マルタン・マルジェラ インタビュー

Martin Margiela 《Black Nail Polish》, 2025 Nymphenburg biscuit porcelain, pencil dimensions variable Photo: MARTIN MARGIELA

──服づくりと作品制作。その二つを行き来する中で、あなたの中で変化したものと、変わらずにあり続けているものは何でしょうか?
ファッションとアートは、創造の出発点こそ同じですが、その後の展開は大きく異なります。ファッションのデザインはスピードが求められ、その成果もまた、すぐに消費されていきます。一方でアートにはシーズンがなく、時代遅れになることもありません。むしろ時間の経過とともに価値を増していきます。ファッションが常に未来に向けられているのに対し、アートは「今」という時間の中で生まれるものです。締め切りもなく、作品が完成し、世に出す準備が整ったと判断するタイミングも、自分自身で決めることができます。

マルタン・マルジェラ インタビュー

Martin Margiela《Smoke IV》, 2022 Biscuit porcelain, metal, light panel 42 x 30 cm Edition of 3 Photo: WE DOCUMENT ART

──あなたの脳内を100%だとしたら、一日の中で作品制作について考えているのはどのくらいの割合になりますか? 残りはどのような思考で満たされているかも教えてください。
日によってまったく異なり、どこにいるかによっても大きく左右されます。アトリエにいるときは、100%制作に集中しています。そうでないときは、その日の気分や日々の用事によって変わります。

──展覧会という空間全体を通して、鑑賞者にどのような「時間の流れ」を体験してほしいと考えていますか?
鑑賞者が歩みを緩め、時間をかけて作品と向き合ってくれることを望んでいます。外の環境から離れ、作品の中に没入していくような瞬間が生まれると、心を動かされます。

──あなたにとって「完成」とはどのような状態を指しますか?
作品が完成したときは、大きな満足感を覚えます。しかし同時に、それは非常に危うい瞬間でもあります。というのも、まだ何かを付け加えられるのではないかと考えてしまうことがあるからです。その結果、作品の新鮮さを損なったり、ときには完全に壊してしまうことさえあるのです。

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