キコ・コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)は、2026-27年秋冬メンズコレクションを発表した。

    物語性からの離脱 キコ・コスタディノフ 2026-27年秋冬コレクション - 幾何学と歪みで導くフォルム|写真11

    近年は、特定の着用者像や物語性を伴ったアプローチを展開してきたキコ・コスタディノフ。今季は、そうした枠組みから一歩距離を取り、衣服そのものの成り立ちへと視線を移した。幾何学的な構成を基盤に、わずかな歪みを織り込んだウェアが展開される。

    幾何学に潜むわずかな歪み キコ・コスタディノフ 2026-27年秋冬コレクション - 幾何学と歪みで導くフォルム|写真3

    たとえば、直線的なパターンで組み立てたトップスやパンツは、フロントを斜めに横切る布地によって前面に非対称な面が生まれ、シルエットの輪郭が緩やかに歪む。幾何学的な骨格を保ちながらも、着用した時に表情が変わるのが特徴だ。

    こうした構造の背景には、オランダの建築家であり修道士でもあったドム・ハンス・ファン・デル・ラーンの思想がある。彼が独自に考案した数学的比例体系に基づく建築や制服からの影響が、本コレクションの構築的アプローチに見て取れる。

    幾何学から導かれるディテール キコ・コスタディノフ 2026-27年秋冬コレクション - 幾何学と歪みで導くフォルム|写真2

    ディテールにおいても、その構造的なアプローチが引き継がれている。胸元に配された菱形のモチーフは、コレクション内で繰り返し現れる要素のひとつであり、直線的なラインに変化を加える役割を担う。

    キコ・コスタディノフ 2026-27年秋冬コレクション - 幾何学と歪みで導くフォルム|写真35

    カラーブロッキングもその一例だ。斜めや曲線を描く色面の分割は、幾何学的なパターン構成を落とし込み、配色によって服の構造に目を向けさせている。

    カテゴライズを超える衣服 キコ・コスタディノフ 2026-27年秋冬コレクション - 幾何学と歪みで導くフォルム|写真29

    アイテムは、既存のカテゴライズに収まらない。プルオーバーとシャツの中間に位置するトップスや、スカートの要素を取り入れたトラウザーズなどがお目見え。あえてカテゴリーの境界を曖昧にすることで、ひとつの衣服に対して複数の解釈を含んだ構成となっている。

    クロックスとのコラボレーションも キコ・コスタディノフ 2026-27年秋冬コレクション - 幾何学と歪みで導くフォルム|写真21

    また、ショーの随所にちりばめられたコラボレーションアイテムも見逃せない。フットウェアではクロックス(crocs)とのコラボレーションとして、ミニマルかつ建築的なシューズを製作。ウィッグアーティストの河野富広によるカラーウィッグバンドも取り入れられ、幾何学的なモチーフを強調する要素としてスタイリングに組み込まれていた。

    Share.

    Comments are closed.