2026年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
2025年。大塚信一監督。20世紀末に世間を震撼させたあの連続殺人事件を下敷きに、28年経って市井で生きる元犯罪者に関わる人々を描く。「神」について思索する不思議なマンション管理人が元犯罪者と分かった後、関わっている少年に起こる変化とは。
思春期のある時に規格外の人間に出会うと感化されるが、それが社会的に認められることかどうかはまた別問題。規格外の善人にも規格外の悪人にもなる可能性がある。まずそれが一つ。
中学生のときに反抗に及んだマンション管理人と、シングルマザーの下で兄弟二人の兄である中学生は重ね合わされ、対比されている。マンション管理人に惹かれていく中学生は、マンション管理人の若き日の姿のように描かれる。一方はことを成してしまったことを反省している規格外の人間、かたや、これからことを成すことを妄想する発育途上の中学生。
元犯罪者がこの団地に住んでいるという噂の元で疑わしく描かれるのは、シングルマザーの家庭の隣の住人。鉈をもって学校を襲う妄想を抱いているらしきこの男は、元犯罪者と出会うと「お前を知っている」とつぶやく。ここでも、この二人は重ね合わされ、対比されている。一方は規格外の人間としての元犯罪者、かたや、妄想癖を抱きつつも犯罪を犯すところまでいかない、規格内のちょっとおかしな男。
あれかこれかが周到に配置されている生真面目な映画。あの事件への仄めかしが過ぎるきらいはあるが、リズムがよい。
POCA PON ポカポン
