読本に描かれた怪談や多様な幽霊たち

     同展の見どころのひとつは、様々な怪談を収めた読本で北斎が手がけた挿絵だ。非業の死を遂げた女性・お沢が祟りをなす怪談を主軸とした柳亭種彦(1783〜1842)による物語本『近世怪談霜夜星』(1806)や、地域の不思議な話や怪談を集めた随筆集、橘崑崙(生没年不詳)による『北越奇談』(1812)などが紹介される。 また、怪談の主役となることが多い幽霊についての作品も多数並ぶ。祟る幽霊や悲しむ幽霊など、様々な姿の幽霊を描いた作品が展示され、肉筆画である葛飾北斎の《生首》(18世紀)なども出品される。

    恐ろしくもユーモラスな妖怪

     同展では、怪談に頻繁に登場する妖怪の作品も多数展示される。『北斎漫画』(1814-78)に描かれた愉快なものから、人を食らう狒々のような恐ろしいものまで、北斎の描いた幅広い表現を紹介。会場では、河童、かまいたち、天狗、鵺、ろくろ首、鬼など、様々な妖怪を見ることができる。

    怪談師によるイベントやギャラリートークも開催

     会期中には関連イベントも企画されており、怪談師の夜馬裕を招いた「北斎館で怪談会」が映像ホールにて行われる。募集人数は先着40名で事前の電話予約が必要となる 。また、7月4日と7月19日には学芸員によるギャラリートークも予定されている。展覧会は会期中無休で開催される。

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