『いじわるな日本語』産経編集センター校閲部著(産経新聞出版・1650円)「ミサイルの射程距離」「貯金を切り崩す」「くさびを打つ」…。産経新聞では、記事が紙面化される前段階での誤字脱字など不適切な表記の事例集が定期的に作成され、再発防止用に共有されている。冒頭の表記は最近の事例で、「射程距離→射程」「切り崩す→取り崩す」「打つ→打ち込む」が正解となる。

本書は、その事例集を作成する産経編集センター校閲部の記者たちがニュースサイト「産経ニュース」に連載中のコラムを書籍化したもの。刻々と迫る締め切りと戦いながら誤字脱字を拾い上げ、日本語の精度を極限まで高める様子がつづられている。印象に残るのは、若手3人による書き下ろしコラム。ミスを危機一髪で回避したときの安堵(あんど)や締め切り後に判明した痛恨のミスへの悔しさがストレートに伝わってくる。まるで青春物語を読んでいるようだ。

知的好奇心の強さも半端ではない。旅先で気になった地名の由来をとことん考察し、自宅近くのごみ捨て場で目に留まった焼酎瓶のラベルから猫の生態に思いをはせる。仕事以外でも〝言葉漬け〟なのだ。

最後に本書からクイズを一つ。遺体の火葬を意味する「茶昆に付す」。この漢字(読み方は「だび」)2文字の間違い、分かりますか?

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