舞台を中心に活動をスタートし、数々の人気シリーズ作品に出演、現在は映像でも話題作にレギュラー出演するなど多方面で注目を集める俳優・木津つばさ。28歳になった今、「国民的俳優になる」という夢の途中にいる。

    広島から上京した日のこと、コロナ禍で舞台に立てなくなった日のこと、“2.5次元俳優”の肩書に悩んだことなど、自身の言葉で赤裸々に綴るエッセイ連載『舞台にさよならを言う前に』。

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    【第4回】新しい夢

    今回書かせていただくのは、“新しい夢”について。

    前回までのエッセイを読んでいただくと、なんとなく僕についてのパーソナルな物語がわかると思うので、まだの方はぜひ読んでみてください。いってらっしゃいませ。

    はい、おかえりなさい。

    というわけで、あの挫折を経験してすぐの出来事になります。ここからは新しい夢についてお話をしていけたらと思います。

    広島に住む中学2年生の僕は、とあるきっかけで新しい夢──そう、「俳優」を目指すことになりました。

    これはもういろんな場所でお話しをさせていただいているので知ってる方もいるかもしれませんが、知らない方のためにも、改めて事の経緯、発端となる出来事からまずは語らせていただきます。

    学校を休みがちになってしまった木津少年。もしかしたらこのエッセイを読んでくれている人の中にもいるかもしれないね。でも悪いことじゃない、僕はそう思っています。

    だって、そのおかげで運命的な出会いを果たしたのだから。そして今、あなたの目の前で、あなたの応援で輝けている、幸せなことです。

    話は中学生のころに遡(さかのぼ)ります。学校を休んでいた僕は、初めて映画というものを知り、たまたま家に置いてあった作品のDVDを、テレビのディスクに入れて観ました。

    それが『サマータイムマシン・ブルース』という名作でございます。

    主人公は瑛太さん。共演にも名だたる俳優の皆様が名を連ねていて、今思うと日本映画業界の宝ともいえる作品と出会ったのだと、自分の運にも感心してしまうほどです。

    作品は、とにかく一度観てみてください、きっと自分を彩る世界が変わります。

    あのときの僕にはとてもキラキラして輝いて見えたほどに、ファンタジーやリアリティの魅力がたくさん詰まっている作品。

    汗や涙の結晶、もがき抗う勢い、前を向いて走ることへの意欲。すべてが美しく、気づいたときには笑いながら泣いていました。

    これが人生初の笑い泣きというやつです。

    そこで出会った神、僕の憧れであり素晴らしい俳優様。それがあの「ムロツヨシ」さんです。

    当時演じていらっしゃった役柄のお話をするとまた長くなるのですが、とにかく大好きなシーンは、自転車を全力疾走でこぐシーン。あのシーンは、僕にとっての夢の始まりでした。

    僕が舞台演劇などで、全力を出してぶっちぎりたいと思わせてもらえているのも、きっとあのシーンとの出会いがあったから。

    刺激的で心の昂(たかぶ)りを感じたあの瞬間を、次は自分が誰かに体感させたい。この思いを感じ取ってもらい、日々の彩りになれば、と強く思ったのを今でも糧にしています。

    推しに「がんばれ」って言ってもらえる気持ちが最高なの、わかる。

    僕もそうだったから、わかる。

    だからこれからも、あなたにたくさん「がんばれ」って伝えたい。

    僕たち俳優や作品が“あなたの味方”でありたい

    ところで、今のみんなに夢はあるかな?

    「夢は見るものじゃない、叶えるものだ」という自分の中の理念を大切にしているんですが、「きっと叶う!」という強い気持ちでトライして、失敗したっていいじゃない。

    やることに価値があって、そんなあなたに魅力がたくさんついてくる。

    僕には、舞台あいさつでよく使う言葉があります。

    「つらいとき、苦しいとき、悲しいとき、きっとこの先いくつもやってくると思います。でも、その先で僕たちの作品や俳優があなたの味方であり、希望であり続けていたらうれしいです」

    きっとこの先、誰しもが経験する“負”。それを救えるのも僕たちなのではないかなと、今では思います。

    きっとあのころの僕のように、誰かを救える人でありたい、出会えてよかったと思ってもらえるように、これからも大切で大好きな「俳優」を続けていきます。

    だから簡単には言わないけど、あきらめないで続けてみてほしい。僕もずっと応援します。

    がんばれ!! 俺もがんばるよ。

    木津つばさエッセイ連載『舞台にさよならを言う前に』過去記事はこちら

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