生坂村下生野の藤澤美惠子さん(64)は、旧更級郡大岡村(現長野市)にある実家に保存されていた明治時代以降の史料や文書などをまとめた本『農民の記憶~犀川のほとりにて』を発刊した。旧大岡村の歴史を中心に、生坂村を流れる犀川や景勝地の山清路などについて文章や写真でまとめている。藤澤さんは「昔の大岡や生坂の暮らしの様子を今の若い人に知ってもらう一冊になれば」と話している。
 旧大岡村で生まれた藤澤さんは、生坂村の小学校、中学校に越境通学して学んだ。その後、大町市の高校に通い、卒業後は静岡県に就職。20代での結婚を機に帰郷し、25年前に生坂村に移り住んだ。
 大岡の実家には「母親が1人で住んでいて、近いのでしょっちゅう帰っている」という。父親が2年前に他界した後、実家でさまざまな史料や文書を見つけた。「歴史が好きなので読み解くのが面白かった」と話し、昨夏に「この史料を本にまとめたい」と考え、松本市の出版社に依頼し今年3月に発刊した。
 藤澤さんの父の靖之さんが設計した生坂村と大岡村を結ぶ、犀川に架かる御曹子橋の設計図や初代の橋の写真など貴重な史料も掲載する。子供から大人まで読みやすいように文字を大きくして写真も多く採用している。藤澤さんは「昭和初期の自給自足の生活を中心に、当時の日本の状況が分かる一冊」と話している。
 200冊を作り、生坂村教育委員会や長野市図書館などに寄贈した。松本市や山形村の書店などでも販売している。税込み1100円。自費出版専門書房・クラフト舎のホームページでも購入できる。

旧大岡村や生坂村の歴史などをまとめた本を自費出版した藤澤さん

生坂や大岡の歴史を本に 藤澤美惠子さんが『農民の記憶』発刊

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