ZOZOは2024年5月に公開したユーチューブ動画でAIエージェントを活用した売り方を示唆していた

ZOZOは4月27日、LINE公式アカウント「ZOZOの似合うコーデAI ラボくん」を開設した。対話形式でユーザーの好みや利用シーンを引き出し、コーディネートを提案するサービスになる。アカウントとサービス名こそマスを意識し、ベタなものの、ZOZOがこの数年、綿密なスケジュールを立てて研究を進めてきたファッション✕AIエージェントを、本格的にサービスとして実装するもの。「似合う」を軸に進めてきたAIエージェントの実装は、検索中心だった従来のファッションECサービスを一新する可能性を秘める。

「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の膨大な商品・コーディネートデータに加え、スタイリング知見を学習したAIを活用。ユーザーは「週末のお出かけコーデ」「大人っぽいカジュアル」など曖昧な要望を投げるだけで、最適なスタイリング提案と解説を受けられる。特徴は、“言語化しにくい好み”の引き出しにある。従来の検索型ECでは、ユーザーがキーワードを明確に入力する必要があったが、同サービスは会話を通じて条件を整理。ファッション特有の「なんとなく」の感覚を可視化し、コーデ提案につなげる。

アプリ「WEAR」も連動
「見て買う」を一気通貫に

提案されるコーデは、WEARに投稿された実例をベースに構成。プロのスタイリストのような解説付きで提示され、使用アイテムはそのまま「ゾゾタウン」で購入できる導線にしている。従来のレコメンドではなく、「理解→納得→購入」までを一気通貫で設計している。

今回の取り組みは、ECのUIが「検索」から「対話」へ移行する流れを象徴する。すでに米国では、膨大なアイテムを取り扱うホームセンター系のECサイトがAIエージェントを実装し、成果を挙げつつあった。

その一方で、天候やトレンドに左右され、多種多様なデザインやサイズ展開があり、かつ購入者の趣味嗜好、その時の気分にも左右されるアパレルはAIエージェントとの相性が極めて悪い。ZOZOは「似合う」をAIと掛け合わせることで、日用品などとは異なるファッション独自のアルゴリズム解析の研究を進めていた。LINEというマス接点を活用した今回の一手は、AIエージェントがファッションEC分野で有効かどうかを図る、試金石になる。

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