
G-DRAGONが出演したリートン広告のキャプチャ=リートンYouTubeチャンネル(c)MONEYTODAY
【04月21日 KOREA WAVE】韓流人気アーティストのG-DRAGONが突然登場する広告が話題を集めた。カメラに向かって「これはAI広告だ。名前はルイでもリーでもなく“リートン”だ」と語るシンプルな映像で、G-DRAGONがスマートフォンで直接撮影したワンカット形式の縦型動画だ。音楽や効果音もない異例の内容だったが、かえって注目を集め、公開1カ月で再生回数1000万回を超えた。
この広告を展開した韓国のAIサービス企業「リートンテクノロジーズ(Wrtn Technologies)」は、機能説明よりブランド名の認知拡大に軸足を置いた。テレビやOTT、屋外広告まで広く露出し、まず「リートン」という名前を覚えさせる戦略を徹底した。
同社の2025年の広告宣伝費は294億ウォン(約31.8億円)に達した。営業費用全体も1060億ウォン(約114.6億円)に上ったが、同社は費用負担を受け入れて先行投資を続けた。その結果、同年の売り上げは471億ウォン(約50.9億円)となり、前年の約31億ウォン(約3.4億円)から15倍以上に急増した。広告投資が事業の規模拡大を後押しした格好だ。
こうした戦略はリートンだけのものではない。AIサービスでもファッションプラットフォームでも、消費者の日常に深く入り込むサービスほど広告依存度が高まる傾向がある。服を買う時、車を売る時、住まいを整える時、専門家を探す時に最初に思い浮かぶ名前になることが、そのまま競争力につながるためだ。
特に生活密着型のITプラットフォームでは、この傾向がより鮮明だ。ファッションプラットフォームのエイブリーは2025年に広告宣伝費として471億ウォン(約50.9億円)を投じ、カカオスタイルも184億ウォン(約19.9億円)を支出した。多く見られ、多く思い出されることが購入につながりやすい市場だけに、広告の役割は大きい。
代表例として挙げられるのが中古車取引サービス「ヘイディーラー」だ。運営会社は2022年に509億ウォン(約55.0億円)、2023年に423億ウォン(約45.7億円)を広告宣伝費に投じた。著名モデルを前面に出し、「車を売るならヘイディーラー」という文句を消費者に浸透させた。インテリア中心のライフスタイルプラットフォーム「今日の家」や、専門家マッチングサービス「スムゴ」の運営会社も、年間200億ウォン台(約21.6億円台)の広告宣伝費を使ったという。
著名人の起用も同じ文脈にある。まだ大衆になじみの薄いサービスを短時間で説明し、信頼感と親近感を同時に植え付けるためだ。G-DRAGONのリートン広告や、女優ハン・ソヒのヘイディーラー広告のように、スター1人がブランドの第一印象を左右する構図だ。プラットフォーム業界では、先に名前を広く知らせ、その後に収益性の改善へ進む流れが成長の定番コースの一つとされる。
もっとも、こうした広告投資は収益面で重荷にもなる。リートンは売り上げが15倍以上に拡大した一方、2025年の純損失は約581億ウォン(約62.8億円)だった。ブランド先取りのための投資とみることはできるが、赤字を抱えたまま規模競争を続けることへの懸念も残る。
IT業界関係者は、プラットフォーム市場では知名度がそのまま生存力に直結すると指摘する。その一方で、広告で得た認知を実際の利益へ結び付けられなければ持続は難しいともみている。名前を刻み込んだ後、その知名度をどう収益化するかが、新興IT企業の次の課題になっている。
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