地よくも深い表現に存分に身を委ねてみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)
