映画によってもたらされる幸福感。
それは他に類を見ない特別な心の高揚だ。
そしてお菓子もまた、他に類を見ない特別な幸福をもたらしてくれる存在ではないだろうか。
『映画』と『お菓子』
そんな愛すべき2つを掛け合わせる事によって心に鳴り響く幸福の汽笛。
このコラムは、特定の映画に似合うお菓子を開発または発見し、それを味わいながら作品に触れる事で、登場人物や作品を、より理解したり、より幸福感を感じられるような『幸せの方程式』を見つけていこうというコラムだ。
現在ブリリア ショートショートシアター オンラインでは、世界最高峰のカンヌ映画祭に焦点を当て、過去の受賞・ノミネートを果たした珠玉のショートフィルムが特集配信されています。
今月の「映画とお菓子の方程式」もそれに合わせ、第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞、シンデレラストーリーの その先を描いた21世紀の ”アンチ・シンデレラストーリー”『アノーラ』。こちらの作品をお菓子とマリアージュ。
美しい新緑がそよ風でなびく5月。夏を意識し始める街。暖かい日差しを浴びて活力が増す心。そんな世間とは裏腹に、目覚ましのアラーム時刻は過ぎ、目覚めのコーヒーの2杯目でも目覚めない、ショボショボ目のまったりとした私のように、まったりとお読みいただけたら幸いです。
ー アノーラ ー

2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved
・あらすじ
ニューヨークでストリップダンサーをしながら暮らすロシア系アメリカ人のアニーことアノーラは、職場のクラブでロシア人の御曹司イヴァンと出会い、彼がロシアに帰るまでの7日間、1万5000ドルの報酬で「契約彼女」になる。パーティにショッピングにと贅沢三昧の日々を過ごした2人は、休暇の締めくくりにラスベガスの教会で衝動的に結婚する。幸せ絶頂の2人だったが、ロシアにいるイヴァンの両親は、息子が娼婦と結婚したとの噂を聞いて猛反発し、結婚を阻止すべく、屈強な男たちを2人のもとへ送り込んでくる。ほどなくして、イヴァンの両親もロシアから到着するが……。
ー 見どころ ー

2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved
恋は、ときどき花火に似ている。
打ち上がる瞬間はあんなに美しいのに、
消えるときには煙だけが儚く残る…。
主人公アノーラの人生は、ネオンの光のように、眩しくて騒がしくて少しだけ孤独だ。
そこへ現れた若い御曹司。
彼は彼女に、ひとときだけの“花火”を見せる。
高級ホテル、シャンパン、永遠みたいな夜。
そして勢いのまま2人は結婚へと発展する。
しかし現代版プリティ・ウーマン、アノーラのシンデレラストーリーのその先には、あまりにも煙たい物語が待っていた…。
人生には”失敗”がつきものだ。
ノーミスで人生を終えた人なんてきっといないだろう。
僕はどちらかと言えば人より多く失敗してきたと思う。たくさん恥ずかしい思いや悔しい思いをしてきたと思う。ダサい青春グランプリというのが開催されたならいくらか賞ももらえたことだろう。
そんな失敗ばかりの人生だからこそ学べたこともある。失敗そのものよりも、失敗の後どうするかが大切になってくるという事だ。
自分の行いを見つめ直し、反省し。その積み重ねはやがて成長に繋がり、心を、そして人生を豊かにしていくという事。
アノーラも夢の終わりに自分を拾い直し、魅力的な大人になっていくのではないだろうか。この映画で描かれたシンデレラストーリーのその先は煙たい物語でしたが、シンデレラストーリーのその先のその先にはきっと素敵な物語が待っているに違いない。
派手なのに、どこか切なく
笑えるのに、あと味は少し苦い。
飲みすぎた次の日の朝のような映画『アノーラ』をぜひ観てみてくださいね。
ー お菓子とマリアージュ ー

それでは今月はこの素敵な映画をお菓子にしてみましょう。
今回も”映画の余韻に包まれながら食べたい”というコンセプトだ。
さて、失敗から得るものがあると書きましたが、お菓子作りにおいても同じ事が言えるのです。
クイニーアマンという有名なお菓子があるのですが、実はこのお菓子は失敗から生まれた事をご存知でしょうか。
昔昔、あるところで、どなたかが、何かを作ろうとして失敗されました。(ちゃんと書けや)
偶然生まれたこのお菓子はとても美味しく、やがてたくさんの人から愛されることとなりました。
失敗からこんなにも素敵なお菓子が生まれたお話を、アノーラに、そして失敗をして悔やんでいる全ての人に知ってもらいたいですね。
そんなエピソードを心に宿しながら食べれば映画『アノーラ』の余韻を少しばかりハッピーな方向に膨らませる事ができるのではないでしょうか。
というわけで、
ほい!
ジャンジャガジャーン!
映画『アノーラ』の余韻を膨らませてくれるお菓子"クイニーアマン”の完成だ。

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そして、今月のBSSTO では世界最高峰のカンヌ映画祭に焦点を当て、過去の受賞・ノミネートを果たしたショートフィルムが特集配信されます。その中からおすすめ作品をピックアップ。

君の顔をまだ覚えているうちに / I am afraid to forget your face
〜2020年カンヌ映画祭パルムドール受賞
82日間の沈黙、最期に一度、君の顔に触れるまで〜
製作国:エジプト
ジャンル:ドラマ
上映時間:約14分
配信期間:2026/5/6~2026/8/6
【あらすじ】
82日間の別離の末、愛する人との再会を果たすため、アダムは険しい道のりへと旅立つ。たとえどんな困難が待ち受けていようとも、その想いだけを支えに前へ進む――愛と記憶、そして再会を信じるひとりの男の物語。
「想像を働かせたまえ。」まるでそう試されているようなストーリーを眉間にシワを寄せ精一杯追いかけながらも、写真を趣味としている監督ならではの写真のような美しいショットが時折心に安らぎをもたらす。アメとムチのバランスが心地よい(私は変態ではないが)胸に残る作品でした。ぜひご覧ください。
いかがでしたでしょうか。
今月も「映画とお菓子の方程式」をお読みくださりありがとうございます。

そして今年もまたこの季節がやってまいりました。いよいよ5月25日から世界各国の短編映画が堪能できる一大フェス、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2026が開幕!
世界中から集まった珠玉のショートフィルムの上映のみならず学びの多いトークやセミナーも開催されます。会場にもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
ここショートショートシアターオンラインも映画祭のサテライト会場として様々な作品が配信されます。合わせて楽しみましょう!
それではまた6月のダイスケおじさんの「映画とお菓子の方程式」でお会いしましょう。
