塩野瑛久の思う、自身の武器は?

4/29(水・祝)に全国公開する映画『SAKAMOTO DAYS』。週刊少年ジャンプの大人気コミックを実写化した本作は「凄腕の殺し屋だった主人公・坂本太郎(目黒 蓮)が、ある日コンビニで働く女性に一目惚れをして殺し屋を引退。結婚、娘の誕生を経て、「坂本商店」を営み、ふくよかな体型になった坂本に突然懸賞金がかかったことで、次々と迫り来る悪党と、愛する家族と平穏な日常を守るために戦う」というストーリー。コメディの鬼才・福田雄一監督と『キングダム』シリーズや『ゴールデンカムイ』を手がける制作プロダクションCREDEUSのタッグで超本格アクションエンターテインメントが実現したことでも話題です。今回は、Oggi.jpでのファッション連載『あきじかん』が好評の俳優・塩野瑛久さんが、本作で演じた改造人間・鹿島についてや見どころをたっぷり語ってくれました。

――塩野さんが演じた“鹿島”は、体中が武器でできている改造人間。演じるうえで特に気を配ったことやこだわったポイントはありますか?

鹿島は全身の70%が武器に改造されている“人工骨格人間”なんです。まず人工骨格とはどういう状態だろう?とイメージを膨らませていく作業から始めました。特に僕が意識したことは、鹿島は原作の中では数いる敵のうちのひとりで物語はずっと続いていくけど、今回の映画では最後に坂本に立ちはだかる敵なんです。だから、いかに不気味さを出せるかが重要だと思ったんです。話しかけても聞いているのか聞いていないのかわからないし、こいつはどうやったら倒せるのだろうと思わせたくて。原作をリスペクトした上で、鹿島というキャラクターにもっと無感情さや不気味さを足したかったんです。

――“普通”と“非日常”のバランスが魅力の作品ですが、ご自身の日常に影響された部分は?

今回はさすがにないかな!(笑)。今回、鹿島というキャラクターをより不気味に見せたくて、原作よりも無感情さを意識してつくったんです。だから役づくりの段階で、「鹿島はこういう性格だろう」という答えはそこまで求めなかった気がします。ずっと“無”だった鹿島が、徐々に坂本を追い込んでいく様を楽しむ一瞬の狂気的な感情を見せられたらいいなと思って演じました。

――本格的なアクションも見どころですが、撮影のエピソードを教えてください。

「SAKAMOTO DAYS」はかっこよさも魅力のひとつだと思うので、銃の撃ち方にも不気味さとスタイリッシュさを出したかったんです。アクション部分は委ねてくださった部分が大きくて、本番前のテストで僕のアイディアを試してみて採用される形で撮影が進みました。普通の人間が坂本の攻撃を一度受けたら骨がバキバキになるほどの威力がある。鹿島の不気味さを際立たせることで坂本の強さや攻撃がいかにずっしり重いかが伝わるんじゃないかと思ったので、受けのアクションにディテールを加えた部分も多いです。人工骨格で関節が外れているような動きや立ち上がるときの仕草をすごく意識しました。

――鹿島は武器が付いている状態なこともあり、大変だったのでは?

大変で!笑。僕と目黒くんはクランクイン前に何度もアクションの練習に通って準備しました。アクションは何度も挑戦していますが、これだけ攻撃を受ける役は初めて。これまでやったアクションとはちょっと大変さのタイプが違って、改めてアクション部の方々のリアクション演技のすごさを感じましたし、受ける側の演技がいかに大事かを痛感しながら撮影に臨みました。全身に武器がついた状態でアクションをしなきゃいけないけれど、重さを感じさせずにコンパクトに鋭い動きを見せたい。でも、武器で両手が自由に使えないので受け身が取れないんですよ。実は撮影中、少しだけリアルに痛いときもありましたがOKテイクになっていい臨場感が出ているので、どこだろうと予想しながら観てほしいです(笑)。

――特に注目してほしいアクションシーンはありますか?

福田組は自由にやらせてもらえる分、細かい指示はされないんですよ。だから我々、俳優部の経験値が必要とされる現場だと思っていて。思い切り蹴られて顔面がガラスにめり込むシーンは特にディテールにこだわりました。蹴りの衝撃で顎が外れて自分でカクっとはめなおす仕草を入れたり、ガラスに頭がグッとめり込んだことを表現するために頭を離す瞬間に少し反動を加えてみたり。細かい要素をふんだんに入れ込んだのでぜひ劇場で繰り返しご覧いただきたいです!

――豪華キャストがそろうことでも話題の本作。撮影現場で印象的だったことは?

僕は目黒くんとのシーンが多かったのですが、ふたりとも特殊メイクが必要でめちゃくちゃ朝が早かったんですよ。しかも、目黒くんの特殊メイクは僕よりもさらに朝早くから仕込まないといけないし、猛暑なうえに風を通さないらしく本当に大変だったはず。そんな状態でキレのよい動きをしていて、本当にすごいなと思いました。

――鹿島は全身を武器に改造するほどの用意周到なタイプですが、塩野さん自身は用意周到にしたい派か、その場で臨機応変に決めたい派かでいうとどちらですか?

臨機応変に決めたい派です。石橋を叩いて渡るようなところもあるのですが、決してそれが得意なわけではなく、じっくり考えて結論を保留にすることもあります。僕の性格をご存知の方は想像できると思うのですが、かなり慎重な性格で予定をなかなか決められないんです。数日先の予定に合わせて持ち物を準備しておくのも苦手でギリギリに用意したいし、そういう意味で用意が苦手なタイプかもしれません(笑)。「その日の気分はその日の自分が知っている。今の自分がどう言おうとその日の自分がどう言うかはわからない」と思っている節があります(笑)。

――武器をたくさん持っている鹿島ですが、塩野さんご自身の武器(=強み)といえば?

アニメ作品が好きだからかもしれないのですが、“自分の与えられた役割で役をいかに魅力的に見せるか”は、自分の中で自信がある部分です。アクションは何度もやらせていただいていますが、実は得意なわけではなくて。以前、殺陣の先生から「アクション中に殺気が見える。自分が刃物を扱っているという自覚や刃物を向けられている人の緊張感を表現するのが本当にうまい!」とありがたいお言葉をいただいたんです。僕の中でも動きのキレよりも芝居の表現で埋めている感覚はあって、ディテールを考える妄想力が高いことが強みなのかもしれません。今回はワイヤーアクションもたくさんあって大変な部分も多かったですが、新鮮で楽しかったです。攻撃される受けの演技が上手くなれたような気がします。

【撮影現場ビハインド 〝しおらしい〟取材メモ番外編】
・不気味さを意識して演じたと話す塩野さんに、「今までの塩野さんの作品でも鹿島はダントツで不気味で怖かったです」とOggiチームが感想を伝えると、「あぁそれはよかったです。本作での僕の役割は、そういうところかなとも思っているので」と笑顔をのぞかせていました。
・自身の武器は?の質問で、「子供のころは、両手にフィギュアを持って戦いごっこみたいな遊びをよくしていたのですが、当時からストーリーや背景、絵が頭の中ではしっかりできあがっていた」と話してくれた塩野さん。

・ガジェット好きの塩野さんは、スタッフのAIボイスレコーダーを見て「AIのボイスレコーダーだ。これすごく性能がいいらしいですよね。使ってみてどうですか?」と興味津々。「すごく気になるのに、使いどころがないんですよね…」と少し残念そうでした。

撮影/杉原賢紀 スタイリスト/能城 匠(TRON) ヘア&メイク/草替哉夢 構成/佐々木怜菜、岡野亜紀子

俳優 塩野瑛久

しおの・あきひさ/1995年1月3日生まれ。東京都出身。どんな難役も演じ分けることから“カメレオン俳優”と呼ばれる実力派俳優で、話題作に多数出演。2024年は大河ドラマ『光る君へ』で一条天皇を熱演し話題に。近年は日韓制作のドラマ「魔物(마물)」、『終幕のロンド—もう二度と、会えないあなたに—』、『嘘が嘘で嘘は嘘だ』、『未来のムスコ』など注目作に出演。公開中の映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』、『SAKAMOTO DAYS』(4.29)、『マジカル・シークレット・ツアー』(6.19)、『ラブ≠コメディ』(7.3)が公開予定。ファッション好きとしても知られ、センスのよさから数々のファッションイベントなどに呼ばれる今、まさに旬の人。2024年1月より、Oggi.jpでファッション連載中! 公式Instagram @akihisa_shiono_official

映画『SAKAMOTO DAYS』4/29(水・祝)全国公開

かつて「史上最強」と言われた元殺し屋、坂本太郎。しかし、ある日、彼は恋に落ちたことであっさりと殺し屋から引退! 結婚し、娘の誕生を経て、街の個人商店の店長となった坂本は、かつての面影が無いほどに……太った!! だが、そんな彼の首に突如、10億円の懸賞金が掛けられたことで日常は一変。世界中から刺客が集結する――。愛する家族と平凡な日常を守るため、決して人を殺さずに迫りくる危険な敵と命を懸けた壮絶なバトルを繰り広げる!
映画公式サイト https://skmtdays-movie.jp/

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