派手さはない。それでも、なぜかいつまでも記憶に残る俳優がいる。Netflixの話題作を見ていると、ある女優の姿が何度も目に入る。イ・イダム(29)だ。

実際、『今日もあなたに太陽を』『恋の通訳、できますか?』『サラ・キムという女』『パヴァーヌ』など話題作への出演が続き、「Netflixが繰り返し起用する女優」として注目を集めている。

凛とした強さと、ふとした瞬間に見せる切なさ。筆者もそのギャップにすっかり引き込まれてしまった。本記事では、作品ごとに異なるイ・イダムの“魔性の魅力”を探る。

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「静かなるカリスマ」の素顔は「陽キャ」!?

イ・イダムは1996年5月20日生まれで、身長170センチのスラリとした体型と黒いストレートヘアが印象的な俳優だ。2017年、短編映画『二つの光:リルミノ(두 개의 빛: Relúmĭno)』でデビューした。

強烈な美貌や派手な演技で存在感を押し出すタイプではない。奥二重の静かなまなざしと落ち着いた佇まいで物語の中に自然に溶け込み、登場人物の関係や感情の流れを動かすキーパーソンとして作品を支えている。

『今日もあなたに太陽を』終了後のインタビューでは、自身の性格を次のように分析している。「かなり人見知りですが、時間が経つと人が好きな気持ちが強くなります。明るくておしゃべりで、友達の集まりでは場をまとめることも多いです」。作品では事情を抱えた人物を演じることが多いが、本人はむしろにぎやかな性格だという。

静かに物語を支配する演技

俳優イ・イダムの魅力は、ひとことで言えば「過剰に説明しないこと」にある。そして出演作を見比べると、共通する特徴がある。表情と「間」の使い方によって、役の空気感を変えていく演技だ。大きな感情表現に頼らず、わずかな表情の変化や沈黙の時間で人物の内面を伝える。台詞よりも、視線や立ち居振る舞いで人物像を作り上げる、自然で繊細な表現が強みだ。主演を圧倒する派手さはないが、それでもシーンの緊張感や感情の流れを支え、見終わったあとに名前を確かめたくなる存在感を残す。その魅力は、最近の出演作でもはっきりと表れている。

話題作で光るイ・イダムの魅力

心の欠落を抱えたエリート看護師
『今日もあなたに太陽を』(2023年/Netflix)

(写真=Netflix)

主人公ダウン(パク・ボヨン)の同僚の精神科看護師ドゥルレ役。仕事は完璧にこなす冷静な人物だが、母親との確執や貧困を抱え、自分の感情を押し殺して生きてきた複雑なキャラクターだ。
序盤の感情を見せない「無機質な美しさ」から、徐々に自分の本当の夢や愛に気づいて心が解放されていく過程を、繊細な表情の変化だけで描き出した。本当にそこにいそうな日常の空気を、自然な演技で表現している。

年下男性を惹きつける番組PD
『恋の通訳、できますか?』(2026年/Netflix)

(写真=Netflix)

恋愛リアリティ番組のPDジソン役。結婚を目前に控えて揺れながらも新しい選択をしていく感情を生き生きと描き、人物像に立体感を与えた。堂々とした性格と個性的な魅力を持つキャラクターを自然に表現し、物語に厚みを加えている。ヒロイン・ムヒ(コ・ユンジョン)のマネージャー(チェ・ウソン)とのロマンスでは、年下男性をぞっこんにさせてしまう柔らかくも魔性の魅力を見せている。

欲望に飲み込まれていく女
『サラ・キムという女』(2026年/Netflix)

(写真=Netflix)

主人公サラ・キム(シン・ヘソン)のビジネスパートナーで、腕のいいかばん職人のミジョン役。純粋な少女が次第に欲望を露わにしていく。表情のわずかな変化や微笑みの温度差を使い、人物の変化を丁寧に描いた。静かな態度の裏に潜む鋭さが、最後まで物語に緊張感を与えている。

物語の空気と人間関係を変える存在
『パヴァーヌ』(2026年/Netflix映画)

デパートの高級ブランド売り場で働くセラ役。一見尖った役柄に見えるが、物語の空気をさりげなく変え、人間関係をつないでいく役割を担う重要なキャラクターだ。イ・イダム特有の、「何を考えているかわからない」吸い込まれるような視線と静かな支配力で、助演ながら物語を確実に動かす。視線だけで感情を伝える演技のうまさを改めて感じさせる作品。

イ・イダムは作品ごとに異なる人物像を描きながら、自身の演技の色を着実に築いてきた。デビューからまだ7年ということにも驚かされる。次回作は2026年上半期公開予定のヒューマンコメディ『アスラ・バルバルタ(原題)』とされている。まだまだ伸びしろの大きい俳優だけに、次はどんなキャラクターを見せてくれるのか期待が高まる。

(文=田名部 知子/Xで気ままなソウルの日常を発信中:@t7joshi)

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