人の心の揺れや、言葉にならない感情を丁寧に描いてきた脚本家・兵藤るりさん。『就活生日記』(2020年・NHK)で脚本家デビュー後、『マイダイアリー』(2024年・ABCテレビ/テレビ朝日系)で第43回向田邦子賞を受賞するなど、近年注目を集めている。
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現在放送中のTBS火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』でも、子育てを卒業した主人公・待山みなと(演:永作博美さん)が“第二の人生”に踏み出していく姿を通して、「自分はこれからどう生きるのか」という普遍的なテーマを問いかけている。
一方で本作には、シリアスな人生ドラマだけでは終わらない“笑い”の要素もちりばめられている。兵藤さんに、“人間ドラマ”と“笑い”を共存させる脚本術から、自身が大切にしている“言葉”への向き合い方まで、話を聞いた。
■“誰かに分かってほしい”を描く――兵藤るりさんが大切にした「共感」
兵藤さんは、本作の軸について「子育てを終えた女性が主人公ではありますが、第二の人生を自分のために生きるのか、誰かのために生きるのか、どういうモチベーションで生きていくのかというテーマは、どの世代にもあると思っていました」と語る。
今回、特に大切にしたのは、“共感”だったという。
「自分の経験だけではなく、周りの方々の心に残っているエピソードを脚本に落とし込むことで、より多くの共感につながるのではと思っていました」
制作陣や、主人公と同じような立場の女性たちへの取材からも、多くのヒントを得た。
「一人の時間ができても、“どうしよう”と立ち止まってしまうことは、すごくあるんだなと感じました」と、リアルな声が生かされている。
第5話で描かれた“子どもの嘘”を巡る会話も、制作陣から聞いた実際の子育てエピソードがもとになっているという。
また、みなとの息子・渚(演:中沢元紀さん)と、親への反発心を抱える森蒼斗(演:山時聡真さん)の関係性についても、「二人とも、自分の好きなことに向かって頑張っている姿勢は同じ」と語る。
