“3階建て相当の壁”が会場を囲む計画、観客層の意見を聞く機会を設けないのか
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2026.5.23(土)
時事・社会 芸術文化
解体されてガレキとなった野音(2026年5月、筆者撮影)
東京都立日比谷公園では今、開園130周年に当たる2033年をめざして大規模な再生整備工事が進行中だ。多くの音楽ファンに親しまれてきた野外大音楽堂(通称:野音)も建て替えられることになり、すでにステージの駆体は完全に解体されてしまった。だが、市民グループから、この野音改築計画を疑問視する声があがっている。いったい何が問題なのか。
「普通の女の子に…」人々が持つ野音の記憶
ライブ音楽体験は、音楽と同時に場の体験でもある。音楽の記憶は、それが演奏された場の記憶と一体だ。キャンディーズの解散宣言(1977年)、尾崎豊が照明塔から跳び降りた骨折事故(1984年)等々、長く語り継がれてきた野音のエピソードは多い。たくさんの人が、それぞれに野音という場の大切な思い出を持っているに違いない。
解体前の日比谷公園大音楽堂=東京都千代田区(写真:共同通信社)
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私にとっては、1998年から毎年ここで開催されてきた「琉球フェスティバル」が、もっとも大切な記憶だ。もともと1974年にここで開催された沖縄民謡フェスティバルが、1990年代に蘇ったものだ。
ある年、八重山民謡の名人・大工哲弘が三線をぽつり、ぽつりと弾きながら、八重山の名歌「とぅばらーま」を朗々と歌った。その声が、夕暮れの空いっぱいに大きく広がっていったときの感動は忘れられない。野外ならではの開放的・解放的な体験だった。
だが、新たな野音では、この開放感・解放感が損なわれる心配がある。
野音入口付近はエレベーター設置などにより一新される予定だ。(2024年5月、筆者撮影)
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