本日の登壇者として、株式会社IMAGICA GROUP 代表取締役社長・社長執行役員 グループCEOの長瀬俊二郎、そして今回のプロジェクト第2弾の審査員を務めた石川慶監督、市⼭尚三氏、坂野ゆか氏が紹介されました。
まず長瀬より皆様へご挨拶がありました。
「皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。株式会社IMAGICA GROUPの長瀬俊二郎です。
今回はオリジナル映画製作プロジェクトの第2弾の発表となります。昨年、第1弾の発表を行って以来、本当に多くの方々から大きな反響を頂戴いたしました。映画業界の皆様からは「素晴らしい試みだからぜひ続けてほしい」という力強い励ましのお言葉を頂戴し、また、応募してくださるプロデューサーや監督の皆様からも「1本と言わず、2本、3本と製作してほしい」といった嬉しいお声をいただいております。こうした機会を創出できましたことを、私自身、大変喜ばしく感じております。
そして第2弾を迎える本年は、新たに石川慶監督に審査員としてご参加いただくこととなりました。石川監督とは奇しくも同い年齢ということで、私も大変気合いが入っております。
本年も多数のご応募があり、企画内容も非常に素晴らしいものであったと報告を受けております。その詳細につきましては、この後、登壇者の皆様からお話しいただきますが、私たちも引き続き、良い作品を世に送り出せるよう全力を尽くしてまいります」と挨拶しました。
次に、石川慶監督は、「昨年の第1弾の発表もカンヌで拝見しており、個人的にも素晴らしいプロジェクトだと感じて「隙があれば自分も応募できないか」と考えていたところ、今回審査員のお誘いをいただきました。私も作り手として応募する立場にあるため少し悩みましたが、一人の作り手の目線から多様な企画を拝見し、国際映画祭へ送り出したい作品を選べるのは大変光栄なことだと思い、お引き受けいたしました。」と本プロジェクトに参加された思いについてお話しされました。続けて、「私は関監督が所属されていた監督集団「5月」の作品を『八芳園』からすべて拝見しており、個人的にも大好きな作家です。彼らの作品は映像の“形(フォーム)”の新しさが注目されがちですが、私は常に「役者の見せ方が素晴らしい」と感じており、その秘密を知りたいと思っていました。今回の企画は、そうしたフォームの新しさに加え、強力なストーリーとキャラクターの魅力が備わっています。これらが組み合わさった時にどのような映画になるのか、私自身非常に見たいと思いました。良い作品に仕上がれば、すぐにでも国際映画祭へ飛び立っていくポテンシャルを持った企画だと感じています」と、作品選定の理由を語りました。
市⼭尚三氏は、第1弾から見られた応募作品の変化について、「昨年も素晴らしい企画が多く寄せられましたが、普通に日本映画として作れば良質な商業映画になるものの、「国際映画祭を目指す」という本プロジェクトの趣旨には当てはまらず、初期の議論から外れてしまう企画が少なからずありました。しかし今年は全体のレベルが大幅に上がり、国際映画祭への展開が期待できる企画が非常に増えました。そのため、何度も脚本を読み返すなど議論に時間がかかりましたが、最終的に関監督の企画を選出いたしました。今回選ばれなかった中にも「ぜひ実現させるべきだ」と思える企画がいくつもあり、日本のインディペンデント映画界には非常に面白い企画が眠っていると実感しました。他の企画も、何らかの形で映画化されていくのではないかと期待しています」と、語りました。
続いて、坂野ゆか氏は、「私も市山さん同様、昨年に引き続き審査を担当いたしました。今回、二次審査のリストで関さんのお名前を拝見した際、12、3年前にカンヌ映画祭に選出された短編『八芳園』の頃からずっと活動を拝見していたため、大変驚きました。当時は5人での共同監督というユニークなスタイルで頭角を現していらっしゃいましたが、今回はお一人での監督作ということで、どのような物語なのか当初から非常に好奇心をそそられました。実際に脚本や企画内容を拝見すると、序盤から引き込まれ、不穏でスリリングな世界が展開されていました。さらに、社会や倫理観の危うさ、社会の暗部といったテーマが、関さんならではの視点で描かれています。これらが非常に完成度の高い形となっており、本プロジェクトの趣旨である「国際映画祭への出品および受賞」に対して、高いポテンシャルを持っていると審査員一同で確信いたしました」と語り、期待を寄せていました。
第2弾作品は、監督・脚本 関友太郎(株式会社ピクス)、プロデューサー ハンサングン(株式会社ピクス)による、『OUR SON』に決定!
関友太郎監督は、本作の企画が立ち上がった経緯について、「本作のアイデアは、今回のIMAGICA GROUPのプロジェクトを知ってから考えたものではなく、日頃から「次の映画」を模索する中で温めていたものです。
きっかけは、スマホで何気なく見ていたニュース記事でした。普段、ニュースから映画の着想を得ることは少ないのですが、「精子提供で子供を産んだ女性が、その子に愛情を注げなかった」という記事がずっと心に引っかかっていました。その背景にある、何か“ざらっとした手触り”を強く感じたのです。私がなぜそこに惹きつけられたかというと、作り手としても観客としても、そうした得体の知れないものや、恐怖を感じさせる表現に惹かれるからです。平穏な顔をした世の中に潜む不気味なもの、そしてそこから生じる緊張感のようなものが、映画的な表現につながるのではないかと思って書き進めた企画です。」
プロデューサーを務めるハンサングン氏は制作のきっかけについて、「関監督とは数年前に共通の知人を通じてドラマ企画でご一緒する機会がありましたが、当時はタイミングが合わず制作には至りませんでした。昨年から別のドラマを一緒に制作する中で、私が常々面白いと感じている「フィクションと現実のリアルな事象の融合」というテーマに対し、関監督の世の中の事象や事件に対する独自の着眼点や思考が非常に魅力的だと感じました。ぜひ、彼の持つストーリーを共に表現し、映画という形にしたいと思ったのが今回のきっかけです。
映画作りの最大の楽しさは、みんなで一緒に一つのものを創り上げることだと思っています。映画を作っている人、これから作りたい人にとって、このプロジェクトのような機会は非常に貴重で重要です。我々のグループ会社がそのチャンスを創出していることを誇りに思いますし、今日お忙しい中足を運んでくださった皆様の関心や期待もすべて含めて、これからの映画作りの原動力になっていくと感じています。必ず素敵なストーリーを映像化してお届けしますので、ぜひ完成を楽しみにしていてください」とメッセージを送りました。
また、記者会見後に実施されたガーデンパーティーでは、登壇者たちがリラックスした雰囲気の中でそれぞれの思いを語りました。長瀬は、同社の映画ビジネスのルーツにまつわる曾祖父のエピソードを披露。1910年に24歳でフランス・リヨンへ渡った曾祖父が数多くのフランス映画に魅了されたことが、日本での映画ビジネス参入や現像所設立の原点になったと明かし、「116年前に彼がフランスに来ていなかったら、今日の私たちはここにいなかったかもしれない」と、南仏という土地との深い縁を振り返りました。続いて石川慶監督は、日本映画界における「オリジナル作品」支援の重要性を熱弁。「自分がデビューする時にあってほしかったと羨ましく思うほど、映画作家にとって極めて重要で不可欠なプロジェクトだ」と、本プロジェクトの意義を称賛しました。最後に関監督とハン・サングンプロデューサーも、受賞作『OUR SON』の着想のきっかけや、世界へ挑むこれからの映画製作への熱い思いをそれぞれ語り、次世代のクリエイターを支援する本プロジェクトは、映画の祭典に沸くカンヌの地にて、盛況に幕を閉じました。
