いまも世界的人気を誇る「機動警察パトレイバー」シリーズ、その新作アニメーション作品『機動警察パトレイバー EZY(イズィー)』が5月15日(金)の第1章公開より本格始動となる。この発表にSNS上では「うれしくて泣いちゃったよ…生きててよかった…」「期待しかない!めちゃくちゃ楽しみ!!」といった期待の声が集まっている。
これまで多数の作品やシリーズが生み出されたが、そんな最新作となる『EZY』はなぜここまでの注目を浴びているのか?本稿では、シリーズ初心者に向けた『機動警察パトレイバー』の基礎知識と共に、いまから入門するのにも打ってつけの最新作『EZY』の魅力にとことん迫っていきたい。
そもそも「パトレイバー」ってなに?
待望の最新作となった『機動警察パトレイバー EZY』[c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
まずは、「パトレイバー」がどんな作品であるのかを簡単に紹介していきたい。“レイバー”と呼ばれるロボットを使った犯罪に立ち向かう「特車二課(特殊車両二課)パトロールレイバー中隊」=通称“パトレイバー”たちの活躍を描く本シリーズ。『EZY』の舞台となるのは、AI技術による自動化が進んだ2030年代の日本。かつて最先端技術だった“レイバー”は、社会基盤を支える一部として定着。人が搭乗するスタンドアローン型の“レイバー”は、自立型ロボットへの代替が進み、もはや時代遅れとなりつつあった。だが時代が変わろうとも、特車二課の仕事は変わらない。第二小隊は、人と街を守るべく、新たなテクノロジー犯罪に立ち向かっていく。
ただのロボットものではない!警察官たちの群像劇&少し先の未来を描く「パトレイバー」[c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
本作の監督である出渕 裕と脚本・シリーズ構成の伊藤和典。さらにキャラクター原案を務めるゆうきまさみ、コスチュームデザイン協力の高田明美。この4人こそ、シリーズの原点となった「機動警察パトレイバー(アーリーデイズ)」のために集まった伝説のクリエイター集団「HEADGEAR」だ。創設メンバーには押井 守もアニメ監督として参加しており、世界に名を馳せるきっかけとなった。
巨大雪だるまが暴走…?コメディにシリアスと各話テイストが変化するのも特徴[c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
本作における4人の参加の意義は大きく、様々な点で進化を感じさせながらも、シリーズの肝となっている平成時代特有の精神性、熱気や明るさ、破天荒さが本作でも貫かれ、それが大きな魅力となっている。
魅力的なキャラクターたちが織りなす、“古びない”物語がシリーズの魅力
キャラクターが魅力的であれば、物語もおのずと魅力的なものになる。「パトレイバー」から影響を受けたという本広克行監督による「踊る大捜査線」シリーズがそうであったように、警察の職務を軸としながらも、描かれるのはあくまでも“人物”である。特車二課には、熱血女子の久我十和(CV:上坂すみれ)と、冷静さと熱さを持ち合わせた天鳥桔平(CV:戸谷菊之介)ら2人の主人公バディをはじめとした、非常に個性豊かなキャラクターが集まり群像劇として描かれていく。もちろんロボットアニメならではの迫力あるメカバトルのシーンも魅力だが、キャラクターの個性が引き起こすドタバタシーンは本作の本筋と言えるだろう。
チラシをめぐってケンカ…警察官とは思えない場面も[c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
そんな『EZY』の舞台となるのは、未来…と言ってもわずか数年後の2030年代の日本。近年リアルでも、再開発によって建物がどんどん近代的なものへと生まれ変わり、ファミレスの配膳ロボやビルの警備ロボなどの活躍が日常的な風景になった。海外ではタクシーやバスの自動運転も開始されている。一方で田舎は田舎のままで、古きよき商店街も変わらず存在し続けており、人間は未だ宇宙に住んでいないし、車も空を飛んではいない。また恋や仕事、人生と人の悩みも尽きない。そんな新しさと古さが混在した“いまの世界”と、さほど変わらない情景が描かれているのも本作の魅力だ。
レイバーは車両に載せて現場に向かうのがリアル[c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
想像もつかない未来のお話でもなければ、懐かしアニメの焼き直しでもない。明日にでも起きてしまいそうで、数年後には本当にレイバーがありそうという、身近さの絶妙なライン設定は、出渕&伊藤コンビの手腕によるところだろう。
『EZY』からでも問題なし!オムニバス形式で広がる世界観
伝説的アニメシリーズの最新作と聞くと、過去作を観ていないと楽しめないのではないかと思う人も多いだろう。しかし主人公を始めとした新たな登場人物たちが繰り広げる物語であるという点では、あくまでも新作のロボットアニメとして誰でも楽しむことができるものになっている。ただ一点、クレーン車やブルドーザーの感覚で操縦できるロボット(レイバー)が、警察車両として一部に導入されているという、予備知識はそれだけあれば十分だ。
戦い方は肉弾戦!敵レイバーを破壊するのではなく、逮捕するのが目的[c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
また物語は基本的に1話完結のオムニバス形式であるので、どこから観ても楽しむことができる。警察の物語であることから、命の危険が迫るような緊迫感あふれるシーンも登場するが、シリアスに陥りがちなところに出て来て、安堵させてくれるのがキャラクター同士のユーモアあふれる掛け合いだ。それぞれの個性あふれるセリフが笑いを誘い、いい塩梅で観る側の緊張感を緩めてくれる。物語を観進めながら、キャラクターの個性を知っていけばいくほど、キャラクターに情が湧き、より感情移入して物語を楽しむことができるだろう。
キャラクターを知れば知るほど、「パトレイバー」はおもしろくなる![c]HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
