ハルカミライとChilli Beans.。意外な組み合わせだと思っていた。2026年7月3日(金)に大阪・大阪城音楽堂で開催される『SOUND CONNECTION~SUNSET PARTY~』に出演する2組である。仄暗い感傷や友への感謝、音楽への愛おしさをも、どこまでも勇壮なサウンドと大腕を振って駆け回る歌声で塗り広げていくハルカミライと、肩をストンと落とした時みたいにナチュラルな佇まいをビタースウィートな旋律へするりと溶かしていくChilli Beans.。この濃厚なツーマンを盛り上げるべく、今回SPICEでは3対3の座談会を実施。日本語詞へのこだわりやコンセプチュアルな公演からの学び、そして当日実現したい企画まで、和気あいあいと語り合ってもらった。

橋本学(ハルカミライ/Vo)

橋本学(ハルカミライ/Vo)

「お洒落な雰囲気だけど、ちゃんと日本語を大事にしている。
そこは俺たちと近しい部分なんじゃないかな」

――2組は2025年にフェスでの共演も果たされていますけれど、ツーマンは今回が初めてということで。まずは、出会いについて教えてください。

橋本学(ハルカミライ/Vo):『ワイバン』(『WILD BUNCH FEST.』)が最初?

Maika(Chilli Beans./Ba.Vo):そうですね。『ワイバン』でお会いしました。

橋本:2022年の『ワイバン』に俺らが出演できなくなってしまって、その時に代打として出てくれたのがChilli Beans.だったんです。結局、イベント自体も台風で無くなっちゃったんですけどね。それで、次の年に「あの時はありがとうございました」って伝えにいったタイミングが初めての出会いだったかな。

Maika(Chilli Beans./Ba.Vo)

Maika(Chilli Beans./Ba.Vo)

須藤俊(ハルカミライ/Ba)

須藤俊(ハルカミライ/Ba)

須藤俊(ハルカミライ/Ba):ジェットセイヤ(go!go!vanillas/Dr) さんが紹介してくれて、その時に俺らとも結構話したよね。

関大地(ハルカミライ/Gt):あの日、結構飲んだよね?

Maika:……いや、そこまでではないかも。この前のフェスの時は、しっかりお話させてもらいましたけど。

関:あっ、俺が勝手に飲んでただけかぁ。 あと、別のバンドのメンバーと間違えて、初対面にもかかわらず、いきなり感想を聞いてしまったこともあって。

Maika:そう!本当の初対面はそれでした。でも、私たちのローディーをやってくださっている方とお知り合いなんですよね?

橋本:うん。専門学校の同級生なのよ。

Lily(Chilli Beans./Gt.Vo)& Moni​(Chilli Beans./Vo):えー、凄い!

Maika:そういうご縁もあったので、ハルカミライには共演する前から勝手に親近感を持っていましたね。

Lily(Chilli Beans./Gt.Vo)

Lily(Chilli Beans./Gt.Vo)

――実際、現場でもお互いのステージを観ているかと思うのですが、どういった音楽を鳴らしているバンドだと感じていらっしゃいますか。

須藤:『THIS FES ’25 in Sagamihara』で初めてライブを観たんですが、日本語がかなり多いなと。楽器だけ聴いていると洋楽っぽいお洒落な雰囲気だけど、ちゃんと日本語を大事にしていることが分かる。そこは俺たちと近しい部分なんじゃないかな。

橋本:すげぇ面白いことをやっているバンドだと思いますね。「そこを外してくるんだ!」みたいなメロディーがあるし、いわゆるR&B的なアプローチに女の子3人で挑んでいるバンドも少ないだろうし。

――なるほど。今言っていただいた日本語へのこだわりに関してはいかがです?

Moni​:日本語が日本語に聞こえないように曲を作りたいんですよね。日本人だから日本語は好きなんだけど……言葉が繋がるように意識しているというか。

Moni​(Chilli Beans./Vo)

Moni​(Chilli Beans./Vo)

――それは発音や発声の方法と密接に繋がっている部分なんですかね。

橋本:リズム遊び、みたいなことじゃないの?

Moni​​:そうです!何て言っているかハッキリとは分からないけれど、日本語であるという確信を持ってもらえるようにしていて。「遊びたい」って言葉だったら、次は「い」から始まる単語をひとまとまりにして歌ったりしています。

――母音を繋げることで英単語っぽく発音していくということですね。そういった作詞法に辿り着いたのはなぜだったのでしょう。

Moni​:伝わってほしくないなって思ったんですよ。……なんか、恥ずかしくて。シンプルに伝えるんじゃなくて、誰にも伝わらないように曲を作りたかったというか。最初は「何を言ってんの?」となったとしても、ちゃんと聴いたらメッセージが分かる。そういう歌詞にしたかったんです。最近はサウンドから浮かんできたイメージを、言葉にしている感覚なんですけどね。

――今お話いただいた歌詞の綴り方は、ハルカミライのそれとは違うのかなと思っていて。詞を考えるにあたって、どういった考えの下で言葉を選んでいるんですか。

橋本:実は、あまり考えてはいないんですよね。というのも、自分にとって普通のことを書けば、他人にとっては普通じゃないことになるから。だから、言葉を選んでいるわけじゃないんですが、「この言い回し、最高!」と思うことはあります。

――「ここは良いラインが書けたな」という手ごたえがある時と、ない時の違いは何だとお考えですか。

橋本:さっきMoni​ちゃんが言ってたように、思いをちょっと隠す方法を良い塩梅で実現できたかどうかだと思います。パッと見ただけでは「これはどういう意味なんだろう?」ってなるけれど、考えながら紐解いていけば「あぁ、めっちゃ良い」と思ってもらえる。その絶妙なバランスを突けたら良いのかなと。

須藤:昔から学の歌詞は、思いつきそうで思いつかない言葉なのが良いんですよね。難しい言葉を使っているわけじゃないのに、見たことのない表現になっているという。

関大地(ハルカミライ/Gt)

関大地(ハルカミライ/Gt)

関:歌の中で、いきなり具体的な歌詞が出てくるのも好きで。「満・地球の出」だと、Aメロで<免許証も保険証も 無くなってしまうのは当たり前に>と歌うんですけれど、「それを歌詞にするんだ」と思ったんですよね。実話なのかもしれないし、みんなが経験しそうなことでもある。そのバランスが凄いなって。

――平易なワードで確信の少し外側に触れるというか。もうひとつ伺いたいのが、「自分の普通が他者の普通じゃない」という話で。橋本さんは過去のインタビューで「みんなに分かる歌詞を書こうとしてしまっていた」とも語られていたと思うんですよ。そう考えると、「自分のことをそのまま書けば良い」と気付けたのは大きな変化ですよね。

橋本:でも、単純に30歳を迎えたことが大きかったかも。時間が経って、大きいところでライブをするうちに、良い意味で肩の力が抜けてきた。「ちょっとふざけちゃおう」みたいなことが年々できるようになってきたんです。

「ハルカミライは真っ直ぐで、優しくて、繊細。
そして、包容力のあるバンド」

Chilli Beans.

Chilli Beans.

――よく分かりました。Chilli Beans.から見たハルカミライの印象についても聞かせてください。

Maika:真っ直ぐで、優しくて、繊細。そして、包容力のあるバンドだと感じています。超パワフルなライブをしているのに、歌っている内容は繊細なんですよね。

Lily:同じこと思ってた。

須藤:俺たち、そこが良いところなのよ。

Maika:いや、でも本当にそうで。「リュミエール」も背中を押してくれるような歌詞なのに、音の世界はもっと強くて、広がりがあって。にもかかわらず、聴く人の居場所も用意してくれる、みたいな感覚もある。そこが凄いんです。

――その繊細さは何に由来するものなんですかね。

橋本:……どうなんだろうな、もともとの性格としか言いようがないんですよ。

Moni​:人情があるからじゃないですか? 人を大事にしている気がする。

橋本:そういうことらしいですわ。「俺、人情あるな」って思ったことはないけど、他の人からだとそう見えているのもおもろいですよね。

Maika:確かに。……やっぱり自分の普通って難しいな。「これはわざわざ言葉にする必要もないだろう」って思うこともあるけれど、自分の語彙と他の人の言葉は違いますもんね。その違いに気づけること自体が格好良いし、真っ直ぐ思いを書ける素直さも凄いなと。

橋本:「これが真っ直ぐだ」って思ってるのは、自分だけの可能性もあるし。

「突きつけられたものから得られる感動と自分で閃くことで得られる感動だと、圧倒的に後者の方が強い」

ハルカミライ

ハルカミライ

――ここからは2組の共通点について話したいんですけれど、2組に通底する動きとして、アリーナスケールの会場でコンセプチュアルなワンマンを繰り広げたことが挙げられると思っています。ということで、まずはハルカミライの皆さんに、3月に開催した神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブ『AVAN』の手ごたえを伺いたいです。

須藤:『AVAN』は「47都道府県ツアーのツアーファイナルを2DAYSでやるのはどうなんだろう」っていう疑問(※『AVAN』の前日は『ヨーロー劇場2025-2026 47都道府県ワンマン -BOOGER JOE-』のツアーファイナル公演と銘打たれた)から、演出にも凝ったワンマンでもやってみるか、っていう軽いノリで始めたんですよ。だから、今後ああいう演出をたくさんやっていくわけではなく、記念日ぐらいの感覚で。ロウソクみたいなもんですよね。ケーキの。

橋本:記事の見出しを目指してる?

須藤:ダメかぁ(笑)。でも、まぁ、ここまでの活動に対する記念であり、ロウソクみたいなもんです。

Maika:もう1回言った!(笑)。

――ロウソク、言い換えればアニバーサリー的な公演として演出を考えていったと思うのですが、そこを考える上で軸にあったものは何だったんですか。

橋本:映像を使う上で、具体的な描写はしないようにしましたね。光がただ射しているとか、人がただ動いているとか、普遍的で大きい概念だけで作りたかった。というのも、1個のモニュメントをバンって出すだけだと、解釈が狭まっちゃう気がして。「あぁ、こういうことかもな」って、色んな方向にそれぞれが舵を切れるようにしたかったんです。

――そういう場面を特定しない表現は、先ほど話していただいた核心をぼやかすような歌詞とも共通していますよね。

橋本:そうですね。核心を付き過ぎるというか、「これってこうなんだよ!」と突きつけられたものから得られる感動と、ぼやっとしたものに対して「うわ、これってこういうことなんじゃねぇの?」と自分で閃くことで得られる感動だと、圧倒的に後者の方が強いじゃないですか。だからこそ、腑に落ちるような表現を目指していますね。

――なるほど。今のお話とは対照的に、Chilli Beans.の皆さんが2024年に東京・日本武道館で開催した『”Welcome to My Castle” at Budokan』はアルバムのコンセプトを拡大したようなステージで。明確にコンセプトを構築していく中でどのような学びがあったのでしょう。

Maika:言ってもらった通り、『Welcome to My Castle』というアルバム自体がかなりコンセプチュアルな作品だったので、アルバム自体の絵を落とし込んでいく感覚だったというか。1曲1曲がお城の部屋になっていて、聴いてくれる人たちが色んな感情の扉を開いていく。そういうイメージでセットリストを決めていきましたね。その結果、自分たちが作っている音を、実際にライブの原体験として届けられることに気づけたんです。

Lily:そうだね。アルバムを現実にできるんだって思えた。

Moni​:うんうん。コンセプチュアルなステージだとさ、アーティストとしてお客さんと向き合うというよりも、その楽曲世界の住人になったみたいじゃない?「こういう世界があるんですよ」ってお客さんに見てもらっている、みたいな。その感覚も楽しくて。

須藤:次は俺らもそれだな。お城。

Moni​:あはははは!でも絶対格好良いよ。キュイーンって感じ!

橋本:いや、分かんないわ(笑)。全然伝わってきてないよ。

Maika:Moni​はこういうイメージの話をよくするから。レコーディングの時もそうだし。「Welcome」という曲の時なんて、「頭の上にカップケーキが回っているイメージ」って言ってたんですよ。でも、そういう音のイメージをライブで形にするのも楽しいんですよね。

会場限定のお楽しみも!? 大阪城音楽堂での初対バン

ハルカミライ×Chilli Beans.

ハルカミライ×Chilli Beans.

――楽曲を具現化するために演出を用いながらも、それぞれでその抽象度や手法が異なっていて興味深いなと。さて、7月3日(金)に『SOUND CONNECTION~SUNSET PARTY~』が開催されます。皆さんは既に大阪城音楽堂でのライブ経験もあるかと存じますが、夏の野音でやってみたいことはありますか?

関:……あれは?顔出しパネル。

Moni​:顔出しパネルやりたい!やろうよ、それぞれ特徴あるし。

関:顔の写真を撮ってもらって、お面をつくってもらう案もあるよ。

Moni​:それは違うよ! お客さんたちになりきってもらえるのが良いんじゃないの?

須藤:ライブ中に「学のお面ばっかじゃん」ってなったらテンション下がるよな。パネルだったら、俺たちのアー写も使いやすいんじゃないかな。

Maika:食べ物だったらかき氷が良いな。

Moni​:逆にお肉も食べたいよね。

橋本:それは〝逆に〟なの? お祭りとかでもお肉あるでしょ。

――実現するかもしれないとのことで、当日が楽しみですね。当日は相手のどんなステージを楽しみにしていますか?

Lily:格好良いライブはもちろんですけど、写真で大ジャンプをしているのを見たのでそれも楽しみにしています。

関:任せてください。

須藤:初対バンなんで、ありのままのChilli Beans.が見たいですね。

橋本:夏の気候とも合いそうだもん。

Maika:良い風を吹かしていきたいですね。

――では、改めて7月3日(金)に開催される『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』への意気込みを聞かせてください。

須藤:初対バンなんで、「頑張るぞ」「負けないぞ」、「お客さんは楽しんでくれるかな?」みたいな緊張感があるじゃないですか。そういう違和感も飲み込んで、最高のライブにゴールを決めます。

Maika:今のChilli Beans.、良い感じに仕上がってきているので、かっけぇライブします!

Moni​:風の横をすり抜けていくようなステージにしたいです。

須藤:(食い気味で)めっちゃいいね。

Maika:このイメージは一発で伝わるんだ(笑)。

取材・文=横堀つばさ 撮影=大橋祐希

イベント情報


『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY- 』

日時:2026年7月3日(金) 開場 17:45/開演 18:30

会場:大阪城音楽堂

出演:Chilli Beans./ハルカミライ

主催:SOUND CONNECTION実行委員会

企画・制作:MBSテレビ/GREENS/イープラス
 

●イベントオリジナルタオル付8,500円 ※限定受付

●前方指定席6,500円

●タオル付ジュニア7,000円(高校生以下)※限定受付

●ジュニア5,000円(高校生以下)             

 

2次プレオーダー受付(抽選)
受付期間:5月9日(土)12:00~5月14日(木)23:59

 

注意事項など詳細はイベントオフィシャルHPをご確認ください。

 

プレゼント情報

『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY- 』
Chilli Beans. × ハルカミライ サイン入りポスター
当日のをご購入いただいた方の中から抽選でプレゼント!

 

<当選人数>3名様
<応募方法>下記の応募フォームページから、必要事項を記入してお送り下さい。
https://questant.jp/q/D6DQP96B
<応募期間>2026年5月31日(日)23時59分まで
<発表>プレゼントの発送をもって発表と代えさせていただきます。

Share.

Comments are closed.