「サンローラン」2026年春夏コレクション

襟元を飾るボウ(リボン)が、クラシカル回帰の流れを追い風に再び存在感を強めています。これまではボウタイブラウスに代表されるお嬢さまムードが主流でしたが、2026年は甘めから強めへとシフト。“凜々しいエレガンス”を象徴するモチーフとして位置づけられています。

従来の制服的なイメージをずらした、ひねりの効いたデザインも目立ちます。例えば「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、張りのある素材でスーパービッグなボウを提案。結び目の位置をずらし、アシンメトリーに仕上げました。片方の端は長く遊ばせて、ウエストに届くほどのバランスに。今回は、2026年春夏コレクションのランウエイルックから、ボウの新潮流を選り抜きました。

小ぶりな結びで甘さを抑制

「ディオール」2026年春夏コレクション

ボウは、アレンジ次第でさまざまな表情を見せます。小さくまとめて端を垂らさない結び方は、コンパクトに収まるうえ、甘さを封じ込めるので、タフな装いにもなじみます。

「ディオール(DIOR)」は、デニムシャツとミニスカートのコンビネーションを披露しました。蝶ネクタイ風に巻いたボウもデニム仕立て。短く巻くことで、タートルネックのように襟元をカバーしています。スカートにもノットを施し、リボンライクに仕上げました。

ビッグボウで主役に引き上げ

「セリーヌ」2026年春夏コレクション

逆に、ビッグサイズにボウを結ぶと、装いの主役として存在感を放ちます。ロマンチックなムードが高まり、マニッシュな着こなしとも好バランスです。押し出しの強いジェンダーミックスに仕上がります。

白いボウを大胆に配したのは「セリーヌ(CELINE)」。ぐるぐると巻き付け、無造作にフロントへ垂らしました。タフな印象のレザーブルゾンとのムードミックスが、装いに奥行きを与えています。両袖のロングカフスは、指先が隠れるほどの長さ。ドレーピーなボリュームパンツとビッグバッグで重心のバランスを取り、襟元のボリュームを際立たせたメリハリのあるスタイリングです。

素肌見えを整えるボウ使い

「エムエム6 メゾン マルジェラ」2026年春夏コレクション

露出が増えるサマーシーズンは、ルーズさを抑えるうえで素肌見えのバランスが鍵になります。ボウを取り入れるのは、手軽に印象を引き締める好手です。素肌がのぞく面積が抑えられ、気品が加わります。

「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」は、ノースリーブの涼やかな装いを披露しました。自然に垂らしたボウタイが、伸びやかなムードを演出。ブラウスの上にキャミソールトップスを重ねて、アクティブな印象をプラスしました。両腕を出しながらも品格をキープできているのは、ボウタイのおかげです。

蝶ネクタイ風で正統派に昇華

「ケイト」2026年春夏コレクション

蝶ネクタイ風のボウ使いは、正統派のドレッシー感をまとわせます。優美でクラシックなムードが漂い、エレガントなコーディネートと好相性です。ドレープを効かせたブラウスともよくなじみます。

「ケイト(KHAITE)」は、ドレーピーなブラウスを主役に据えました。1枚でシンプルながらも品格が漂うのは、襟元のボウがしっかりクラス感を添えているから。控えめな光沢を帯びたブラウスは、ドレープが生み出す陰影によってノーブルなたたずまいに。シンプルなパンツが全体を引き締めています。

柄統一で魅せるボウの存在感

「メリル ロッゲ」2026年春夏コレクション

色・柄を統一すると、グラマラスなワントーンルックに仕上がります。ストライプ柄でまとめれば、動きが生まれ、ダイナミックな装いに。ドットや花柄など、気分が高まるモチーフで整えるのも有効です。

「メリル ロッゲ(MERYLL ROGGE)」は、全身をストライプ柄で統一しました。流れるようなストライプが、しなやかな縦長シルエットを強調。ノースリーブのワンピースに添えたボウが、大人の愛らしさを引き出しています。爽やかさと可憐さが同居する、マリンルックです。

後付けでもプラスできるボウは、着こなしのスパイスとして便利なアイテムです。レディーライクにもキュートにも方向づけしやすく、装いのスイッチ役としても活躍します。シンプルなスタイルにニュアンスを添えられるボウは、薄着になるこれからのシーズンに出番が増えそうです。

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