note解剖#8 加藤貞顕・note代表取締役CEOインタビュー
2026年5月7日 4:55
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Photo by Shingo Matsuda
2022年12月の上場から3年余りで時価総額を約10倍に伸ばしたnote。さらに米グーグルや韓国ネイバー、KADOKAWAとの資本業務提携と、大型アライアンスが相次ぐ。生成AIの台頭がメディア産業の収益モデルを根底から揺さぶる中、noteはクリエイターへの対価還元の仕組み作りにも奔走する。長期連載『メディア興亡』内の特集『note解剖』#8で、「ネット上の本拠地」というコンセプトを掲げて個人から大企業、官公庁まであらゆる発信者の基盤を目指す同社の加藤貞顕代表取締役CEOに、編集者の知見が切り拓くメディアの生存戦略を聞いた。(聞き手/フリーライター 松田晋吾)
時価総額10倍を支える「合わせ技」
グーグル提携で狙うプライム市場移行
――上場以来、時価総額が10倍に伸びています。
業績や事業の成長が大前提です。その上でAIやコンテンツなど複数の論点で注目いただいている。その合わせ技だと思っています。
――2025年の米グーグルや韓国ネイバーとの資本業務提携も大きかったのではないですか。
それはあります。クリエイターの活躍の場を広げるのが基本方針で、さまざまな方と提携するのは以前からやってきました。自社だけではできないことはパートナーと手を組む、その一つがグーグルやネイバーです。
今年3月にはKADOKAWAとの資本業務提携もありました。noteの規模が大きくなったことで、そうした企業とも一緒に取り組めるようになってきました。
――海外投資家からの注目も高まったのではないでしょうか。現在は東証グロース市場に上場していますが、プライム市場への移行も検討されていますか。
グーグルが出資している上場企業としてnoteは国内で初めての事例です。その事実は海外の方にも伝わりやすい。プライム市場への移行は検討すべき選択肢です。noteはコンテンツとテクノロジーの両方にフォーカスしているのが特徴です。プラットフォームがユーザーに便益を届けるには規模が最も重要で、ネットワーク外部性を高めるためにも、資金調達の手段は多い方がいい。
――加藤CEO(最高経営責任者)はnoteを「街」と表現されています。どのような姿を目指しているのでしょうか。
人々が生活の場を物理世界からネットへと移し続ける「大引っ越し」の時代において、企業や個人が生き残るための「本拠地」をどう築くべきか。そこには、加藤氏が松尾研で「泣きそうになりながら学んだ」というAIの本質と、一冊の本を編むように組織を設計してきた編集者としての洞察があった。プラットフォームの「街」としての理想像から、メディアの命運を握るAI時代の生存戦略まで、次ページで加藤氏が明かす。
