水野 泰志

    メディア激動研究所 代表

    画面は「NHK ONE」のQRコードでいっぱい

    NHKの番組を見ていると、必ずと言っていいほど画面に現れるQRコード。


    「もう一度見るにはこちら⇒」「見逃し配信はこちら⇒」などの説明がつく。ニュースに至っては放送中ずっと「最新ニュースはいつでもアプリで▼」と、QRコードに誘導する表示が出っぱなしだ。


    NHKの新しい統合ネットサービス「NHK ONE」のPRである。


    だが、「これでもか、これでもか」と出てくるQRコードは、番組を見ている者にとっては、うっとうしい限りでもある。


    NHKが悲願としていたネット事業の必須業務化が昨秋に実現し、満を持して登場した「NHK ONE」がスタートして半年余り。NHKの新ネットサービスを、ユーザーの目線からチェックしてみたい。


    折りしも、総務省は、情報通信審議会(総務大臣の諮問機関)に、NHKの業務見直しをはじめネット配信時代のテレビ局のあり方など、テレビ離れが進み岐路に立つ放送界の将来を見据えた抜本的方策の検討を諮問したばかり。


    ユーザーの視点なくして、放送界の将来は語れない。


    記者会見するNHKの井上樹彦次期会長=2025年12月9日、東京都渋谷区

    写真=時事通信フォト

    記者会見するNHKの井上樹彦次期会長=2025年12月9日、東京都渋谷区


    旧アプリより使い勝手の悪い設計

    「NHK ONE」の全体像を、従来の「NHKプラス」などと比較しながら、順に検証していく。


    まず、概括的にいえば、一見、利便性が高まったように見えるが、目玉の「見逃し配信」を中心に使い勝手が悪くなった面を感じざるを得ない。一言で言えば、「ユーザーインターフェース(UI)に大いに難あり」と受け止めているのは筆者だけではないだろう。


    従来、バラバラに提供していた「NHKプラス」「NHK NEWS WEB」「NHKニュース・防災」などのネットサービスを、1つのプラットフォーム上でワンストップで展開できるようにしたのが「NHK ONE」だ。


    だが、あれもこれも詰め込みすぎて、かえってサイトの建付けが複雑になり、目的のコンテンツにたどり着くのに手間がかかるようになってしまった。


    「NHK ONE」の中核は、地上放送(総合テレビ・Eテレ)と同じ番組をネットで同時視聴でき、見逃し視聴もできる「新NHKプラス」であることは、言うまでもない。いつでもどこでも時や場所を選ばずに、また放送波でも通信ネットワークでも伝送路を選ばずに、同じ番組を視聴者に届けるところに、ネット事業の必須業務化の本質がある。


    一方、ニュースや災害・気象情報は、はるか以前からネットで提供しているもので、「旧NHKプラス」とは別のサイトで展開されていたものを「NHK ONE」のサイトやアプリで見られるようにしたにすぎず、いわば「プラスアルファ」のコンテンツでしかない。


    NHK関連アプリ

    撮影=プレジデントオンライン編集部

    「NHK ONE」などのアプリ



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