細見美術館(京都市左京区)で、「水の情景、涼へのいざない」が6月13日から開催されます。
季節のうつろいに寄り添い、変幻する自然との交感こまやかな日本人の感性は、美術工芸においても主題や意匠に、また技法や素材を駆使して、多彩な表現を生み出してきました。本展では細見コレクションを中心に、水辺の景色やそこに暮らす人々を描いた絵画、水の意匠をもつ工芸作品のほか、水を想起させ、涼を呼ぶ作品を紹介します。水と共に生き、育まれた感受性の伝統を体感し、暑さを凌ぐひとときが堪能できる機会となるでしょう。
また、本展期間中、毎週火曜日には同館地下2Fの「JAKUCHU CAFÉ」で季節の生菓子とお抹茶がいただけるイベント「MATCHA TUESDAY at JAKUCHU CAFÉ」も開催されます。展示を鑑賞したあと、カフェでほっと一息つきながら、初夏の涼をゆったりと味わってみてはいかがでしょうか。
水の情景、涼へのいざない
会場:細見美術館(京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
会期:2026年6月13日(土)~8月2日(日)
開館時間:午前10時~午後5時
※会期・営業日時等を変更する場合あり。最新情報はWEBサイトを要参照
※事前予約不要。混雑時は入場待ちの可能性あり
休館日:毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
観覧料:一般1,800円 学生1,300円
アクセス:
地下鉄東西線 東山駅より徒歩約7分
市バス 岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前より徒歩約2分
詳細は、細見美術館公式サイトまで。
本展での主な出品作品をご紹介
青木木米 《富士望見図》 文政7年(1824) 細見美術館蔵
富士山を望む広やかな水辺の景。擦れた線描の面白さ、水墨の濃淡による艶やかな賦彩は、木米画特有の躍るようなおおらかさに満ちています。
梅隠 《鴛鴦図》 室町時代 細見美術館蔵
瑞鳥として知られる鴛鴦の姿が丁寧に描かれています。岩に打ち寄せる波のしぶきや背景の霧に煙る木立など筆墨表現は変化に富んでおり、画面に奥行をもたらしています。
池田孤邨 《江戸近郊八景図画帖》より「芝浦晴嵐」 江戸後期 細見美術館蔵
縦7cmほどの小さな画面に、江戸近郊の名勝8か所を描いて画帖に仕立てたもの。各図は歌川広重の「江戸近郊八景」より構図を借りており、当時の風景画の人気の高さが伝わります。
尾形光琳《宇治橋図団扇》 江戸中期 細見美術館蔵
金地の団扇に直線的な橋を配し、銀泥で渦巻く水流を描いています。「光琳水」と呼ばれた水流の意匠、金と銀との組み合わせによって簡潔にして大胆な構成をみせています。
《柳に燕雀水葵沢瀉文様縫箔》 江戸中期 細見美術館蔵
水浅葱繻子しゅす地に柳と芦を金箔で摺り表わし、刺繍で肩と袖には燕と雀、裾には水葵と沢瀉を表わした能衣装です。初夏の水辺に集う花鳥が舞うような動きをもって配されています。
《蛤形蒔絵硯箱》 江戸前期 細見美術館蔵
蛤を三つ並べ合わせた形の硯箱。蓋には「梅と鶯」「海松みる」「雲形」をそれぞれ表わし、側面には浜松に帆舟を描く「住吉」や「柳に鴛鴦」「網代」「楼閣」といった図様を廻らせています。
岡田一郎《横断する眺望》のリニューアル公開にも要注目
岡田一郎 《横断する眺望》 (部分) 2002年
本展の開幕日以降、岡田一郎によるサウンドインスタレーション作品《横断する眺望》がリニューアル公開されます。本作は、現代美術イベント「HOSOMI TO CONTEMPORARY 000 -READYSTARTED 」(2002)に出品された作品で、美術館 屋外スペース(無料エリア)に設置されています。疏水施設の国宝・重要文化財指定を受け、本展の開催を機に修復が行われました。美術館のそばを流れる琵琶湖疏水の古地図から、疏水の水中で採られた音が響きます。開館時間中は自由に鑑賞できます。
会期中の注目イベント「MATCHA TUESDAY at JAKUCHU CAFÉ」

また、本展期間中にぜひ立ち寄りたいのが、細見美術館地下2階「JAKUCHU CAFÉ」で毎週火曜日に開催されるイベント「MATCHA TUESDAY」です。この日は、季節の和菓子と「一保堂」のお抹茶を楽しむことができます。鑑賞の余韻を振り返りながら、涼やかな一服を味わってみてはいかがでしょうか。
開催日:6/16(火)、23(火)、30(火)、7/7(火)、14(火)、22(水)、28(火)
時間:午前11時~午後4時(L.O.午後3時30分)
会場:JAKUCHU CAFÉ (細見美術館地下2階)
提供メニュー:季節の生菓子とお抹茶 1,400円
※数量限定。なくなり次第終了
※詳細・今後の開催日程は、公式Xにて随時告知予定。
JAKUCHU CAFÉ 内観
また、7月は亀廣永製「したたり」をはじめ、祇園祭にちなんだお菓子が提供されます。冷抹茶とあわせていただくのもおすすめです。(※生菓子の内容は、当日に公式Xで告知)
亀廣永製「したたり」
本展では、細見美術館が誇る充実のコレクションから、水辺の美しい情景を描いた絵画や、涼やかな水をモチーフにした繊細な工芸作品など、涼やかな名品の数々が一堂に会します。初夏の訪れとともに、涼を呼び起こす水のアートに囲まれながら、水と共に生き、育まれた日本人ならではの感受性を体感してみてはいかがでしょうか。季節の和菓子と「一保堂」のお抹茶がいただける期間限定イベント「MATCHA TUESDAY」も楽しみです。(美術展ナビ)
