「なんであの人が、出世したの?」
そう感じたことはないだろうか。多くの人は、「仕事で結果を出した人が出世する」と考える。しかし、現実はそう単純ではない。
その答えを教えてくれるのが、書籍『会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司著・ダイヤモンド社)だ。これまでに数多くの企業で「働き方」を分析・支援してきた著者が、815社・17万3000人を徹底調査して「同世代より出世が早い人たち」の意外な共通点を突き止めた。大規模な統計データに基づき、「評価される人の行動」を科学的に解き明かした一冊だ。今回は同書から、出世した人の55%が実践していた「1on1での工夫」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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1on1で、つい言ってしまう「最悪の言葉」
部下との1on1で何から話せばいいかわからず、とりあえずこう聞いていないだろうか。
「最近どう?」
一見、やさしい問いかけに見える。
しかしこの言葉こそが、部下のモチベーションを下げてしまう“最悪の一言”だった。
815社17万人を分析し、職場で評価されている人たちの共通点を解析した書籍『会社から期待されている人の習慣115』では、次のように示されている。
508社に勤める20~30代の一般社員に匿名アンケートを実施したところ、「モチベーションが下がる上司からの声掛けは?」という質問への回答1位は「最近どう?」でした。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用
その理由について、同書はこう説明している。
理由は大きく2つありました。「何について聞いているかわからないから回答に困る」と、「そもそも私なんてどうでもよいと思っているから適当に声をかけていると感じる」です。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用
「最近どう?」は、聞く側にとっては楽な質問である。
しかし、部下にとっては「雑に扱われている」と感じやすい言葉なのである。
期待されているリーダーの78%は「最近どう?」を避けている
一方で、部下から信頼されている上司は、この問いかけを意図的に避けているようだ。
同書では、下記の調査結果が提示されている。
同じ508社の管理職に調査したところ、期待されているリーダーの78%が「最近どう?」という質問を避けていることがわかりました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用
では、期待されているリーダーは部下との1on1で何を話すのか。
それが、これだ。
期待されているリーダーの55%が、事前に部下に「1on1で何を話したいか」を聞いていました。
1on1を終えたあとに、次回の議題を確認していたのです。事前にチャットで聞く習慣も持っていました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用
曖昧な質問ではなく、事前に具体的なテーマを決めておく。
この準備が、1on1の質を大きく変えていたのである。
出世する上司は「あなたを見ている」と伝えている
具体的な質問から始める、もしくは事前に話したいことを聞くという実験を1か月にわたり試行した一般リーダーの246名のうち、76%が「1on1の質が向上した」と回答したという調査結果も、同書では示されている。
部下が求めているのは、「ちゃんと見てもらえている」という実感だ。
だから、誰にでも言える「最近どう?」という言葉は、部下のモチベーションを下げ、上司の評価を下げるのである。
(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の内容を引用して作成した記事です。書籍では「評価と信頼を得ている人たちの共通点」を多数紹介しています)
