2026年春、THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)は、新たなコレクション「GAR」をリリースした。インスピレーション源となったのは、長時間・長距離にわたって山中を走るトレイルランニング。同ブランドがサポートしてきたこのアクティビティの機能美は、どのように日常着へと昇華されたのか。
本記事では、GARコレクションの中でも、フェード感のある素材表現を特徴とする派生ライン「GAR Faded Collection(GAR フェーデッド コレクション)」にフォーカスする。企画・開発チームの株式会社ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス事業部の佐藤夏生さんへの取材を通して、その魅力を探る。
なぜ、TNFはトレイルランニングに注目したのか?
ザ・ノース・フェイスは、1966年の創業以来、極地遠征やアルパインクライミングに対応するヘビーデューティな装備を開発してきた。同時にトレッキングやスキー、スノーボードといったアクティビティ用のプロダクト開発にも精力的に取り組んできた歴史を持つ。
なかでも、10年以上にわたってプロダクト開発やアスリートの支援を行ってきたのがトレイルランニングである。
「山野を長時間、長距離にわたって移動するトレイルランニングのウエアには、動きやすいミニマルなデザインや寒暖差の大きい環境に対応するための素材など、多くの優れた点があります。そうしたスペックやデザイン性を日常着に落とし込む。これがGARコレクションのコンセプトです」
ヴィンテージライクなフェード感が特徴の派生コレクション
今回フォーカスするのは、GARコレクションの中でも、ひとつのラインとして展開されている「GAR Faded Collection(GAR フェーデッド コレクション)」だ。
「最大の特徴は、特殊な染色と製品洗いによって、“フェード感”が表現された素材にあります。このフェード感は、トレイルランニングによる素材のヤレた風合いや日焼け、付着した砂などをイメージしたものです」
たとえば、「GAR Faded Softshell Jacket(GAR フェーデッドソフトシェルジャケット)」では、ナイロンのソフトシェル素材に特殊な染色と製品洗い加工を施すことで、長期間着込んだような濃淡とコットンライクな風合いが表現されている。
