沈黙が語る時 ― 伊藤エミの最後の手紙。沢田研二と息子は、母からの手紙のおかげで25年ぶりに再会する。
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25年間、母は何も言わなかった。
息子も、何も聞かなかった。
それは、沈黙という名の愛だった。
かつて、昭和という時代を彩った双子デュオ「ザ・ピーナッツ」。
その片割れとして一世を風靡した伊藤エミは、華やかな舞台の光を離れ、ひっそりと暮らしていた。
彼女の隣には、まだ幼い息子と双子の妹・ユミ。
夫であり、歌手・沢田研二が家を出て行ったあの雨の夜から、
彼女の中で時間は静かに止まった。
彼女は決して夫を責めなかった。
どんな噂が流れても、どんな記事が出ても、
息子の前では「お父さんは仕事で忙しいの」と優しく微笑んだ。
怒りも恨みも見せず、
ただピアノの前に座り、音で語った。
言葉にできない痛みを、旋律に変えて——。
年月が流れ、息子は成長し、母は病に伏した。
そしてある日、古いピアノの上に一通の封筒を残して、静かに旅立った。
そこにはたった一言、震える筆跡でこう書かれていた。
「ジュリーへ」——かつて彼女が愛した人の名。
